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窓辺の演出

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写真は青森県十和田市での住宅の様子。
地元の松田工務店さんの施工例です。
外観に深みを持たせたいと考えて、ごらんのような工夫をしていました。
窓枠の外側にツーバイフォー材である、2×12材をタテに造作して
窓をぐるっと囲んでいるのです。
上下階で窓の位置を揃えて、
それをぐるっと、この立体的「窓枠」で囲んでいるという次第なんですね。
直接的には窓下にフラワーボックスを造作する下地になります。
2×12は30cmほどの材ですので、かなりの奥行きになる。
上や左右では、庇のようにも機能して
夏場の日射遮蔽効果もある。
また、窓辺の保護という意味合いもある。
というのが機能面ですが、
一番狙っているのは、窓辺の陰影を濃くさせるという効果。
できれば木製窓を採用したいけれど、
予算的にどうしても樹脂サッシの採用になる。
そうするとどうしても色合いも選びにくく、平板な雰囲気になる。
それに対して、このような工夫をすると太陽光の変化で内観でも
外観でも、いろいろな陰影が作られて、
変化を楽しむことができる。
外観に変化を付けたいというのは、一般的に
たいへん大きい部分だと思います。
作り手としては、なんとか、特徴的で面白い効果を狙いたいと考えるもの。
以前見たのでは、窓まわりの外側に
窓を囲むように枕木を張り付けたものまでありました。
窓と外壁面との位置取りとか、雰囲気が外観的な印象では
大変、ポイントが大きい。
まぁ、面白い仕掛けだなぁと思われた次第です。
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北海道・東北の住宅雑誌[Replan(リプラン)]|家づくり・住まいの相談・会社選び

無落雪屋根住宅の外観デザイン

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写真は十和田市周辺の新興住宅地に建つ住宅。
Jホームさんのモデル住宅の外観です。
この会社では注文住宅を2パターンに考えていて
こだわりに応える本格注文のタイプと、
価格を抑えたプランの2パターンを用意しています。
で、こちらは価格を抑えたタイプのほうです。
建て方はツーバイフォーなのですが、断熱は構造の外側で
外張り断熱を採用しています。
そのうえ窓は木製3重ガラス入りサッシを採用しています。
スペックで見ると、この価格帯でよく木製窓にしているとびっくり。
で、断熱が外側に出ているので、
窓辺の表情には深みがあります。
無落雪屋根で、かたちもシンプルなボックス、ということで、
どうしても平板な印象になってしまうのですが、
屋根の高さを変えたL字平面の飛び出し部分や窓の雰囲気で
なんとか、イメージを出したいと考えている様が伝わってきます。
こういうなかでデザインを考えるとしたら、
あとは、玄関前の小屋根を付けた部分でしょうね。
こうなってくると、表情は窓の位置と色合いバランスなどが
勝負になってくる。
価格を抑えて、イメージを表現するというのはまことに大変難しい。
窓も、1階の窓の開け方、2階の窓の開け方で
それぞれ、周辺の壁との面積比率などが決定的とも言える。
壁と窓との配置計画、バランスというものがキーポイントになってくる。
あと、考えられるのは屋根の板金と壁上部の取り合い部分や水平ラインなど。
なかなか、価格の制約の中で個性を表現していくのは至難。
最近、いろいろなローコストメーカーのデザインを見ているのですが、
それぞれにどうやったらいいか、と試行錯誤している様子がよくわかりますね。
最近は、建物の形態で若干の変化を付けるとか、
変化を付けた部分の壁材料仕上げに工夫を凝らす、という傾向。
いずれにせよ、数少ない勝負ポイントの中で、
各社とも、ギリギリの作戦を展開していますね。
小泉改革以降、中間層が減少して、ほんの一部の高級層需要と
大きい部分のローコスト志向、という2極分化が
住宅分野でも、このようなデザイン傾向として現れています。
こういうのも、歴史的な社会構造を表現していたものとして、
後世、この時代を表す一例として語られるようになるのでしょうか。
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明快な政権交代

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わたしは東北出張中のところ、
一時札幌に帰社していましたが、またきょう、青森に移動します。
選挙当日は夜に札幌に帰っていたのですが、
事前に投票は済ませていたので、
結果の報道から、テレビを見ておりました。
今回の結果については、事前の情勢調査通りのものが
本当にそうなるものかどうか、
注目していましたが、くっきりと結果が現れましたね。
まぁ、いろいろな要因が重なっての結果なのでしょうが、
自民党政権が2代にわたって政権を投げ出した末に、
居丈高に、「責任力」とかと言い立てたあたりで、
それならば、責任を取ってもらおう、というのが国民判断だったということでしょう。
民主党の打ち出す政策に対して「財源はどうする」という
「おまえらはなんにも知らないんだ」みたいな上から目線ばかりの対応だった。
そういった総体としての権力臭さがノーを突きつけられた。
小選挙区制度ではこのような振り子のような転換が日常化するものか、
今後がどうなっていくのか、しばらく、政治変換の時期が続く予感があります。
細川連立の時は、ひょうたんから駒という側面が大きく、
政権を投げ出す形で、有権者の離反を招いたけれど、
今回、民主党はどのような政権運営をしていくのか、
非常に興味が深まるところですね。
考えてみれば、明治維新も似たようなことだったかも知れない。
徳川政権側は経済運営的には完全に破綻していながら、
「大政奉還」という形で、新政権側の経済運営・国家運営のキャリアのなさを
浮かび上がらせようと考えた作戦を行ったのでしょう。
自民党の戦い方を見ていて、
徳川政権と似たような部分を感じていました。
まぁ、今回の転換がそこまでの大きな歴史の節目になるかどうかは
ひとえに民主党政権の行方にかかっているといえます。
以前の連立政権の時には、
小沢一郎の強権的な運営が目立って、
いわばそういう敵失で、社会党とまで手を結んだ自民党は政権に復帰した。
今回、小沢一郎はどのように行動するのか、
民主党の統治能力が試されるようになるでしょうね。
わたしは、以前のときには小沢的運営スタイルに対して
朝日新聞に読者の声として投稿して掲載されたことがある。
そのときは、新聞というのはこのように世論を作っていくのだなと
違う感慨も持ったものです。
さて、いろいろな転換が本当に起こっていくものかどうか、
注目せざるを得ません。
さて、台風はなんとか大丈夫なのかなぁ、
ということでまた青森に戻って取材が続きます。
写真は、十和田から青森へ抜ける峠から見た岩木山。
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八戸市・林の前遺跡

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八戸を拠点にして、2日ほど
住宅取材をしていまして、その間、
以前から調査してみたいと考えていた
「林の前遺跡」を見に行ってみました。
この遺跡は、大変特異な遺跡で、歴史年代の戦争の様子が
生々しく発掘されたという、稀有なものです。
というのは、平安中期年代で、前九年合戦前後の遺跡であるということ。
発掘された人骨が後ろ手に縛られて、しかも
首と胴体が別々に何体も発見されているのですね。
時系列的には、糠部という王朝政府の地方支配単位が設定された前後です。
八戸周辺には、戸という地名が多いのですが、
王朝政府の基本的な地方支配単位は農業生産にその根拠を置くのに対して、
この地域は、馬産にその根拠を置いたとされています。
その単位として、戸、という単位が決められたという。
で、その馬産経済の中心的な支配者としての存在が、
この「林の前遺跡」の支配者に比定されているのです。
具体名で言えば「安倍富忠」という人物ではないかと思われている。
まぁ、この名前からして、王朝政府側の命名であって、
蝦夷のなかの有力者で、まったく違う通称名であったかも知れませんね。
八戸周辺は、その後の歴史年代でも飢饉に見舞われることの多い地域。
伝統的ヤマト民族が基本にした米作農業には必ずしも適さない地域です。
そういう地域特性の中で、馬産という
武家勃興期にあって全国的に市場規模が拡大してきた産業を
この地域で起こした勢力があって、
その勢力が、さまざまな「外交関係」を各地の勢力と展開していたのでしょう。
基本的な地政関係から、奥六郡周辺の国境貿易独占勢力、
当時で言えば「安倍氏」、その後の清原氏、藤原氏との関係が深かった。
しかし、気仙地域の「金氏」や、多賀城国府とも直接的な関係があったと思われる。
馬産経済というのはどのようなものであったのか、
イマイチ、詳らかにはなっていませんが、
貿易交換型の経済であったことは間違いないので
より有利な条件を求めて交渉し続けるというのが基本的なスタンスでしょう。
そのような背景を持った遺跡なのですが、
実際に行ってみると、平地から高台になった段丘状の地域。
八戸の海へもほど近く、台地上にあるので、防御的な城郭要素は満たされている。
写真の真ん中に走っている県道の工事で掘削してみたら
この遺跡が出てきたということなんですが、
周囲にはなんの案内もありませんでした(泣)。
やむなくクルマを降りて森の中に入ってみましたが、
クマかも知れない大型動物の糞が散見されるような地域で、
どういう痕跡も発見できない。
しかたなく「八戸市博物館」に行って情報を聴いてみました。
たぶん、館長とおぼしき方が説明していただけたのですが、
かろうじて、青森市の埋蔵文化財センターに資料はあるだろうという情報。
かなりマイナーな興味分野なので、
情報はなかなか得られません(泣)。
今度、青森市での用事ができたら、時間を見つけて探ってみたいと思います。
ただ、その後の歴史年代で南北朝のころに
この地域に南朝方勢力として侵略してきた「南部氏」のことも
おぼろげに、その出自への想像力が沸き上がってきました。
この南部氏は、武田の源氏を名乗る甲州の出身勢力なのですが、
甲州にはこの地域同様に馬産の伝統があり、
そういう経済勢力であったという推定が聞き取り情報として得られました。
いずれにせよ、馬産に関係するのがこの地域の
キーワードなのだと実感させられます。
そうやってみてみると、この写真の手前側一体は広大な「牧場」であったものか、
そんな想像が膨らんで参りました。 ふむふむ。
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テレビの位置

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近年のテレビの大型化が、住宅の風景をある程度変えています。
以前は、「コーナー型」設置,とでも呼べるような
まだ、移動可能な「家具」的扱いが多かったのですが、
大型化の結果、一面の壁面を専有するようなかたちになってきている。
やはりテレビ画面だけでは視覚的につらいので、
余白に相当するような背景部分が、
それもできれば白い背景壁面が、
なるべく多く必要になってきた、という側面がある。
シンプルモダン、という風潮の蔓延には、こうした背景があると思います。
こうなってくると、居間を相当に大型化させる必要がある。
そのうえ、居間を2面採光で考えると、
言葉を換えて言えば、そとの風景を愛でるような方向に大きな窓を2方向に
開けたいと考えると、
その上でテレビが壁面の1面を独占するとなると、
合計で3面が固定され、しかもソファの位置がテレビに向かうとなれば、
居間の配置構成が大変難しくなってしまうのは自明。
場合によっては、せっかく開けた美しい外部への窓に背を向けて
テレビ画面に向かうという形になってしまう。
以前、吉永小百合さんがCMに出ているのでは、
大きな開口部の真ん中の位置にテレビを置くプランまでありましたね。
でもあれだと、たぶん、外部の視界がテレビ画面への集中を削ぐ。
背景が気になって、テレビを見るのにやや疲れるだろうと思うのですね。
おお、っと、驚くようなCM効果はあるけれど、
そういう解決手段はないだろうと思うのです。
そうすると、2面採光は諦めるべきなのか、
なかなか、究極的な選択がいま、日本の居間設計には迫られているのです(笑)。
っていうなかで、
写真のような階段下壁面利用計画を久しぶりに見ました。
階段って、いま、居間の拡大にともなって
面積的にもっとも厳しい現実になっているのですが、
居間から上がる、という家族関係重視と合わせて考えると、
こういう選択もありなのかなと、思えた次第です。
ただ、家族がテレビに向かっているなかを2階に上がることになるので、
そのあたり、ちょっとそのときの心理的部分が
どうなんだろうかと懸念される部分はありますけれど・・・。
建築的には、こういう利用の仕方というのは大いにあり、ですね。
みなさん、テレビの位置、どうしています?
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外観プロポーション

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おとといから東北に出張に来ていまして、
仙台で用件を済ませたあと、
きのうは朝一番で、八戸まで北上いたしました。
で、久しぶりに東北地域での住宅取材であります。
八戸、十和田、三沢といったこの地域、
名称は、一応三八上北というのだそうですが、
まぁ、天気予報上の言い方で、一般の人は使わない言い方。
「南部地域」といった方が、まだわかりいいけれど、
それだと、津軽に対しての言い方なので、
全国的には通りがいいとは言えない。
気候的には、省エネの地域区分で2地域でして、
北海道と大差ない冷涼な気候の地域です。
以前も、ブログで書きましたが、江戸時代、たびたび大きな飢饉に見舞われた地域。
いわゆる米作中心の経済思想的にはまことに厳しい条件の土地。
冬の寒さは半端ではなく、
わたしのような北海道の多雪地帯出身者からすると、
その季節風の厳しさに、震え上がるような想いを持ちます。
この地域で、いわば地域一番店的なデザイン住宅ビルダーと言われるのが、
ジェイホームさん。
設計の瀬川さんは、長年リプランでも掲載してきた住宅の設計者として
その感覚が一級品と思える方です。
きのうは久しぶりにお会いして、
すっかり住宅談義に花が咲いて、楽しい取材ができました。
写真は、八戸のジェイホームさんのモデルハウス。
手前側が南面であり、そちらに面した三角屋根の壁面をポイントにデザインしています。
タテと、ヨコの寸法の納まり具合、
屋根で区切られた三角と長方形のバランス。
さらに窓と壁面の分量の配置間隔などなど、
いろいろ、そのコンセプトと考え方をじっくり聞いてみました。
これはなかなか、楽しく奥の深い世界であります。
建物というかなり長い時間、そこに存在し続けるものは
その「見た目」を徹底的に考えなければならない。
人間は基本的には生物的生存が優先するけれど、
しかし、現実的には情緒的判断で毎日を過ごしている。
そういう情緒の部分で、「なにも考えていない」建物では、
そのような人生の時間を過ごすことになってしまう。
デザインは、まことに奥が深く、始原的なテーマでありますね。
ふむふむ・・・。
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北海道の小さな幸せ

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さんまであります。
なかなか大ぶりで、おいしそうであります。
きのうは朝食に、焼いて食べておりました。
で、それはその前日に札幌市内わが家近くのスーパーで買い求めたもの。
この写真のさんまの魚体と、ほぼ同一。
で、このさんまの写真はきのう、出張で来た仙台市内のスーパーでのもの。
最盛期に差し掛かる繁忙期なのでスタッフに
差し入れをしたいと考えて、立ち寄ったのですね。
まぁ、なにが言いたいかというと、
要するに値段が全然違ったのですね。
一昨日購入したさんまは、一匹65円だったのですね。
(その前には、もっと安い店と時があって38円だったと記憶しています)
それが、こちらではなんと、128円。
倍近く値段が違うのですね。
それも、「広告の品」と書いてありますから、
大出血サービス価格であることは疑いない。
おいおい、であります。
まぁ、別にお店がボロ儲けしていると言うことでもないと思います。
やはり、産地に近いかどうかで、
単純に輸送コストと、流通経路の違いで、これくらいの価格差になるのでしょう。
ほかの地域のみなさんやお店に悪いので、
内心でグッとこらえておりましたが、
北海道に暮らしている幸せ、ホンの小さいものですが(笑)、
つい胸に迫ってくるものがありまして、
「やった、もうかった」と、胸の中で小さくガッツポーズしていました(笑)。
こういう幸せ感って、けっこううれしい(笑)。
まぁ、優越感とも違うのですが、
安くておいしいものには恵まれているのかなぁと、思えるのですね。
ほかの地域のみなさんからすると、
「なによ、それ」と、顰蹙ものなのかもしれませんが、
数少ない北海道の自慢話の典型例とお笑い下さい。
でも、やっぱり、うれしい(笑)。
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室町期の木材製材

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きのうの続編です。
建物の建築作事のとなりに、こういう「木割〜製材」の様子がありました。
どうも、当時の工程としては、
建築現場で、こういう製材も同時進行していたようです。
よく見ると、白い上衣をまとった人たちが管理者のようで、
工程管理しているように見受けられます。
ここでみると、乾燥させているかは不明ですが原木を
切り割ったり、墨付けして一定の大きさに裁断したり、
ノミやカンナで、仕上げたりしている様子が見て取れます。
画面に見えるほぼ全員が烏帽子をかぶっているのは、
日本人に一般的だった風習なのか、
それとも、現代でヘルメットをかぶって作業するような意味合いを持っていたのか(笑)、
まぁ、そんな安全管理の考えは強くはないでしょうから
それこそ、裸になって作業しても、烏帽子だけはかぶっていたのかも知れません。
そういえば、髪を結い上げて、ちょんまげにするという
ちょっと奇妙な風習はかなり以前から、日本に定着していたのでしょうか?
この烏帽子を見ていて、なぜなんだろうと想像が膨らみますね。
上衣と下の衣類はそれぞれ別のようで、
まぁ、そこそこ機能的な様子が見えます。
先日のブログでも触れましたが、
こういった製材部分が、大きな公共事業終了後も、京都などで
その後も店を構えて営業していたら、
けっこうな繁盛をしたということで、現代にまで伝わってくるような
製材を立てて置いて商売するスタイルができた、ということです。
しかし、こういう労働の姿を見るのは楽しい。
いろいろなポーズで、一心不乱に働いている様子は
それぞれの職人さんの個性も伝えてくれるような
そんな想いを感じさせてくれます。
きっと、それぞれ、暮らしがあり家族があり、
っていうように考えていくと、時を超えてだんだんと親しみを感じてくる。
こういう職人集団のなかから、やがては「棟梁」になるような
優秀で人望もあるような人材が出ていったのでしょう。
また一方で、先日触れた小堀遠州のような芸術家的設計者も
「奉行」として、こういう作事職人集団を統率していたのでしょう。
こういう労働の結果、今日まで伝わっている大きな建築が作られていたのですね。
普通の人々の、ごく普通の営為が記録されているのって、
表現もわかりやすくて、本当に見ていて楽しく、あきない。
すぐにでもこの現場に行って、職人さんたちに声を掛けてみたいです(笑)。
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室町期の木造建築工事

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民衆の仕事の様子とかって、なかなか記録される機会はない。
漁民の日常の衣類はどんなものだったのか、
そういう基本的なことも、なかなか確実な資料って、ないのだそうです。
この写真のような絵巻物で残される様子っていうのは稀有なんでしょうね。
これも、歴史民俗博物館での展示からです。
シャッターを切れないので、なかなかピントを合わせるのが難しいのですが、
雰囲気などはよくわかりますね。
まさに「建て方」工事の真っ盛りの様子です。
お寺の新築工事のようで、雲形の軒先造作も見られるのでわかります。
民家では、日本ではこういう「せり上がり」の軒先表現をしない。
公共的な、あるいは高級建築の象徴として、
こういう木組み表現をしたのだそうです。
日本建築では多雨の気候にあわせて
屋根が大きく作られるのが特徴で、そうすると
軒先の構造補強を図る必要があり、
こういう表現が進化したのでしょうね。
柱は礎石のうえに立てられて、その間に間柱を受ける横架材が見られます。
粗組みされて、足場板が渡され、活発に職人さんたちが動き回っている。
天候をにらみながら、なんとか早く仕上げたいのがこの「建て方」。
大量に一気に、職人が投入される工程です。
ノミやカンナを使って、構造材に切り込みを入れたりしています。
ほぼ全員、片肌状態ですが、烏帽子はかぶっている。
建築のことを、作事というように言うのが一般的。
このような様子を見ていると、かなりの寸法精度を要求される
こうした大型木造建築は、当時の建築技術の粋を凝らしたものだったのでしょう。
一般的には、地方ではたぶん、竪穴住居程度。
これだけの労働力を動員する仕事は
それだけ資金も必要であり、
時間もかかった大造作工事だったことでしょう。
今日まで残る寺社建築は、基本的には公共事業ということも出来ます。
しかし、今日の公共事業と比較して、圧倒的に人手がかかっている。
その意味で、使い込まれてくる色艶の出方が
鉄筋コンクリートと鉄、ガラスの現代建築とは比較にならない
「審美的耐久性能」が経年変化とともに募ってくる。
つい最近まで、日本全国で作られ続けた大型の箱物公共建築って、
遙かな後年まで、はたして残っていくものかどうか、
たとえば東京都庁舎のように、その維持管理費用の莫大さを考えれば、
たいへん疑問に思わざるを得ない。
技術が残り続けるためには、そういう産業も維持されなくてはならない。
どうなっていくのか、こんな絵巻物を見ていて、
ふと、想いが現代にフィードバックしてきます。
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画期的な公共事業公開審査

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環境省が推進するエコハウスモデル住宅に北海道内では
2つの街が選定されています。下川町と、美幌町なのですが、
そのうち、美幌町での「設計者選定公開プロポーザルという異例の取り組みが
昨日の夜に行われていました。
インターネットでの動画中継で配信され、
審査の模様が公開されていたのです。
仕事の都合やらがあって、断続的にみられたり、みられなかったり、でしたが、
大変有意義な試みだと感心いたしました。
美幌町21世紀環境共生型モデル住宅(エコハウス)設計者選定公募型プロポーザル審査。
二次審査会(公開ヒアリング)
開催日時  平成21年8月24日(月)午後6時〜
開催場所  美幌町 しゃきっとプラザ 集団健診ホール
        (美幌町字東3条北2丁目 美幌町役場横)
内   容  プレゼンテーション(一次審査通過設計者各10分以内)
        全体ヒアリング(審査委員聴き取り)
そ の 他   インターネットライブ中継(美幌町HP)をします。
一次審査通過設計者
小尾建築事務所
くりえいと創
堀尾浩建築設計事務所
五十嵐淳建築設計
株式会社画工房
  5 件
美幌町21世紀環境共生型モデル住宅(エコハウス)設計者選定審査委員
審査委員長 圓 山 彬 雄 (建築家、㈱アーブ建築研究所代表取締役)
審 査 委 員 岩 村 豊 治 (指導林家、網走支庁管内林業グループ連絡協議会幹事)
審 査 委 員 小 玉 祐一郎 (建築家、神戸芸術工科大学環境・建築デザイン学科教授)
審 査 委 員 高 橋 信 夫 (北見工業大学、副学長)
審 査 委 員 中 原 秀 樹 (東京都市大学環境情報学部教授)
審 査 委 員 染 谷    良 (美幌町副町長)
審 査 委 員 平 野 浩 司 (美幌町経済部長)
っていうような内容での審査でした。
なかなか白熱した討論が行われておりまして、
また、審査委員長や設計者もいつも話をするみなさんで
ごく身近なひとたちばかり。
また、テーマも建築サイズが住宅レベルの話なので
たいへんわかりやすくて、論点も明確に展開されていたので、
非常に面白く見ることができました。
結果については、リプランの次号9月発売号でも掲載しますが、
なにはともあれ、こういう取り組みを行った美幌町のみなさんに
「よくやった」と、強く思わせられました。
夕方から、終わった9時半過ぎまで、見ている方でも大変だったので、
審査員のみなさんも、大変だったと思います。お疲れさまでした。
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