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【天井構造火打ち梁4つの現代「茶室」とは?】

写真は2間半×6間という総2階で30坪弱の
モデル住宅の内部にできた面白い空間の様子です。
札幌の「棟晶」さんが新住協モデルとして建てたもの。
このプランに至るには、実はいろいろな取捨選択が繰り返された。
最終的には日本の現在の住宅地の平均的な「間口」を踏まえ
さらに駐車スペース2台分を確保して
その上で若干の庭のスペースも確保させたい、という
さまざまな「平均的要望」をクリアさせて生み出された。
そういった経緯なのですが、細長いプランになる。
さてその体感はどうか、という実例モデルであります。
空間の感受の仕方というのは多様な要素があると思われるので
実際の間取りプランで空間を吟味するというのは、
なかなか表現しづらいところがあるものだと思います。
また、大人数でのワイワイドカドカ状態だったので、
それだけのじっくりした体験時間も確保できなかった。
そういう意味では次の機会に期待したいと思っています。

そういう体験の中でちょっとオモシロかったのが、
ごらんの写真の空間でした。
居間に隣接しているのですが、天井には火打ち梁が4つ集中。
火打ち梁とは、木造での床組みや小屋組みで地震や台風時に
発生する水平力による変形を防止するために設ける斜材で、
2階などの床や小屋組に設けるものを言います。
ここでは2階床1階天井が一発で仕上げられているので表し。
本来は構造の補強。構造は耐震性確保の問題があるので
このように表面側に見えるように出てくることは多いのですが、
ここではその火打ちをむしろ、この狭い空間に集中させて
独特の落ち着き感を演出していたように思われます。
火打ちを積極的にデザイン的に活かしてみようという意思を感じた。
この空間は狭めだけれど、相対してのお茶的な時間を過ごせそうで、
なにやら微妙な棚板風のものが1枚渡されてもいる。
ちょっとした観葉植物でも置けば、それこそ茶室的応接空間か。
そういう意味では座り椅子付きの現代風茶室。
観葉植物といっしょにコーヒードリップ機器を置けば
たしかにここで友人たちと語らうというのもオツかも。
そんな暮らしのワンシーンを想起させるような空間で、
そのような想像を巡らせると、天井の火打ちもまた意味ありげ(笑)。
1階床面積15坪になるのですが、そのなかでも
オモシロい空間ができているなと思った次第です。
みなさん、いかがお感じになるでしょうか?

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