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そば行脚・真狩「いし豆」

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しばらく住宅ネタばかりでしたので、本日は息抜き。
先日のGWで唯一、遠出してみたのが真狩方面ドライブ。
ニセコ周辺の変貌ぶりには、ちょっとびっくり。
このあたり一帯、とても北海道とは思えない活気に満ちていました。
オーストラリアからの観光客流入の結果、不動産バブルということで、
あちこちにホテルが出来たり、リニューアルしたり、しています。
観光客目当ての目新しい店舗が、あちこちと新築されておりました。
まぁ、建物と建物の間は距離はあるけれど、
その距離をちぢめてみたら、札幌の観光客向けの街並みとそう変わらない。
言ってみれば、田舎の衣装をまとってはいるけれど、
実際のところは都会と変わらない雰囲気ですね。
ニセコ一帯のことを「あれ、田舎じゃないも」と、
過疎地に基盤を持つ友人が語っていますが、まさにその言葉通り。
こジャレた店構えの都会的な店舗が多く、
その感覚は、札幌の街の店舗と変わらないコンセプトが目立ちますね。
そんななかで、カミさん情報で、探し当てたのが、
真狩の街から少し離れた場所にある、ごらんのそば店。
2方向が比較的交通量の多い道に接していますが、
片方にしか接道していなくて、「あれだろ、あれ、あれ・・・」と
見えているけど行けない、状態から、やっと車を回して
たどりついた次第。
まだ新しいけれど、「隠れた名店」を目指しているのか、看板も小さく、目立たない。
気づかなければお店とは思わず、普通の一軒家っぽい。
手打ち、毎日、限定数十食ということでして、
午前11時半開店前に着いたのですが、
付近を見回しているうちに、あっという間に混んできます。
あわてて店にはいると、店内はテーブル2脚に、6人掛けカウンターという狭さ。
なんとか並ばずに済みまして、待つこと数分。
他の人に運ばれるそばをみて、「お、これは・・・」と期待が膨らみます。
で、ややあって、運ばれてきました。
手打ちの自然なそばの風合いが口に広がり、
鶏肉のつけつゆの力強い味わいと、ハーモニーがいい。
家族4人でそれぞれ、ちがったそばを頼んだので、
すこしづつ、味見し合いながら、
たのしく、おいしいそばを楽しめました次第。
値段は忘れたけれど、確か、もりで600円くらいだったと思いました。
ごく普通の値付けだと思いましたので、まぁ、庶民的。
食べている間にも、ぞくぞくとお客さんが店の外にも並びはじめ
あんまり長居はできずに、そうそうに店を出ましたが、ここちよい食後感。
けっこう、オススメの味でしたね。
場所は説明不能。真狩「いし豆」、電話0136-45-3691でした。

リフォームの心理的動機

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リフォームって、難しいマーケットなのだとつくづく実感します。
新築需要については、やむにやまれぬ「家を建てたい」という社会的な需要というか、
ユーザーの側にわかりやすい欲望が存在します。
それに対して、リフォームは「誰でもが希望しているわけではない」というような
難しさがあると思います。
新築は、それこそ、生まれてきたら誰でも一度は家を持ちたいと考える
というような欲求が「自然に」醸成されています。
だれもが、人生のひとつの目標にするというわかりやすさがあって、
少なくとも、そうした動機の部分では、建築事業者の側で工夫するという必要がない。
言ってみれば、自然な欲求に対して「仕掛けて」いけば
自ずと広範なマーケットが反応してくれる。
それはまず、基本となる「住む土地選び」から
収入に応じた資金計画のプランニング、
家づくりについての総合的コンサルティングなどなど、
一連の流れが存在しているので、それに踏まえていけばわかりやすい。
それに対して、リフォームでは、ユーザーの動機の掘り起こしから
いろいろ考えていかなければならない。
ユーザーの漠然とした心理に方向を与えていかなければならないのだ。
ここのところがもっとも難しいし、簡単明瞭になりにくい。
まだ、北海道では、家の寒さというような
基本性能の部分での広範な需要が存在しているのでわかりやすい。
しかし、それにしても、生活上の毎日の問題なので
「我慢しているうちに忘れてしまう」というような心理もあります。
まぁ、寒くて暖房費がかさむ、というような切実な問題についても
当面のランニングコストと、それを解消させるについての建築コストが
金額比較で言えば、桁が違いすぎて、人生設計の中で
どうしても後回し、それよりも将来不安の方が大きいので、
いきおい、資金を貯蓄したり、他のわかりやすい消費、
たとえば目先の快適性で車や、旅行といった消費に走るというケースが多い。
家の性能向上と言うことでは、
写真で見るような窓の取り替えという工事がけっこう大切な部分なのですが、
なかなか、工事も複雑になって工程もかかるので、
ここまで行う工事というのは、少ないのが現状ですね。
さて、そういう現状のなかにあるわけですが、
地球温暖化の問題や、エネルギー問題が
世界的にも焦眉の現代的課題になってきて、
寒い家、エネルギー多消費型での問題先送りが許されなくなってくる中で、
やはり、省エネルギーの側面からのリフォームの提起が
もっとも、わかりやすくユーザー心理には響くのではないかと思います。
いつまでも、粗大ゴミになるような家づくりをしていてはいけない。
環境をわが家から考え直していく、そういうリフォーム需要の喚起が
求められていくのではないかと、希望的に考えています。
そしてこのことは、北海道、寒冷地だけの問題でもない。
夏場の冷房負荷の増大で社会全体が問題拡大に苦しんでいる
首都圏地域をはじめとした全体に、需要が存在するでしょう。
まぁ、しかし、やはり目先的にはやはり難しいのでしょうか、ね。
こうした側面からわが家のことと、環境問題への対応をリンクさせる考え。
なかなか、悩ましい問題だなぁと思っている昨今です。

都市型RC連棟住宅

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わが家の近くに建てられた珍しい「連棟」スタイルの住宅です。
「連棟」って、前にもこのブログで触れましたが、
欧米ではよく見かける住宅です。
あれだけ、個人主義の伝統が根強い文化社会だけれど、
同時に、地域コミュニティというような考え方も成熟していて、
「個」と「共」の関係についての文化ルールがしっかりしているのですね。
一方、日本でも伝統的な「町家」スタイルの居住形式がかつて存在し、
現在もそうした基本的な街割りの中で多くの住宅が存在しています。
しかし、新設の住宅ということで考えると、
なかなか、権利関係についての考え方が難しい、こういう住宅は建てられにくい。
この住宅では、ごく近かったということもあって、その経緯を把握しています。
まず、大きな広めの戸建て住宅の持ち主が亡くなられ、
その跡地が、小規模なデベロッパーに再利用されることになった。
その会社は、ローコストのRC住宅で売り出している会社で、
小さな敷地に分割して、土地価格を抑えたうえで、
同時期に、間取りやプランなどもほぼ同一の企画型住宅として販売した。
さらに、建築工事としても連棟住宅とし、一気に着工〜完成させることで、
コストダウンを計ることが出来る。
こうすることで、便利のいい敷地でありながら、
比較的求めやすい単価に抑えることができる、というメリットがあるのですね。
最近は、こういうスタイルの家づくりをさらに発展させたような、
コーポラティブというスタイルを取り入れた住宅も徐々にできてきています。
まぁ、マンション並みの価格で、戸建て住宅、
それも、この住宅群のように駐車スペースが2台分確保できるのです。
ただ、こういうコンセプト、ユーザーに理解してもらうまでには
若干、時間がかかったようで、
「現地販売説明会」が、何回か行われていました。
たぶん、都合1年以上時間がかかったのではないかなと思います。
ということで、完成し、なんとか販売はできたようなんですが、
さて、最初に書いたようなこと、
これから、住むみなさんにとって、未体験なことが始まるわけですね。
「地域コミュニティ」の創成、というようなことです。
欧米の、地域コミュニティと個人主義の折り合いの歴史的文化に対して、
戦後以降の無原則に近い個人主義、という今日の、日本の状況、
そのなかでどっぷりと育った世代が、
こういう地域コミュニティを安定的に作り出せるのか?
経緯を知っていて、また、そう大きな利害関係もない、
しかし、隣人ではある存在として、
ちょっと、興味津々、という感じで見ている、という次第なんです。
みなさん、どう思われますでしょうか?

公園の樹を、わが家の庭木に

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写真は、2年前くらいに取材した家。
設計者はこの写真のこんもりとしたヒバとおぼしき公園の樹木を
格好の借景と考えて、設計していることが明瞭でした。
こういう常緑樹は、葉っぱが冬になっても落ちないし、
そのうえ、公園に繁っているのでまず、切られる心配はない。
ということで、この緑をいかに室内空間に取り込むか、が
最大の設計ポイントです。
まるで、わが家の庭木感覚で設計意図に取り込めるんですね。
しかも、管理に要する費用は公共が負担してくれる。
こんないいことはない(笑)、っていうようなプランニングですね。
まぁ、公園に面した家って、だいたいは
こういうような考え方ができるわけですが、
やはり、樹木との配置関係をよくわきまえて設計しなければなりません。
一方で、公園なのでいろいろな視線にさらされたり、
迷惑な騒音などの問題も発生する可能性はある。
わたしの散歩道でも、途中、そういう問題で困っているような家も散見されます。
この家の場合は、主な生活空間を2階にもっていって、
不必要な外部からの視線を遮っています。
そうすることで、大きなピクチャーウィンド開口を取っています。
その窓のガラスも、三重ガラスなどを使えば、
室内側からの眺望には問題はないけれど
外部側からは、内側を見通しにくくする配慮も可能になってきます。
三重ガラスの場合、光の屈折作用が大きくなるんです。
わが家では、大きな三重ガラスサッシを使用していますが、
新築当初、よく、この屈折作用で、
野鳥が、ガラスに映り込んだ景色に錯覚して、
かわいそうにぶつかったりすることがありました。
たいていは気絶で、そのあと、復活してくれるのですが、
一度はそのままで、やむなく家の近くに埋葬した経験もあります。
1階も、防御的な壁面構成で、最低限必要な採光窓という感じ。
こういうような設計配慮を行うことで、
こうした敷地条件を完全に活かした、面白い住まいが可能になるのです。
北海道は、東北以南の他の地域と比較して、
こういう自然条件というか、自然との関係で、
家づくりに活かせるような環境がたくさんあると思います。
よく探せば、こういう面白い眺望を楽しめる家って、都市の中でも作れるもの。
ただし、土地探しのノウハウが一般ユーザーには
想像を超える部分のようなんですね。
このあたり、今後のテーマになるのかなぁ、って考えております。

間仕切り壁

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写真は先日取材で伺った、あるモデルハウスでのもの。
間取り的には玄関を境に、左右で明瞭に仕切られていて、
ご覧いただいているのは、その玄関空間から右側を見た様子。
こちら側は、離れのような客間、和室に向かっていく動線空間です。
動線空間ですが、大きな開口部は結構なしつらいの和風の庭に望んでいて、
なんと、庭石から流水が落ちていたりしています。
動線空間そのものも、床には畳が敷き込まれ、
天井には葦簀が張り込まれています。
そのうえ、手前側の仕切り壁の内側には床の間まであります。
という空間になっているのですが、
その玄関側からの心理的結界装置になっているのが
写真左手の間仕切り壁。
この間仕切り壁、左右幅はほんの60cmほどのものなのですが、
塗り壁で仕上げられており、格子窓も開けられています。
ちょうど、左右の間取りそのものの結界にもなっていて、
また、玄関正面から目に飛び込んでくる、庭石の落水に対しても
その緞帳のような役割も果たしています。
そういういろいろの目的を果たしているのが、この間仕切り壁なんですね。
大変大きな空間、約60坪くらいの床面積の建物ですが、
その中心にあって、さりげなくいろいろの場面変化の重要プレーヤーになっているわけ。
野球でいえば、渋く全体の守りを支えているショートストップという位置。
たぶん、この間仕切り壁がなかったら、
全体のバランスが一気に崩れてしまうでしょう。
こういう多目的な役割を果たしている間仕切り壁も、はじめて見た感じがしました。
たぶん、和風空間の家づくりに感性豊かな作り手さんなのだろうな、と。
そういう思いを抱いた次第です。
どうも最近、ディテール系の部分が面白くなってきている気がします。
あれこれ、気づいた部分、今後も取り上げてみたいなと思います。
さて、連休真っ盛りですね。
わが家は、特段の予定はなく、近場でこどもと楽しもうと思っています。
きのうは、わたしと坊主で久しぶりに早朝散歩。
しばらく体調が悪かったのですが、ついに気力も回復して
約5kmくらいのお決まりの散歩コースが復活です。
北海道もようやく、いい気候になってきて、
たいへん、気持ちのいい散歩を楽しめるようになってきました。
きょうは、身近な山登りを約束しています。
でも、その前には、またきょうも早朝散歩です。 さて行くぞ、っと。

木組み天井

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写真は外部から玄関に至るアプローチを彩っている木組み天井。
これって、札幌の建築家のみなさんがよく使っているデザイン手法。
伝統的には、古民家などの天井の飾り方として、
木組みを見せる、というスタイルがあり、
その延長線上で、考え出されたものなのではないかと思います。
コンクリートブロックなどの石系の素材で
構成していくと、その天井もコンクリートスラブになることが多い。
そうすると、そのままではインテリア的には牢屋っぽくなる。
それを緩和するのに、こういう木組み天井を採用したのではないかと推測されますね。
これって、わが家でもやっていまして、
たいへん面白い変化に富んだ空間性が楽しめます。
この写真のように、ちょっと無国籍だけれど、
陰影感は独特で、ちょっと和の雰囲気も感じられるという仕掛け。
一度、木組みを組み上げてから、天井にあらかじめ埋め込んだボルトなどに
緊結させるという手順になります。
上に向かっての体勢での作業になるので、見ていましたが、
施工はなかなかに大変です。
写真のように屋外に使用する場合はメンテナンスもそう考えなくていい。
室内に使う場合は、やはり定期的な掃除は必要。
ただし、この掃除っていうのを、あんまり一生懸命、やらない。
そうすると、どうしてもホコリが溜まる、ということにはなります。
まぁ、年にいっぺんでも大掃除をやればいいんですけれど。
これは、わが家の場合の話なので、一般化はできませんね(冷や汗)。
先日も、吹き抜けの高窓まわり、掃除機で吸い取りましたが、
やると、結構楽しいものなので、掃除をすべきですね。
って、自分に言い聞かせているようなブログになっております。(笑)
しかし、デザインとしては、やはりよく見つけたなぁと
感心させられます。
白木でもいいけれど、彩色してもまた、その色合いを楽しめる。
まぁ、軽快感のあるインテリア空間、というわけには行きませんけれど、
重厚感があって、落ち着きのある、渋さを狙うのなら、
かなり有効なデザイン手法だと感じます。

大胆な色遣いのシンク

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これって、どうやって作っているんだろうと、気になったシンク。
素材は人造大理石なので、かたちは型枠をとって自由に造形できるのでしょうが、
色違いは、どうやって流し込んだのか?
人造大理石は、
人工的に作られた大理石風素材のこと。 合成樹脂に各種無機物を混ぜて加熱し、加工成型し大理石のようにした素材をいう。
柄のないタイプから、石目調、マーブル調といった見た目が大理石に近いものまで、色柄が豊富で、高級感があるので、人気の高い素材である。耐衝撃性や耐久性にすぐれ、弱点とされていた耐熱性に関しても、最近では、以前より優れたものも出てきた。キッチンのワークトップや、洗面化粧台のカウンター、浴槽などによく使われている。加工がしやすく、さまざまな形にすることができるのも特徴。種類としては透明感のあるポリエステル樹脂系と陶器の肌合いをもつアクリル樹脂系のものがあるが、一般的にアクリル系の人造大理石のほうが、性能が高い。(All About用語集より)
という素材ですが、
シンク部分と、トップの色をどうやって色違いにするのか、
ちょっと、作り方が気になって眠れなくなった次第(笑)。
それはまぁ、いいのですが、
こういうカラーリングの大胆な台所シンク、最近よく目にしますね。
普通に考えれば、内装の素材感や、色合いとの調和が難しいから、
こういう設備関係って、無難な色合いになるところですが、
最近の住宅は、白っぽい仕上げになりやすい内装が多くなってきて、
アクセントカラーが、こういう設備に役割が移ってきているのでしょうか?
どうも、感覚的には、そういうシンプルモダンの内装の家に
こういう色遣いのキッチンが多くなってきた気がします。
いきおい、こういう色遣いのシンクが売れるようになってきたということなんでしょうか?
わたしのような毎日、調理する人間からすると、
ちょっと、どうなんだろうと思うのです。
調理する時って、食材の色合いなんかも無意識に考えたりするので、
そのときに、こういう色合いがあると、頭が混乱するように感じますが・・・。
まぁ、慣れで、だいじょうぶなんでしょうかね。
初めてこういうシンクを見ると、へぇ〜、と驚かされますが、
それは、たぶん、そのときだけ。
長い一生ものの選択だと考えて、よく選ばれた方がいい、とも思います。
にしても、一体成形で、どうやってツートンカラーにできるのか?
不思議、ふしぎ、フシギ、?、・・・・。

潤いのカーポート

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写真はきのうのつづき、五蔵舎さんショールームです。
カーポートって、いま家を建てるとするとほぼ必須の存在。
なんだけれど、あんまり論議されたりすることはまれですね。
というのは、土地をなんとか見つけて購入し、
やっとの思いで家を建てる、までが建て主として精一杯で、
なかなか、残余の部分にまではゆとりを持てない、という感じなんですね。
まぁ、なんとか考えられても家の前と車が、ドロドロにならないように
コンクリート舗装をするくらいまでが一杯。
そして、やや、ゆとりを持てるようになって、
とりあえず、という感じで既製品のアルミ製カーポートを
それも道路側、表側に面して設置するというのが、悲しいけれど一般的でしょう。
でも、こうしてできあがる街並み風景というのが、
とどのつまりが、カーポートの展示会場のようになっていて、
せっかくの住宅地が、印象のない、どこにでもある風景になってしまう。
まさに、機能だけを満たして、それ以外の情緒的価値観の感じられない
無機質な都市風景を形成してしまう。
いつも、そうした街並みを見ると、情感の薄い性格の人間を
涵養しているのではないかと、危惧させられます。
こういうほんのちょっとの残余のスペースって、
周囲の人にとっても、案外、毎日目に触れる部分なので、
その家の印象を決定づけるような部分だとも言えるでしょう。
この五蔵舎さんのショールーム前の「外部のしつらい」、
とでもいえるようなランドスケープデザインを見ると、ほっと安心します。
まだ、植え込んだばかりなので、落葉する木も
まだこの場所で一度も葉が出ていないし、全体の植栽が馴染んでいるとは言えませんが、
これで、ひとまわり季節が経過すると、
ぐっと、雰囲気に奥行きが出てくる。
この場所で、四季を過ごすことで、生き物としての植物たちが
その、視覚的調和・ハーモニーが感じられるようになる。
また、区切られた石と土が微妙に折り合いが付いて
視覚的にも目に馴染んでくる。
もちろん、どんな家庭でもこうしたしつらいが可能というわけでもないのですが、
でも、こうした住宅が増えてくれば、おのずと街並みが整ってくる。
一軒一軒の住宅が、機能性だけではない、
情感のある街並みづくりに参加している、そういう街になる。
それは自分たちが暮らす街を、もっとよくすることに繋がってくる部分。
もうちょっと、考えてみたいと思っている部分なのですが、
いかがお考えでしょうか、みなさん。

五蔵舎ショールーム

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写真は、秋田市に新装なった五蔵舎さんの本社社屋。
五蔵舎さんは、個性的な住宅づくりのビルダーさんとしては
東北を代表するような存在。
その建築する住宅は、ほぼすべてが注文住宅であって、
いわゆる企画型住宅というような住宅は縁遠いビルダーさん。
こういう企業の場合は、モデルハウスという存在はなかなか難しい。
なので、建てられた本社社屋は、
いわばコンセプトハウスというような建物になっています。
所在地は、秋田市の東口からまっすぐ秋田中央インターに向かう
大きな交差点のほどちかく。
秋田市中心部は、東西を貫く道路が計画されていて
交通の利便も大変よい立地。
近辺には企画型住宅メーカーさんのショールームもありますが、
そちらが、窓などにも大きな宣伝文句があったり、
大きな看板が立っていたりするのとは対照的に
ごく控えめな印象のたたずまいを見せています。
しかし、間口が長く奥行きが狭い敷地条件をうまく生かして、
シンプルなプロポーションながら、
2階の壁面が1階のそれよりも突き出していて変化に富んでおり、
また植栽や敷石などのアプローチが、
「住まいのたたずまい」を重視した個性的な家づくりを志向する
五蔵舎さんらしい雰囲気を感じさせています。
住宅は機能を満たす空間だけではなく、
そこでの「癒し」が大きな要素といえます。
そういう空間の味わいのようなものを感受できる、
そういうタイプの住宅ショールームですね。
お近くのみなさんは、ぜひ触れてみるといいと思います。
電話 018-836-5526です。

古民家様式の家、発見

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東北各地の古民家を見て歩くうち、
秋田県では、「日本海中部様式」という形態の民家が多い。
という記述と巡りあいました。
下の写真のような古民家様式。
写真は国営みちのく杜の湖畔公園にある秋田の古民家。
寄せ棟の主屋に対して、左右に突き出すように三角屋根がせり出していて
どちらも、玄関口になっています。
まぁ、典型的には農作業のための土間玄関と、
ハレの玄関を左右に分けてあるかたちなんだそうです。
こういう典型的なかたちの民家って、あるのかなぁ、と
心がけてみるようにしていました。
で、先日の角館の取材に向かう道すがら、発見したのが、
上の写真の住宅。
古民家というよりは、むしろ30年くらいの建物のように感じますが、
プロポーションとしては、あきらかに日本海中部様式。
寄せ棟から三角屋根が左右からせり出すかたち。
その真ん中に、やや大きく繁ってきた庭木が植え込まれているのも様式的。
変遷を重ねてきたというよりも、最初から2階建てで
このプロポーションを意識して建てられたものと推測できました。
想像を働かせれば、
たぶん、下の写真のような古民家住宅に住んできた記憶をたどって
施主さんが、この形態を家に求めたものか、
あるいは伝統的な家づくりを行ってきた大工さんが、
建て主さんに勧めたかたちであるのかも知れません。
屋根の素材であるとか、2階建てである点など、
近代的な建物でありながら、
全体のデザインプロポーションとしては、みごとに様式的。
こういう発見をすると、頑張って伝統的なものを守ろうとしていることが
わかりやすく伝わってきて、
その心意気のようなものに、打たれます。
取材出張での、ほんの一瞬の出会いなのですが、
はるかに名も知らない建築の作り手から、
まっすぐに伝わってくるようなメッセージを感じます。
このように考えれば、たしかに住宅も十分に公共財的な側面があると思います。
みなさん、いかがでしょうか?