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【稲荷社「連続鳥居」 ジャパンカラー・デザイン感覚】


写真は昨日記載の「中富良野神社」境内に併存している「稲荷社」の様子。

神社とは、日本固有の宗教である神道の信仰に基づく祭祀施設。
その性格は産土神、天神地祇、皇室や氏族の祖神、偉人や義士などの霊などが
神として祀られる。 文部科学省の資料では日本全国に約8万5千の神社がある。
そのうち、稲荷社の本宮とされる伏見稲荷大社のHPでは全国に約3万社の
「稲荷社」があるとされています。
ただし、一般的には神さまはひとつの神社に複数が併存しているのが実態。
なので、主祭神神社で稲荷神社は2970社で、
32000社が境内社・合祀など全ての分祀社とされます。
いかにも「八百万の神々」への分け隔てのない精神性は日本人的。
わたしがごく身近に接している神社、播州英賀神社、相模原鹿島神社でも
本来の産土神、鹿島さんと併存して稲荷社があります。
そのそれぞれの神さまの得意分野を「勧請」するのが地域信仰のありよう。
五穀豊穣・商売繁盛というのが稲荷社の本旨で御利益期待ということでしょう。
そういう意味では境内社として勧請されているのが32,000社という数は
稲荷社の人気の高さを表している。4割近くに勧請されている計算になる。

さらに伏見稲荷大社のHPには
「なぜ「お稲荷さん」には鳥居がいっぱいあるの?」
という素朴な疑問に対してQ&Aで以下のような答えの記載。
A:願い事が「通る」或いは「通った」御礼の意味から、鳥居を感謝のしるしとして
奉納することが江戸時代以降に広がった結果です。現在は約1万基の鳥居が
(伏見稲荷大社の)お山の参道全体に並んで立っています。〜ということ。
現世利益の結果として、どんどんと「増えていった」ということなのでしょう。
まことに「欲望自然主義」を感じさせてくれる(笑)。
しかし建築デザインとしてこの丹塗りの鳥居の連続感は特徴的。
水銀である丹は木材の防腐剤としてジャパンカラーの中核を形成してきた。
そういえば日の丸も、この丹色が真ん中に鎮座している。
同様の利用途が出自とされる北欧スウェーデンの住宅外壁塗料の色合いとは、
その明度において、あきらかに日本の丹色の方が鮮やか。
なので住宅にはそう使われず、宗教的建築に限定利用されてきたのでしょう。
江戸期自然発生ということなので、日本人の心性を深く捉えている証明。
先日「厳島」の丹の基調色が特徴的な社殿写真を掲載しましたが、かなり好評。
こういうカラフルさに日本人は深く癒されるのか、興奮するのか、
とにかく、大好きであるから長く続いてきているのでしょう。
そのカラーが鳥居という形態で屹立し、それがハーモニーとして連続する。
こういった風景が日本の四季感覚に深く融合していっているのでしょうね。

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