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津軽・弘前にハマる

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弘前にはじめていったとき、地元の建築家・佐々木さんに駅前の津軽三味線と民謡のライブの店に連れて行ってもらった。
ド派手な舞台の緞帳に描かれているのは、ご存知・岩木山。地酒をあじわいながら、若い人からベテランまで、高々と高唱する津軽の唄に聞き入ります。はじめはやや堅い雰囲気の客席も、酒が回るにつれて手拍子も出てくる。
パリで昔行ったシャンソンの店の雰囲気と似ている。きっとアメリカ南部のジャズハウスもこんな感じなのだろうか。
若い年代の人たちが、この津軽の文化に可能性を見いだして、どんどん取り組んでいる、というのがもっとすごい。
音楽としても、まだ可能性を追求できる部分がきっと見えているんでしょうね。
だんだんベテランの出演になってくると、くっきりしてくる力強い三味線、津軽人の風土を思い起こさせる声楽。
はじめ、ド派手と思われた緞帳も、津軽ねぶた絵と重ね合わせて理解でき、盛り上がる会場全体から誇らしい「津軽」が感じられてきます。
この店、ライブハウス山唄は、気軽な居酒屋であると同時に、津軽の唄を志す地元の音楽家にとって発表の場であったり、研鑽の場であったりしています。店主であり、津軽民謡のバックボーンでもあった山田さんが最近亡くなられたそうですが、引き続きがんばっています。
残念ながらこういう文化は、北海道はまだないかなぁ。
まだ若すぎるかも知れないが、かろうじてヨサコイが年輪を重ねれば、という感じだろうか? しかし、あれはねぶたとは対比できても、音楽要素・絵画要素はあまり感じられない。イベントとしては育つかも知れないが、地元に根付いた総合的な芸術までは高まっていかないと思われる。なかでは江差の追分は面白いんだけれど、札幌はなかなかなぁ・・・。
津軽は、戦国期、盛岡・八戸という南部に対して独立戦争に似た戦いを経て成立した地域。そうした歴史体験がこうした文化の下敷きになっている印象がある。その重さが愛着につながっているんでしょうか。
羨望の思いでハマった、津軽・弘前でした。

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