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軒の出と縁側ー2

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きのうの続きです。
ことし越谷市に抜かれるまで、日本最高記録の気温を誇っていた
山形市での、高断熱高気密住宅の事例。
断熱気密性能に配慮しながら、どのように夏の暮らしを設計するか?
という大きなテーマで建てられた住宅です。
きのうの写真は外部から居間から張り出す縁側と
軒の出の様子を見ていただいたのですが、
今日の写真は居間の側からの写真です。
軒の出は、夏の高い日射角度に対して遮蔽する働きをします。
巻き上げられていたすだれは、その働きを促進しますね。
縁側は、内側とも外部ともつかない、
日本独特な、あいまいさのある空間。
全開放された居間から、わずかな温度変化を体感できるように
仕掛けられた装置と言えますね。
きのう書いたように、このお宅の建て主さんは北海道出身者。
こういう夏の過ごし方について、
DNA的な羨望の思いがあったのではないかと推察します。
北海道の夏は、内地の夏と比べて
その湿度と温度がまったく違う。
いつも、内地の夏のような夏を求め続ける思いが北国の人間にはある。
そうした思いが、こういう装置を背景とした高温多湿な夏に
込められ、ようやく実現した、という感じがある。
はだしの素肌に心地よい木の床と、空気が調和した夏。
大きく開かれた居間と縁側で、内外あいまいな暮らし方。
こういうものに、北海道では感じることができない
「日本の夏」を思うことができるのですね。
しかし、そういう夏を満喫しながら、
窓を閉め、内外を遮断すれば1台のエアコンで心地よい環境も作り出せる。
また、冬の寒さへの対応もしっかり実現できている、
という安心感が、やっぱり基本性能として満たされていなければならない。
そういうような部分が、写真の中に隠されているディテール。
開放的でありながら、気密性に配慮された木製建具。
その木製建具を建物本体とつないでいる構造的な工夫。
冬場の冷輻射を抑える床下からの暖気上昇装置。
ガラス面からの冷輻射に対して有効なハニカムサーモスクリーン。
こういうようなさまざまな工夫が、こういう全開放型の
しつらいの裏側で、意図されているのですね。
さて、師走も第2週。いよいよ年末進行まっさかり。
みなさん、風邪など引かず、がんばりましょうね。

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