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非常食と日常生活

きのうから、福島県いわき市で行われている
「地域安全学会」の東日本大震災フォーラムに参加しております。
まぁ、いわきということで旧知の方の近況も知りたいし、
その活動の取材と言うことも念頭にあってという次第。
地域安全学会、というのは聞き慣れない組織なのですが、
参加して聴いていると、まことに幅広い領域での研究が行われております。
応急仮設住宅の研究から、被災者の行動分析まで、
ふだん聞き慣れない情報を聴くことが出来て
大変、新鮮な視点を提供していただいています。
そんななかで・・・。

非常食についての研究発表まで行われておりました。
大震災や、大きな自然災害などうち続いている日本社会ですが、
そういったなかにあっても、非常食というのは
やはり、熱しやすく冷めやすい日本人気質のまま、
いま、大量に「期限切れ」の事態に直面している。
非常食の「期限」はおおむね5年程度のものが多いそうです。
メーカーによっては、
期限切れになる1年前に「下取り」して、
世界の「飢餓地域」に流通させる仕組みに取り組んでいる会社もあるそうです。
さらに期限切れを前にして、1年前や半年前などの
タイミングでそれをユーザーに告知までしているのだとか。
一方で、
「喉を通らなくて、食べられない・・・」という声も多いそうです。
非常食が、ふだん食べている食品ではなく、
それこそ「ストック用」であるということが、阻害要因だというもの。
写真は、三陸海岸の漁業関係の会社が取り組んでいる缶詰め。
漁という、これも不定期性・非連続性の生産活動を
獲れすぎたときに非常用ストックとして利活用させているのだそうです。

そういえば、きのうお話を聞いた限りでは、
いわき市の小名浜漁港などで活発な水揚げが始まり、
築地などでも、そのままの産地表示で
高値で売買されるケースが増えてきているそうです。
もちろん安全基準は満たされ、確保された上での出荷。
まことに喜ばしいと思います。
いわきは、放射線量もきわめて低レベルで推移していて、
原発被災地からの避難者のみなさんも、気候風土が似通っている都会と言うことで
多くの人が集まってきている。
活気に満ちているなぁと言うのが、実感であります。

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