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新住協に見る産学協同

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先日研修会があった、新住協北海道での「講義」いや、「ゼミ」風景です。
札幌で8日火曜日に開かれたのですが、
会場には100名近い参加者が集まり、熱気を持った活発な意見交換。
北海道ではいま、300mmレベルの断熱仕様に
チャレンジする工務店が増えています。
それらの施工手順を相互に公開しあって、最適解を探ろうという研修会です。
一口に300mm断熱とは言っても
各社ごとに、それぞれで施工の仕方には工夫が込められている。
それらを整理して、丁寧に整頓していきます。
それも、基本的な技術方向の確認から具体的な施工の手順に至るまで
いわば、技術の基本から実際の落とし込みまで
鎌田紀彦先生と会員企業である工務店の間で
忌憚のない、というか、そういう遠慮のありようもない濃密な実践的なやりとり。
いろいろな建築関係の大学・研究者のみなさんの講演は聞く機会がありますが、
大体が概念をなぞるような話で、
じゃぁ、具体的にどう作るか、ということは施工者に委ねられている部分が多い。
そこまで研究者が立ち入るというようなことは、普通ありえない。
研究者は、理論を研究するのが仕事で
実際に現実を変えていくのはあくまでも、事業者であるという
そういった風景が一般的なのですが、
鎌田紀彦先生は住宅建築を「システム工学」の視点で捉えられているので
それだけでは、日本の、北海道の住宅は革新されない
不十分であると、見切ってきているのかも知れない。
だから鎌田先生の話を大工さんが聞いたら、わかりやすいというし、
先生も、積極的に「大工手間」の現実をフィールドワークしている。
まことに「実践的」な住宅技術開発が出来上がっていく・・・。
とくに北海道の工務店グループは、
鎌田先生といっしょになって工法を作ってきたプライドもあり、
交換する意見にも、熱が帯びてくる。
よく「産学協同」というようなことが語られますが、
この新住協での鎌田先生と会員工務店のやり取りを見ていると
まさにそのものズバリだといつも思わされます。
学問の世界では、こういったスタイルは、しかしほとんど評価されにくい。
ほとんどが現実とはちょっと違ったアカデミズム世界での評価が基準になっている。
けれどそういうのは日本だけで、
海外では、このような産学協同こそが本スジという考えがある。

さて、鎌田先生の室蘭工業大学退官を来年3月に控えて
新住協の活動、組織形態にも変化の波が寄せてきています。
しかし、本質的な部分では、こういった活動が
多くの会員工務店にとって、きわめて生命線的であることは火を見るよりも明らか。
この核心部分、どのように永続を担保し続けていくのか
具体的な道筋を描き出そうと、いま、取り組みが始められています。

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