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内部と外部が渾然とした家。

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東京大田区の住宅街に新築された住宅見学会に行ってみました。
設計は納谷学さんという建築家。
東北住宅大賞で、候補作品にノミネートされている方で、
能代の実家が候補作であり、それを写真撮影してきたので、
それ以来、お付き合いさせていただいています。
京都の地域住宅賞で受賞されて以来、けっこう建築専門誌などでも
取り上げられることが多い設計者ということです。
というような背景があるからなのか、
オープンハウスには多くの人出があって、大盛況でした。
学生さんや、建築雑誌編集者とおぼしきみなさんが中心でした。
まぁ、一般の施主さんらしきひともちらほら。
住宅は、この都心立地としては例外的な60坪近い敷地でした。
そのうえ、建てられたのは平屋のプラン。
将来的には2階建てに増築する計画も織り込んでいるそうです。
家族は2世帯、というか、おかあさんと、子どもさん夫婦という構成。
外観は、黒っぽいガルバリウム鋼板で無表情。
旗地の通路部分の先に、玄関ドアが2つ並んでいるというシンプルさ。
写真左側は、玄関から続く回遊空間の様子。
プランとしては、外側はまったく閉じられたもので、
その分、写真右側のように内部に中庭を取り込んでインテリア化しています。
1面を除いて3面はガラスがお互いに突きつけられたディテール。
寒冷地ではちょっと、というような処理の仕方ですが、
逆に夏期の日射取得もどうなのか、質問するにも、所員の方たちはわからないし、
納谷さんとも他の話で時間がかかって、あまり話せなかったので、不明でした。
まぁ、コンセプトとしては明快すぎるくらい明快なプラン。
この中庭の他に、お風呂のとなりにも石を張った坪庭があり
内部に取り込まれたいきなりの外部、という直接感の住宅ですね。
このガラスのボックスの耐久性と、中庭の草木の生命力とその管理が
最大のポイントになると思いますが、
そのあたりは、実際に住まわれてから、しばらく経ってみないと結論は出ませんね。
ただ、北海道で考えるのなら、この開口部の仕様は
かなり入念に検討しなければなりませんね。
それと、この区切られた中庭でのビオトープが、どのようにうまくいくか、
建築の側でここまで外部を取り込むのなら、
中庭の自然循環についての、かなり詳細な検討が必要ではないかと感じます。
床レベルはかなり低く抑えてもいるので、
そのあたりが大きな課題になってくる気がいたしました。
ま、にしても、
こうした住宅はかなり変わってはいるものでしょうけれど、
かなり過激なところまで踏み込んできているなぁ、というのが
東京都内での注文住宅づくりへの感想ですね。

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