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潤いのカーポート

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写真はきのうのつづき、五蔵舎さんショールームです。
カーポートって、いま家を建てるとするとほぼ必須の存在。
なんだけれど、あんまり論議されたりすることはまれですね。
というのは、土地をなんとか見つけて購入し、
やっとの思いで家を建てる、までが建て主として精一杯で、
なかなか、残余の部分にまではゆとりを持てない、という感じなんですね。
まぁ、なんとか考えられても家の前と車が、ドロドロにならないように
コンクリート舗装をするくらいまでが一杯。
そして、やや、ゆとりを持てるようになって、
とりあえず、という感じで既製品のアルミ製カーポートを
それも道路側、表側に面して設置するというのが、悲しいけれど一般的でしょう。
でも、こうしてできあがる街並み風景というのが、
とどのつまりが、カーポートの展示会場のようになっていて、
せっかくの住宅地が、印象のない、どこにでもある風景になってしまう。
まさに、機能だけを満たして、それ以外の情緒的価値観の感じられない
無機質な都市風景を形成してしまう。
いつも、そうした街並みを見ると、情感の薄い性格の人間を
涵養しているのではないかと、危惧させられます。
こういうほんのちょっとの残余のスペースって、
周囲の人にとっても、案外、毎日目に触れる部分なので、
その家の印象を決定づけるような部分だとも言えるでしょう。
この五蔵舎さんのショールーム前の「外部のしつらい」、
とでもいえるようなランドスケープデザインを見ると、ほっと安心します。
まだ、植え込んだばかりなので、落葉する木も
まだこの場所で一度も葉が出ていないし、全体の植栽が馴染んでいるとは言えませんが、
これで、ひとまわり季節が経過すると、
ぐっと、雰囲気に奥行きが出てくる。
この場所で、四季を過ごすことで、生き物としての植物たちが
その、視覚的調和・ハーモニーが感じられるようになる。
また、区切られた石と土が微妙に折り合いが付いて
視覚的にも目に馴染んでくる。
もちろん、どんな家庭でもこうしたしつらいが可能というわけでもないのですが、
でも、こうした住宅が増えてくれば、おのずと街並みが整ってくる。
一軒一軒の住宅が、機能性だけではない、
情感のある街並みづくりに参加している、そういう街になる。
それは自分たちが暮らす街を、もっとよくすることに繋がってくる部分。
もうちょっと、考えてみたいと思っている部分なのですが、
いかがお考えでしょうか、みなさん。

2 Responses to “潤いのカーポート”

  1. 久々に拝見し、編集長のバトンタッチを知りました。長い間お疲れ様でした。本を値下げしたからと現金書留で差額を送って頂いたときは、貴社の誠実さと発展ぶりを実感しました。これからも豊富な見識を、雑誌作りとブログの充実に生かしてください。ブログにはめったにコメントしていませんが、とても参考になるし、まるで自分が旅行している気分になれる素晴らしい文章と写真で、とても楽しく読ませていただいております(東北地方の大学を卒業した関東地方の工務店主より)

  2. ひこぼーさん、コメントありがとうございます。
    定期購読もしていただいているのですね。たいへん心温まる投稿をいただき、感謝いたします。
    おかげさまで、ブログの方はあんまりコメント投稿のないブログ、というランキングをやったら独走のようなものですが、自分自身の備忘録にもなりますので、これからも頑張りますので、ご愛読のほど、お願いいたします。

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