
さて本日は、本誌Replan東北記事からのご紹介。
新住協代表理事・鎌田紀彦先生に連載でお願いしている
「Q1.0住宅デザイン論」であります。
住宅の進化というのは、ただ熱環境的追求では収まらないだろう、
そういう目に見えない部分の進化が、やがて目に見える進化を促すのでは?
というわたしどもの、ユーザー的立場からの探求希望に対して
鎌田先生が、住宅のデザイン的な部分で追求していただいている企画。
この4月末の号で第4回「シンプルな家〜平屋」が発表されました。
この連載記事の要旨というか、
先生からの日本の住宅への現状革新の具体的提案が、表題の通りです。
北海道の住宅においては、高断熱高気密を発展させた結果、
外皮面積を少なくするという合理的方向が選択され
その内部空間での要求床面積スペースとの兼ね合いから
「総2階建て」プランが、採用されるようになりました。
このことは、熱環境性能の追求の必然的結果として、
先生も積極的に唱導され、地域の作り手たちによって発展してきた。
高断熱化で、必要床面積の関係から1部2階建てで外皮を増やすよりも
むしろ内部空間に吹き抜けを持つ方が熱環境的に合理的になった。
しかし、先生も文中で語られているように、総2階建ては
「カーポートやアプローチ、物置・塀などの外構デザインを上手に
組み合わせれば、十分格好よく仕上げられる」けれど、
必ずしもそうした組み合わせが出来ず、外観が整わない例も多い。
そういったなかで「家族も多くはないし、コンパクトで良いから平屋の家を」
希望するユーザーも増えてきた。
コストや熱環境的には難しさがある平屋ですが、しかし先生も
以下のように認められるご意見。
「平屋が格好良いのは、水平線を強調できシャープなかたちに見えるから」。

このような現代の与条件を踏まえて、先生から出されてきた答が
「中2階のある平屋住宅」。
「中2階は天井高が1.4m以下ならば階数や床面積に算定されません。」
「こうした住宅は、もう少し工事費がかかることになりますが、
全体をシンプルなかたちにまとめることで、工事費アップは
最小限に抑えられますし、暖房費もそれほど変わりません。」
「夏には、中2階に設けた窓から効率よく排熱でき、
とても涼しい家になります。そしてほどよい高さの吹き抜けが
豊かな室内空間を作ってくれるでしょう。」
というように、提案されています。
この記事執筆に当たっては、札幌の設計事務所・フーム空間工房
宮島豊さんの設計のプランを事例としてご紹介しています。
「性能とデザイン」の探求が生み出してくる住宅の進化。
「高さのある天井がとても気持ちの良い空間を形成し、
きれいに暮らすために中2階が役に立っている気がします。
外観も総2階建てよりもはるかに低いプロポーションが美しく、
この設計を参考に、Q1.0住宅の一つのプロトタイプができるのではないか」
と、考えられているということ。
本誌としても、大いにこの動きを注目していきたいと考えています。
なお、〆切の関係もあって(笑)ややページにゆとりの少ない誌面でした。
6月発売の北海道版掲載では、レイアウトに手を加えるかも知れません。
興味を持たれた方は、いま発売中のReplan東北をご覧ください。
こちらでWEB販売中
<下の写真は中2階イメージ〜飛騨高山の町家建築軒側>
Posted on 5月 22nd, 2016 by 三木 奎吾
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わたしのブログは数カ所で拡散しております。
そのなかでも顕著に反応が確認できるのが、Facebookでの拡散。
きのうの投稿、【経産省さん読んでね。 熱く燃えるZEH論議】は
朝6時頃のアップ直後から、たくさんのみなさんから反響が寄せられました。
写真は、Facebook個人ページにリンクしてあるGOOのアクセスカウンターです。
下の方の「いいね」は、そのページでのきのうの総数。
この他、数カ所にブログを発表していますのでこの倍以上の反響でした。
住宅という専門的分野なので、数字はそう大きくない領域だと思いますが、
そこそこ多数のみなさんから興味を持っていただけました。
ツイッターの反応では、「経産省じゃないけど、読んだ@」という
秀逸な反応もあって、楽しませていただきました(笑)。
いかに、いま進められている経産省のZEHが関心を呼んでいるかですね。
パッシブハウス基準においてもその傾向がありますが、
今回のZEHにおいても、寒冷地域は対応するのには困難がある。
温暖地域ではちょっとした断熱強化程度で簡単にクリアできるけれど、
寒冷地ではその断熱強化にすごいバリアーが存在する。
ほぼ300mm断熱程度が目安になってこざるを得ない。
そういった断熱厚は、その工法開発においてそう容易ではないし、
経験知も不可欠になってくる。
一方で創エネの方のPVの発電効率は
積雪条件、千変万化する冬期の気象で安定的ゲットを期待できない。
たぶん、125万円の補助金と見合わせて考えて、かなり微妙。
国の施策であり、まさか北海道は対象ではないと宣言は出来ないけれど、
温暖地域での容易な対応からすると、
地域偏差はかなりのものがある。
たしかにニアリーZEHでも北海道では良いですよ、
という奇跡的な対応が経産省から示されたけれど、
それくらい北海度は対応が難しいのだと明らかにもなったということ。
さらに、ユーザー反応がまだ明確ではない段階で、
ZEHビルダーに登録すると、年限を区切って義務も発生する。
はたしてユーザーの支持を得られるかどうかも定かではない中で
新築住宅の過半数をZEH対応とすること、ということが
踏み絵のように判断を迫られても来る。悩ましいところでしょう。
しかし、困難ではあるけれど、
その目指そうとしている目標自体は、異議はない。
しばらくの間は、この問題で悶々とさせられるだろうと思われます。
そういった寒冷地での状況を、今後も少しずつ触れていきたいと思います。
<ブログ文章修正のお知らせ。>
今回はわたしの不注意で、文章をしっかり推敲せずにブログにアップしてしまい、その後、休日で出掛けていて、内容を十分にチェックしておりませんでした。毎日更新という自分で決めた決まりに縛られて発生した不注意事故です。まことに申し訳ありません。初めの文章では寒冷地でのZEHの基準クリアの難しさを対比的に「パッシブハウス基準」を例として上げているつもりで書いたのですが、その部分がZEHとパッシブハウスで取り違えられるような書き方になっておりました。意に反してパッシブハウスに不都合なような表現になっておりました。で、読者の方から苦情の書き込みをいただいた次第です。
これはまったく弁解の余地なくわたしの不注意でした。文章については修正して掲載しております。21日朝早くから昼頃までに読んでいただいたみなさん、訂正してお詫びいたします。どうぞよろしくお願いします。
Posted on 5月 21st, 2016 by 三木 奎吾
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先週末の東北フォーラム・合同研究会のテーマであったZEHについて、
きっかけとして論議を起こしたいと提起した拙ブログですが、
わたしの想像以上にたくさんのみなさんの発言が巻き起こっています。
Facebookによる「拡散」効果だと思います。
せっかくの貴重なご意見ですので、以下に要旨をまとめておきたいと思います。
各発言については、拙個人Facebookコメント欄で確認してください。
◎太陽光発電でZEHを実現するというのには、ちょっと抵抗がある。やはりまず
高気密・高断熱が先決。どうも政策の背景に圧力業界団体の存在が見える。
市場が要求する性能を補助金で歪めてしまうと、不自然な景観が出現する
◎都内の3階建てでは、ZEHに必要な太陽光のせるのが困難。
道路付きや高いビルの隣など影ばかりあります。都内を無視した政策ですね。
◎切妻で済む程度のPVでやれるだけのエコハウスに、
どこまで合理的に無理なくバランスが取れるか、という努力が不可欠。
◎「長き存続を考えていいものを作る」という家づくりポリシーとZEH選択とは、
根源的な部分で違いがあるのではないか?
◎ZEHと景観・デザイン・文化についてはこれから重要な議論になる。
ZEHは極論すれば環境・エネルギー政策に起因するために
これまで日本が築いてきた住文化と対峙する。この融合をどう図るかについて
現世代の業界人の真価が未来から問われている。
◎太陽光発電パネルを設置しない限りエネルギーの100%削減は無理、
だとは思うのですが、しかし・・・。
◎ZEHは今後どうしたら、よりエコロジカルなアプローチで
かつ日本文化的に最適解があり得るのか、探っていくべきだ
◎東京近郊住宅地では計画として、建物を北側に寄せてる配置が多く、
北側斜線(高度地区)に絡み南下がりの片流れはまずありません。
への字型屋根は確実に増えますね。パネルを多く載せるために、
軒の出が大きくなっているのは嬉しいです。
機能のためにデザインが変化していくのは良い事ではないか。
◎ 2階から1階まで大きな片流れで、
2階の南面に窓がないという家も現れました。疑問。
◎景観として似たような家ばかり並び、屋根の上に無機質なパネルが並び、
家の表情が台無しになる。北海道では当然のごとく壁GW300以上の断熱材を
入れたりしなければ、全くもって成立しないが、
暖かな地域では、そんなことをしなくてもいとも簡単に、ZEH化できてしまう。
◎鹿児島では、12月にクーラーを入れる事が有ります。魔法瓶の家でなく
風通しの良い家の方が、と思いますが…。
◎北海道でも南面の大開口に日射取得型のガラスを採用すると、
3月位から天気の良い日には、窓を開けて暖房という現象がおきます。
北海道でも30℃を超える日があります。UA値0.3以下程度の住宅だと、
たとえ暑くてクーラーを入れたとしても、ほんのすこしで充分です。
ユーザーが如何に快適に経済的に過ごせるかを考えなければいけない。
◎断熱はそこそこでも「ゼロエネ」と高々と謳えて経産省が後押しするのは、
北海道のマジメな取り組みにとって百害あって一利なし。
◎片流れの家の背後に計画したのですが、どうしても日射が入らないので、
土地を買い替えてもらったことがあります。
他人の家のことを考えず、太陽光発電の効率で家を決めるのも困りもの。
◎ZEHの太陽光パネルが片流れ屋根を生むのは日本の伝統的な景観として
異質な外来種のように感じるということでしょうか。
むーん 北海道の陸屋根もさんざんに言われるし、屋根って大切だけど難しい。
◎経産省が主導しているので、住宅政策ではなく、モノ主導で
PVを住宅に「押し込む」形になっていく危惧を持つと言うことですね。
江戸時代の防火目的の瓦屋根推奨政策よりも、どうも文化的とは言えない
◎ZEH=片流れ・・やZEH=屋根にPVみたいな「お約束的パターン化」は
街並みを画一化させてその質を低下させてしまうと、
その主因として、ZEHにはデザイン上の選択肢がほとんどないのか?
◎PVありきで補助金と高額の売電という基準だけによって選択された
住宅デザインに、はたしてサスティナビリティはあるだろうか。
補助金や売電のお金稼ぎのためのデザインに永続性はありうるのか?
◎短いスパンで進化し姿を変えてゆくPVパネルによるデザインと一体だと
長い目で見れば早々に陳腐化してしまわぬか?
もうひとつは売電というお金儲けを住まいという、本来これらとは対極のものに
接続することで、家づくりや住まうことの意味が歪められてしまわぬか?
◎二百年後にあの制度がこんな街並みを作ったと言われているかも。
制度をうまく利用してしたたかに生きるというのが求められる。
北に生きる私達はちょっと斜に構えて制度を作った人達が
悔しがるようなニッチを見つけたいもんだなと思います。
◎ZEHのスペック要求は、都内などでビル影等で実際の効果が
疑問視されるようなところでも「設計値」ということでまったく考慮されない。
ちょうど日影規制が“野っ原の真ん中に建築したときの影”で規制されるのと
似たようなものかもしれません
◎エコを謳って全然機能しなくてもエコ「計画」だからいいって?
PVの発電は北海道では雪で機能しにくいことが明瞭だけれど、
「まぁいいからPV付けて」っていうごまかし。後世の人は納得しない、負の遺産。
◎PV以外の方法、たとえばバイオマスボイラーとかダメなの?
◎「創エネ」という概念に合致する機器としてはPVしか想定していない。
海外ではPVだけに特定せず、将来的な機器の開発を想定して、
ZEH READY〜いまは搭載しなくても将来的に創エネ機器を搭載すればZEHだ、
という考え方が標準的。
◎国が「こいつらうまいことやりやがって」と考えて、もう少し方向性を
考えてもらうようなアイデアが必要。
◎北海道ビルダーズ協会からはZEHに掛かる問題点と要望書が経産省に提出され
相応に伝わって北海道だけは、外皮をZEH基準より一定の強化をした場合に限り
ニアリーZEHでも補助対象になりました。経産省なりの配慮かなと。
以上、たくさんの発言に深く感謝致します。
でも、こういったSNSの特性を活かした論議は有為なパブリックコメントですね。
ぜひ、行政サイドのみなさん、参考にしてください。
<図表は日本のエネルギー消費状況推移〜出所/総合エネルギー統計
国民経済計算年報、EDMCエネルギー・経済統計要覧>
Posted on 5月 20th, 2016 by 三木 奎吾
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きのうの札幌は気温が25度近くまで上昇。
本当にありがたい気候の季節になって参りました。
長く閉ざされた季節を超えて、この解放感に満ちた季節が
北国が、もっとも天国に近づく瞬間。
先日来、様子を写真でお見せしていたクンシラン、ごらんのように開花。
サクラの乱舞が終わった、あるいはそれと同時に、
一斉に彩りに包まれてきます。
という気持ちの良い気候に誘われて
すっかり散歩、歩け歩けモードに突入しております(笑)。
先日の仙台出張で、たまたまクルマが必要でない、市内移動のみだったので
多少の距離は全部歩いてみようとなって、
連日、移動はもっぱら徒歩利用になっておりました。
1日の総歩数は、iPhoneにあるアプリで計測していますが、
これが毎日10,000歩を超えていて、
そうなってくると、腰が後ろから押し出されるような感じがしてくる(笑)。
先週金曜日など、お酒を仙台の歓楽街「国分町」で飲んだあと、
約2kmくらいの距離にある五橋のホテルまで
「お、酒を抜くのに、ちょうど良い距離かな」と酒の酔い以上に気持ちの良い
ウォーカーズハイの心境でさっそうと歩いておりました。
そんなふうに気分が高まってくると、連日の歩数は16,000歩レベルまで上昇。
1歩60cm換算で考えると、だいたい毎日10km程度歩いている計算。
たぶん、もうちょっと歩幅は大きいように思いますから、
もうちょっと歩いているように思います。
江戸時代の東海道などの宿駅は、2里から3里程度の距離だったそうで、
まれに4里等というのがあった。
今の徒歩ペースは、江戸の旅人のレベルくらいにはなっているかと。

慣れ親しんだ仙台市内や札幌市内散歩コースの清々しさを
存分に味わわせていただいております。
まったくお金のかからない健康法と言うことで
節約感で気分がたいへんリッチになってくる(笑)。
勝手に儲かった気分に浸りながら、自己満足・三昧の気分であります。
さてきょうも、歩くぞ!
Posted on 5月 19th, 2016 by 三木 奎吾
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きのうは札幌市内で新住協札幌支部の2カ月に一度の例会。
大きく2部構成で進行し、前半は今年9月に開催の
新住協全国大会in北海道についての打合せとメーカー各社からの
新製品や話題の情報。
後半は、不可欠な技術条件になりつつある「付加断熱」の工法研究。
付加断熱については、
これまでも断熱材を長期間、安定的に保持させる手法をめぐって、
さまざまな研究・論議が重ねられてきています。
軸組構造に「充填」させる軸間断熱とは違って、
自重と断熱層の安定性を保持するためには、手法の合理化が必要。
建築構造とどのように「緊結」させるのか、など、
もっともローコストに作る方法を、工法開発し続けてきているのです。
自然的に工法開発されてきた「はしごパネル」が広がっています。
ヨーロッパなどでも一般的に「はしご状パネル」製作が多いそうですが、
現場的にこれらのローコスト化を解析していくことは不可欠な努力。
ことしの新住協総会は札幌での開催。
9月1日から2日間の日程で行われます。
大きなテーマとしては基礎断熱手法、付加断熱の手法など、
より厚い断熱をどう容易に実現させるか、ということに
フォーカスするような方向性が見えていました。
そういった技術開発の現段階が全国の技術者に開示されるのでしょう。
その断熱強化と絡んで、ZEHへの対応が必然的な流れとして見えてくる。
メーカー会員企業としてPVソーラーハウス協会さんは
「ZEH北海道」という組織を立ち上げる予定だそうです。
しかし発表でも示されていたように、現状での北海道でのZEH対応は
全住宅数の1%はるか未満。
積雪条件の厳しい屋根に、ビス留めさせるPVには、
融雪水からの漏水の危険性が大きく立ちはだかり、
そもそも積雪によって太陽光発電効率は、計算不能な地域性もあって
「ZEHってなんのこと?」という心理がビルダーにはまだまだ大きい。
ユーザーにしてみても、効率の良くなさそうな太陽光パネルを
屋根に載っけたら、その「除雪」メンテナンスが義務的になる困惑もある。
そんなのムリ、という心理には蓋然性が高い。
断熱の強化については、より暖かくなるというメリットが大きいから
それは受容できるけれど、人類的課題としての
温暖化ストップというテーマを言われても実利には遠い印象。
どうもZEHは、温暖地側主導で進んでいく可能性が高いと思われます。
日本全体として考えれば、進歩にはなるので
否定はしないけれど、さて自分たちにはハードルが高すぎるかも、
っていうのが、多くの地域の「ため息」のようだと思います。
しかし、経産省はアメとムチで、北海道の住宅に迫ってくる。
地域としての対応が、どうしたら前向きになれるか、
大いに議論、対話して行く必要があると思います。
Posted on 5月 18th, 2016 by 三木 奎吾
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こういうのがあることは知りませんでした(笑)。
先日の仙台出張、木曜日の朝一番にて飛行機移動。
で、時間に間に合うように家を出て、空港までの電車に乗った。
で、ふとメガネの不在に気付いた。
後の祭り感が、団体で押し寄せてくる(汗)。
とっさにケーススタディをあれこれ、アタマのなかで試算するも、
どれにも、決定的なムリがある。どうしよう、であります。
大量の仕事書類に「目を通す」のにも、
パソコンを使っての諸作業にも、メガネナシはムリ。
・・・仕方ない引き返すか。
というのも時間のアポなどもあって、それもムリ。
64歳のビジネスマン、老眼鏡ナシでの戦いはありえない(笑)。
つぎにやってきたのは、なぜ忘れたかの瞬間的検証。
ちょっと前回出張から期間が空いていて、
いちばん悩ましい2泊3日という旅程であることの2つのことから、
ビジネスリュック2種類のどちらか、あるいはスーツケースにするか、
直前まで悩んでいたことが原因でした。
これが3泊以上であれば、迷うことなくスーツケースですが、
最近、軽量で容量的に優れたビジネスリュックを利用しはじめたのです。
普段の札幌市内利用でのがっしりタイプのリュックとは違うので、
備品の類は「その都度」入れ替えて使っていた。
その「入れ替え」で、メガネを失念してしまった。
わたしは、メガネを3つ持っています。ひとつはあんまり使わず、
もう2つで、外出用と自宅用に別けて使っている。
この「外出用」のメガネの方の入れ替えを失念してしまった次第。
出張備品準備をちょっと前、前日までにしていて、
「これで用意は万全。でもメガネは直前まで使うから出がけに」
というように思っていた。万全という気分と朝の慌ただしさとが
原因として合体してしまったのですね。うかつであった。
で、次にようやく解決策検討。
まず駅まで送ってくれたカミさんにSOS電話。彼女の予定をガタガタにして
緊急で空港までメガネ持ってきてもらう最終案。がしかし、
「あのね、そういうひとのために100均で老眼鏡、売ってるよ」
という思いも寄らない「解決案」の提示であります。
「え〜〜、そんなのあるのかよ」
「あるのさそれが」という会話であります。
半信半疑ではありましたが、この場合、緊急対応策としてはありえる。
使えるのか本当にそういうのが、っていうところですが、
好奇心旺盛タイプとしては、逆にすごい興味もわいてくる(笑)。
そこから、スマホで仙台市内、駅周辺の100均を検索。
よく知っているビルに大きめの店舗を発見。
と書いていますが、老眼鏡ナシの辛さのなか、なんとか、であります。
まっすぐ直行して購入したのが、写真のヤツ。
急いでいたので店員さんに場所を聞いたら親切に教えてくれた。
結構な品揃えで大量に展示されている、もの忘れの人の多さよ(笑)。
しかし「度数」適格性判断のしようがない。試供品がない。
そうしたら、店の方が親切に中間的な度数2というのを
「試着してもいいですよ」というありがたい申し出。
試着してみると、思った以上のクリア視界ぶり。
店員さんにこれ以上は甘えられないので、即決であります。
包装を解いたその度数のその商品を購入、108円。
で、丸3日間、使っておりました。
緊急対応としては、まことに及第点でありました。
ただし、鼻の部分での衝撃緩和部分がどうもダメで、
鼻周辺の肉への「食い込み」感を感じ続けておりました。
とはいえ、なんとか耐えられる範囲の苦痛。108円です。
108円で困難を乗り越えられたことを考えれば感謝こそすれ、
受忍限度想定以内の使用感でありました。
しかし、現代資本主義のなかでのモノの戦い、
まことに凄まじいものがあることを再認識させられました。
Posted on 5月 17th, 2016 by 三木 奎吾
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今回の東北フォーラムほかによる合同研究会、
シメは3.11津浪で全的被災を被った女川の街の状況視察でした。
「全的被災」というようなことが、実際に起こるとは思わなかった現代社会が
現実にそれに遭遇して、さてそこからどうなるのか、
女川は、そうした全的被災地域の中でも先頭に立って、
あたらな街の再生に取り組んできています。
2月の末にも、JIAのツアーで見学してきたのですが、
その後、春になって3カ月後の街は、
真空を切り裂いて出来上がった街から、
徐々に人間の活動の息吹が見えてくるようになって来た。
前回は、駅の建物とそこから海岸に向かってのプロムナードだけが
真新しい土木工事痕跡の中にぽつんと出現していましたが、
今回見たら、それを中核にしながら、周辺に店舗が建築されはじめて
日常という普通のいとなみが力を得てきているように感じます。
土木による剥き出しの赤土とこぎれいでオシャレなプロムナード
そういう似合わない光景が、人の手で人間化されてきた。
海岸間際には、全国にその映像がシンボリックに伝えられた
建物丸ごと横倒しになった交番庁舎が「震災遺構」として残置されている。
3.11津波という未曾有の体験から、
全的被災ということからの再生をわれわれ、今を生きている世代は
現在進行形でウォッチしている。
日本人はなんどもこの「全的被災」というものを経験してきている。
戦争による主要都市の焦土化が最大のものだったのでしょうが、
社会というものが自律的に再生するためには、
どんなことがらが生起すべきであるのか、
リアルタイムでそういう経過が進行していると思います。


そして話題を呼んだ坂茂さんの応急仮設住宅や、
復興のための作業員のみなさんが宿泊し、
いまもフルに利用されている施設群など、
こういうものが新たな街の記憶装置になっていくことも
徐々に見えてきているように思います。
全的被災によって、記憶すら消滅した街が、
新たな共通時間を刻んでいくものとして、
こういった建築たちが、自ずとそのような中心軸になっていくのだと
ある種、不可思議な感覚を持ちながら、見学しておりました。
Posted on 5月 16th, 2016 by 三木 奎吾
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きのうは前の日のZEHについての東工大・秋元先生の講演を受けた
「分科会」に参加しておりました。
その論議の成り行きを聞いていながら、気付きが膨らんできた。
ZEHについては、人類史的な危機であるCO2排出の削減、
地球環境問題の危機の深まりという角度から
きわめて大きなテーマであることは、間違いが無いと思います。
政府として、この問題に取り組むことは当然なことでしょう。
しかし、経産省が言うZEHのユーザーメリットを見ると暗澹とする。
1 光熱費が削減される
2 防災性が向上する
3 健康・快適性が高まる
ということなのだそうです。
ハッキリ言って、ここまで陳腐とは驚かされる。
まぁ、3に至っては無理矢理数字あわせで付け足しで問題外としても、
1,2にしても、ZEH以上に有効な手段はいくらでもある。
2は、太陽光発電・PVを屋根に載っけてあるから、
それで発電する電気が災害時に有用であるというスジでしょうが、
災害は、ひとつのパターンで考えられるものではない。
ないよりはあった方が少しはマシとでも言える範囲ではないか。
また1の光熱費削減は、断熱の強化をもっと進めた方が有為は明らか。
どうしてもPVで家庭エネルギーをキャンセルさせることが
自己目的化されていると感じられる。
で、政府側は世界に公約したことは実現しても
家を建てるユーザーには、最大のメリットは補助金だとかになってしまう。
いかにもポリシーのない目先の利での、ユーザー釣り上げと思える。
住宅ユーザーという存在をそのように「利用」する視点には
やはり疑問を感じざるを得ない。
正面から、地球温暖化対策として透明性を高めたメリットを訴求する方が
まだしもではないかと思われる。
で、それ以上に問題だと思うのが、
大量のPVを載っけることが日本の住宅のデザインを変化させること。
南面の屋根面を最大化させるように、片流れが採用されることが多い。
経産省の側ではそういった「結果」については
一切責任を取る考えはないと想定できます。
屋根の問題で言えば、北海道は積雪に対してさまざまな地域としての
人々の経験の結果として、無落雪屋根フラットルーフが
多数派として選択されている。
そもそも雪が大量に残留する北国の屋根面にPVを載っけても
発電の効率は期待できない。
経産省の説明では、事実としてのこの問題には
「目をつむる」ことにして、意味が無くても載っけてくれれば良いとしている。
こういう対応が「エコロジー」かと言われれば大いに疑問。
さらにこのような選択の結果、片流れの住宅が増えていくことについて、
日本の住宅デザインが大きく変化することになる。
伝統的には切妻や寄せ棟が主流であり、
北海道では陸屋根がメインで選ばれてきた状況の中で
そのような「日本的美観意識」が形成されている。
それに対して無意識のままに改変が加わっていくことになる。
本当にZEHを推進したいのであれば、補助金ばかりではなく、
日本民族としての美観意識を総動員して、
どういったデザインがZEH住宅にはふさわしいのか、
というように正面からデザイン論議も同時に起こすべきだ。
地球環境を守りながら、どのようなデザイン・美観を獲得すべきか、
国民レベルで検討すべきではないのか、
そんな強い内語を抱えさせられていた次第です。
みなさん、いかがお考えでしょうか?
Posted on 5月 15th, 2016 by 三木 奎吾
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さてきのうは、青葉祭りの仙台で表題の研究会であります。
本日までの2日間、北海道の「ソトダン21」、盛岡の「Dotプロジェクト」
「信州の快適な住まいを考える会」関東からの「日本バウビオロギー協会」
オブザーバーとして「岩手住環境技術研究会」そしてホスト団体として
東北フォーラムという住宅研究団体揃い。
総勢111人の参加という大きな大会でありました。
ゲストとして、北海道科学大学・福島明先生、講演者として
芝浦工大・秋元孝之先生、さらには東大の前真之先生、
もちろん東北フォーラムの吉野博先生など
どちらを向いても、すぐにいろいろなお話が展開するみなさんばかり。
その上、わたしは午前中早い時間には新住協・鎌田紀彦先生にもごあいさつ訪問。
さらに研究会発表中には、ほぼ10年ぶりのような懐かしい方からも電話。
っていうようなことで、
朝9時くらいから、延々夜10時過ぎまで、たぶん100人以上の方と
あれこれと情報交換させていただきました。
国分町での2次会では、思わぬ方の思わぬ美声も拝聴し、
記憶がやや遠くなるような盛り上がりぶりでもありました(笑)。
講演発表などについては、録音や写真撮影、データ提供などもあって、
じっくりとよく内容を整理した上で、徐々に発表させていただきます。
あまりにもたくさんの情報がインプットされたので、
整理整頓しなければ、混乱を来しそうなのであります、ご容赦を。
というような次第ですが、
新緑の美しい、杜の都・仙台のいちばんいい季節。
わたしは、だいたい仙台西口側のホテルに宿泊して、
青葉城のふもとの仙台市博物館までという散歩コースなのですが、
<写真下は、博物館前のすばらしい茶亭。>
久しぶりに朝から町中を散歩。それで勢いがついて、
夜の懇親会、2次会からの帰りなども徹底的に、歩け歩け。


夜の10:50くらいにホテルに帰着しましたが、
なんと、総歩数は16,000歩超。
前日も12,000歩超になっておりましたので、
酒もどんどんと抜けていって、まことに健康的な起居になっております。
人間、元気に「前向き」に歩けるというのがいちばん。
で、本日も研究会が午前中にあって、午後には女川の復興ぶりを見学予定。
もう少し、歩け歩けで頑張って気持ちよくカラダを動かして
その数十分の一でもアタマのほうも回転させたいと思います。
研究発表などについては、追ってご報告致します。
ではでは。
Posted on 5月 14th, 2016 by 三木 奎吾
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きのう取り上げた、北に住む日本人の「緑への態度」マーケティング研究。
反応として、東京での住宅専門誌出版社の方から、
「インテリアの特集は北海道で売れるけど、
庭の特集は売れないという結果が出ています(^^)」というコメント。
おお、まぁさもありなん、というところなんですが、
それじゃぁ、北海道、雪国・寒冷地に住む人間は
これまで緑に固執したことはなかったのかと言えば、北海道の方から
「35年ほど前の北海道では、猫も杓子もサンルーム、
冬でも楽しむプランター、なんて時代がありました」というコメント。
おおお、であります。
すっかり忘れていた、あの「サンルーム」であります(笑)。
なにを隠そう、わたしの親も家に装置させていた・・・。
北海道でのサンルームについて、
北海道立林産試験場が調査した結果がある。
北海道のサンルームは「ウィンターガーデン」が願望目的。
「温室」「居間の続き」「洗濯物の乾燥」「日光浴」が主たる設置意図。
冬期間に阻害される屋外生活行為の場として計画される傾向だった。
北国人としては冬の雪と寒さを克服した「温室」という、
さんさんと陽射しの降り注ぐ緑なす空間を空想したわけです(笑)。

しかし、設置されたサンルームのほとんどが、
悪質訪問販売業者による、後付け増設工事。
残念ながら、当初サンルームに期待した機能は満たされず
単なる物置として使われ、投資は有効でなかった。なぜか?
サンルームは外気温度や日射量の変動に作用されやすいため、
夏期の高温と冬期の低温(!)が問題となってくるのですね。
「温室」や「居間の続き」のように24時間使用したい場合は、
その温熱環境を、住宅本体と同様しっかり制御する必要がある。
・・・なんのことはない、結局断熱も気密も考慮されない隙間だらけの
冬の寒さ加速装置を家に取り付けた結果に終わってしまったのです。
新築時点でサンルームを計画した場合、
その温熱環境をコントロール可能にするには、きわめて適切な
断熱気密施工と、ガラスの複層化など高コスト要因が派生する。
訪販が「お、これくらいの金額なら」とだました程度の金額では収まらない。
いまや、北海道でのサンルームというのは
「昔、訪問販売にみごとにだまされた」という証拠になっている。
悪質訪販屋さんには、見込み客ランドマークなのです。
こういった苦い経験知が、北海道人の緑への態度に
どうも反映している可能性がある。
集団的経験による、DNA的な拒否反応、刷り込みかも。
しかしこういう北海道の生活者の経験を再度よく考えてみれば、
やはり縁側から緑と親しみたいという、いかにも日本人的な
生活習慣願望は、北海道人といえども潜在している明白な証拠。
そういう意味では、輪廻するユーザー動向を計量し、
合理的な解決法を提示すると、あの北国人の夢の空間である
「さんさんと陽射しの降り注ぐ緑なす空間」願望が、
いきいきと再発生してくる可能性もあるのでしょう。
<写真は仙台の散歩路とわが家のクンシラン、きのうの様子。
ぼってりと花芽が膨らんで重そう。開花寸前>
Posted on 5月 13th, 2016 by 三木 奎吾
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