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「民主党」はどう総括すべきなのか

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さて、選挙の結果でもっとも鮮明なのは、
民主党という政党の存在意義の問題ということになると思います。
国民のいまの心情に即して言えば、
民主党という存在には手ひどく裏切られて、
そこからまったく立ち直れそうにもない、という感じが強い。
日本政治史の中でも特筆すべき失敗例として
ながく記憶されていくことになるのかどうか、
いまはその瀬戸際なのではないでしょうか。
結局いまの民主党には、国民に届いてくるメッセージがない。
政権に駆け上がった時期には、鳩山・小沢・菅という3人の政治個性が
国民側に認識としてあり、それが「期待感」も生んでいた。
「なにか、変化をもたらしてくれるのではないか」というもの。
それがさまざまな現実にさらされていく中で、
なんら、新奇性を持った政治的メッセージを送れなかった。
いまだに憲法への、党としての基本認識の統一もないのがこの政党の現実であって、
ちょっとした現実政治の荒波をも乗り越えることが出来なかった。
政権を奪取するまでの小沢一郎の攻めの見事さはあったけれど、
やはり政治綱領の統一が図れない政党では、
国民の側から見て、じゃぁ、どんなことをしたい政党なんですか?
という素朴な疑問を感じざるを得ない。
東日本大震災と原発事故が勃発したときの総理大臣が、
これまでの政治経歴の中で、国の基本を「保守」する経験を持たなかった人物だったことが、
すべてを表していたのかも知れない。
その後の、政権にしがみつき続けたかれの営為は、
理念なき権力亡者そのものだったように思います。
その政治的偏狭性から、ライバルと目された小沢一郎を抹殺することで
まだしも民主党に残っていた政治的資産も圧殺し、
民主党の最後には、野田という、いまだにどういう政治的理念を持っているのか
多くの国民が腑に落ちないような人物を政権に押し上げてきた。
そのような全体としての政党としての体を成さない様子が、
正確に国民に伝わって、今日のような地獄のような状況に立ち至っている。
参議院選挙では、維新の敵失があったことで、
それを「これでそこそこ議席が取れるのではないか」というような
それこそ理念なき「野合集団」の本質を垣間見せる声すら聞こえてきていた。

やはりこの政党は一度、解党するしかないのではないか。
理念がなく、ただただ、敵失で政権が転がり込んでくるのを期待する
「2大政党」なんて、砂上の楼閣なのではないか。
そんなものなら、まだしも政治目的の方向性は提示し、
なにより経済こそが現代政治の要諦だと見定めてきた自民党だけで十分だと
国民は明確に判断を下したのだと思います。
長い目で見て、日本の政党政治が健全に機能していくためには、
やはり「綱領的統一性」を持った政治目的志向集団を
国民は選択肢として欲しいのだと思います。
最後の党首になっている海江田さんはたいへんだと思うし、
若干、同情せざるを得ない部分も感じる。
やはり、出直しするためには時間がなさ過ぎたのだと思う。
しばらくは選挙はこれでないと思います。
それまでの時間で、野党勢力側がどんな選択肢を用意できるのか、
いま民主党にいる政治家のみなさんの責任は重いと思います。

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