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地方創成「1兆円の恩恵」という報道姿勢

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きのう、知人がFacebookで、10月22日の地方新聞「北海道新聞」の
1面記事について「暗い、あまりにも取材姿勢が暗い」というように
論評されていて、興味を持って読んでみた次第。
記事はいま官邸記者を務めている記者が、政権が進めている
「地方創成」政策と道内地域の現状について触れたもの。
道新の記者さんの報道姿勢はトップのタイトルの
「1兆円の恩恵」という部分に象徴的に表れています。
この考え方では経済運営がわかっていない、ダメだと思います。
こうした見方しか出来ない「官邸記者」には、
ひとびとが生き甲斐のあるくらしを営んでいくために、
「日々の仕事」をどう作るのかという政治経済の要諦の論点・問題の
立て方ができず、まるでそれが「社会正義」であるかのように、
最終的にお金の問題だと習慣意識的にすりかえ、
福祉ばらまきという方向に論点を取り違えるのがオチ。

記事では、「いろいろ地方活性化をやってみたけどダメだった」
というような自治体の首長さんの取材だけしている。
そうした取材姿勢では、中央政府のやり方が悪いというような結論しか
誘導できない。取材される側もそんなことを記事に書いてもらう期待は
たぶんしていないと思う。
中央政権の政策が悪いという結論への「思い込み」が先にあって、
それを誘導するために記事を書いているのか、という疑問を持つ。
それはまだいいとして、じゃぁ、地方新聞メディアとして、
どうやったら北海道の地域興しが可能なのか、
そういった意見、考え方を発掘するようなスタンスが見られない。 
中央のやり方に小児病的に不平不満を言うことをずっと続け、
それを北海道民に刷り込み続けるのかと、
自分で胸に手を当てて考えて欲しい。
こういう「政権のやり方が悪いから・・・告発する」みたいな、
結局自助努力のない、誰のためにもならないスタンスに
なぜしがみつくのか? 経済のためにそもそも
どういう権力行使があるべきなのかという視点がみごとに欠けている。
本来がひとびとの「自助努力」を引き出すものであるべき経済、
「経世済民」の問題を、権力政治の左右論争、福祉政策のような問題に
すりかえてしまうのは、
「進歩派」メディアの共通のステレオタイプ反応です。
いま現在の経済状況の中で努力している一般人からみると、
あまりにも遊離した考え方と思える次第です。
そういう「告発」の結果で「補助金」などがたとえ得られたとしても、
地域の衰退という現実には、なんの前向きな意味もない。
地域の元気をむしろ喪失させるのではないでしょうか。

最近の地方自治体の動きの中で岩手県紫波町が推進する
「オガールタウン」プロジェクトでは、
高断熱高気密、エコロジーの考え方でのまちづくり運営を行っており、
わたし自身取材して注目しています。
すばらしいことにそれへの「補助金」を期待していません。
たぶん、そういった方向で「まちづくり」を経営的に考える地域が
残っていくのでしょうね。
地域運営にも「経済運営」の視点が不可欠になってきている。
そのような時代には、右だ左だ、というような価値観は迷惑でしかない。
そういう非生産的な価値観論争は意味がない。

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