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中韓との戦略的国家関係は?

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中国での忌まわしい官許の「反日」暴力デモ、
韓国前大統領の竹島上陸、天皇謝罪要求発言以来、
経済的に台頭してきた両国による日本叩きが活発化した。
一方、70年も前のことで、ずっと「謝罪」させられ続けることに
日本の側でも屈辱感が沈殿し、「そこまで言われる筋合いはない」的な
反発の空気が大きくなって来た。
そこをとらえて、「軍国化している」という中韓の批判は、しかし受け入れがたい。
その原因は中韓による民族主義攻撃にこそある、と言いたい気分が支配的。
こうした気の重い国家関係に日本は現在、否応なく引き込まれている。
アジアは、歴史的にずっとこういう力関係が支配してきた世界であり、
日本はこういう関係が国民気質的にも、いやだった。
ただ、歴史的に見れば、古代の白村江敗戦からの数世紀は、
世界最強国家・唐の圧迫の中で、
「遣唐使」という名前の朝貢外交で生き延びてきたのも事実。
また陸続きである朝鮮国家は、度重なる被侵略経験から
対中国で事大主義の使徒となり、衛星国家であることに甘んじ続けてきた。
基本的に中華国家の盛衰によって国際関係は微妙に変化し続けた。
こういう東アジア3カ国の関係は、ほかのヨーロッパ世界とは
大きく異なる歴史を紡いできたのだと言える。
ヨーロッパ世界が血で血を洗うような戦争を幾度も経験する中で
「国際法」的な国家関係秩序観念を作りだしてきたような
そういった自立的な秩序は、東アジアでは育たなかった。
中華国家が常に「皇帝独裁・一党独裁」という非法治体制を続けてきたことが大きい。
あれだけの巨大国家では、法治は難しいのかも知れない現実がある。
これは日本にとって不幸であるだけでなく、
擬制的宗主国・中国にとっても大きな不幸だったのだと思う。
そして、明治以降、日本が「脱亜入欧」スローガンの元、
東アジア世界からの離陸をはかり、それが成功的に推進され
当時の「一等国」の普遍的なふるまい、植民地支配地域の獲得・拡大を
東アジア世界で行うという蛮行・愚行に至ったことは、
大きな反省教訓として、日本は肝に銘じ続ける必要はある。
そしてその被害にあった各国に対して、謝罪をすることは当然だと思う。
それが正視すべき「第2次世界大戦の戦後体制」であることは論を待たない。

しかし戦後、東西冷戦構造の中で
日本は、占領されたアメリカとの片側的な関係、属国的な関係のなかで
世界に立ち現れ、その枠内で行動し続けてきた。
東アジア世界は、東西冷戦構造の中で朝鮮半島地域が分断され
戦争も勃発し、日本はアメリカの戦略的要衝地域として
アジアでの不沈空母として、機能し続けてきた。
軍事バランスとしては外側から見れば
日本国内的には「非核3原則」遵守を謳っているけれど
アメリカは「どこに核兵器があるか、軍事機密」として公表しないのだから、
強大な軍事基地のある日本には当然核兵器はあると、
仮想敵国側は、そのように認識するだろう。したがって、
「アメリカの核兵器が存在し、米軍が駐留する」重武装でありながら
一方で日本国内的には憲法9条によって戦争を放棄する
空想的平和国家として存続し続けてきたというのが現実的理解。
戦後の日本は、突き詰めて言えば世界最強のアメリカ軍事力に守られながら
主観的には、諸国民の平和への希求によってのみ「守られる」
9条憲法を持つという、まるでホンネと建前を使い分けるかのような
「いびつな国家」であり続けた。
ようやくアメリカの一強世界支配体制が経済的に破綻を見せるようになり
米軍が今後も駐留し続けるかどうかすらも疑わしい情勢になって
その間隙を縫うように、経済力の向上した中国と韓国が
日本に対して別々の思惑で、しかし一致して反日外交を展開してきたのだ。

まことにむずかしい局面に日本の現実は置かれている。
やはり基軸は日米関係に置くのは安定保守を考えれば常識的な選択。
いまの韓国が取っているようなヤジロベエ的なスタンスは、日本にはありえない。
まさか、共産党独裁の異質な価値観の
いまの中国国家と戦略的基軸的な関係を結ぶことはありえない選択。
こうした地政学的な現状認識は、日本人はおおむね同意だと思う。
そういうなかでいかにして、中韓と平和的な関係を構築できるのか。
ことはそう簡単ではない。
しかし、そういった難しさの中で、それでも地道に努力するのが外交だろうと思う。
言うべきことはきちんと言って、しかし可能な限り冷静に平和的関係を志向する。
ふつうに考えてこのような対中韓国家戦略が、いま、妥当性がある。
どこまでも冷静に対処していくしか、日本には道はない。
しかしこれは「ふつうの国」の国民としてのよき鍛錬になるものかも知れない。
そう考えて対処するべきなのだろう。

ベトナム沖から中国の石油掘削装置が撤収したそうだ。
冷静な対応を見せてきたベトナム国家の姿勢は評価に値すると思う。

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