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朝日の「国家戦略」連載

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あんまり政治系の話題は、避けてきたのですが
でも、最近、やっぱりよき政治が大切なのだと感じます。
すこし、ブログでは書いてみたいな、ということで
住宅ネタとはちょっとかけ離れますけど、お許し願います。
このあいだちょっと、中ロの露骨なエネルギー国家戦略に触れたのですけど
こういうエネルギー問題などの「国家戦略」を考えることは、
家庭での身近な「熱源」問題にも直結すると思います。
けっして無縁な話題ではないんですよね。
朝日新聞で最近、というか2〜3日前の紙面から中面で
「日本の国家戦略」についての特集企画記事が、連載開始しています。
初日の記事には「日本では国家戦略アレルギーがあり・・・」というくだりがあって、
思わず、苦笑してしまいました。だって、アレルギー的にいちばん嫌ってきたのは
ほかならない朝日新聞だったと思うからです。
「あんたがいちばん、戦略論を妨害してきたんじゃないか」というわけですが。
批判はあるけれど、でもきちんとこういう論議を社会にし始めたという意味では
朝日新聞の、オピニオン自体はいいことだと思います。
ぜひみなさんこの連載、読んでほしいな、と思います。
逆にいうと、朝日新聞もこういうことを正面からいよいよ
取り上げねばならなくなったのかなぁ、というのが正直な実感。
さて読みはじめて気づくのは、記事では、
日本には明確な国家戦略はない、なかった、という前提で構成されていること。
さっそく、ここで疑問。
戦後の国家運営をほぼ一貫して担ってきた自民党政権には
本当に国家戦略はなかったのか、という点。
その論の根底には、よくいう「対米従属」が、日本の国家戦略に値しない、
という考え方があると思いますが、
それって、すこしおかしいのではないでしょうか?
民主主義国家、選挙を通しての国民の民意によって
政治が運営される国家にとっての「国家戦略」とは、その大部分が、
国民の基本的な権力選択・選挙によって、国民の意思として
反映されているのではないのでしょうか。
日本という国、国民って、歴史始まって以来、初めて明確に国家として
「敗戦」を経験して、そこでまことに潔く、そのことを受け入れた国民だと思うのです。
天皇制の維持、という1点だけは条件としたと思われるのですが
それ以外については、まったく「無条件降伏」を選択したと言えます。
こういう国民性というのは、戦勝国家アメリカにとっても
多分はじめての経験だったのではないでしょうか。
まことに希有な敗戦態度だったことが、
まず戦後を大きく規定した、明確な「国家戦略」だったといえるのではないか、と思うのです。
基本的には、日本の戦後社会はそこからスタートしました。
戦争を戦って、負けた相手に対しての
誠意ある従順なる態度、が基本的な「国家戦略」だった。
まぁ、そうでなければ国家としての日本の存続はありえなかったし、
それが日本人の国民性にも合致した態度だったのではないでしょうか?
社会党などの反対勢力が、こういう潔い外交態度を支持しなかったことが
自民党支配という、長期固定的な権力のありようをもたらしてきたと思います。
日本人的には、真っ正面から戦った相手には敬意を持てるけれど
火事場泥棒的に領土を簒奪した「社会主義陣営」に味方しよう、なんて、
一貫して訴えてきた「野党」の政治センスのなさは、驚きですよね、一種の。
権力は常に腐敗するし、そういうことは自民党政権で数多く発生したけれど
国民は、その度にお灸はすえながらも、基本的には権力運営は
一貫して、自民党にゆだねてきたゆえんだと考えられます。
で、この国家戦略、単純に悪い言葉で言えば「対米従属」という路線と、
こう書けば、だれだって「それはちょっと」とはなりますが、
冷静に考えて、それ以外の選択肢って、ありえたのか、
そして、それ以上の選択肢はあり得たのか、と考えたら
ある意味で、非常に優れた国家戦略だったのではないか、と思えるのです。
この「国家戦略」は、基本的に戦後の平和国家・日本を創造するのに
大きな原動力になったと思います。
戦後世界の中で、最強の軍事国家アメリカときわめて友好的な関係を
常に心がけてきたというのは、「国際紛争の解決手段としての戦争を永久に放棄した」
平和指向国家ニッポンとしては、まず第1級の最善手だったと思うのです。
そして、こうした路線を国家戦略とはいえない、と否定ばかりする必要は
けっしてない、と考えるのですが、いかがでしょう。
日本の国家戦略を考えるとき、こういうポイントから
きちんと確認していくことが、大切なのではないでしょうか?
自分たちの立っている位置、その流れをわきまえておくことが
冷静に、国家のありようを論議していく出発点になるのでは、と思う次第です。

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