一般公開のページアドレスはこちらです。
http://replan.ne.jp/content/igokochi1/
本誌Replanでは気鋭の住宅環境性能研究者、東京大学・前真之先生に、
「いごこちの科学」という連載記事を執筆していただいています。
最新号北海道版では「夏を涼しく暮らすコツを考えよう」と題しての
記事を掲載いたしました。この記事について前先生から
「ぜひ誌面だけでなく、一般公開して欲しい」という希望が寄せられました。
というのは、8月下旬開催のパッシブハウスアジア・カンファレンスで
アジアモンスーン圏の蒸暑の夏に対して、
ドイツ式パッシブハウス基準志向だけで立ち向かうのがいいのか、
もう少し違うアプローチがあるのではと、考えられたそうなのです。
このカンファレンスをわたしは残念ながら取材していませんが、
該当論議について、住宅技術評論家・南雄三氏メルマガで紹介されました。
<以下、氏のメルマガの一部要旨抜粋です。>
〜パネルトーキングでは前先生が「暑さを解消する方法は色々あって、
どんな環境にしなければいけないというものではないだろう」と
扇風機の風を上半身裸で受けている自身の写真を披露して会場を沸かせました。
(中略)きっと「絶対湿度を12以下に」だのと難しいレクチャーを聴きながら、
一面的になりがちな論評を牽制するべく、プレゼンを作り替えたのだと。〜
というように紹介されていました。そうした経緯に踏まえて
前先生としては蒸暑対応の考え方を当誌Replan原稿でまとめているので、
住宅環境技術世論に対しての「提起」として一般公開を希望された次第なのです。
本誌Replanとしては、一般販売している誌面掲載の記事なのですが、
著作権を有する先生からの強い申し出ですので、その意を汲んで
雑誌発売後、一定期間経過後ということで本日から
当社HPにて一般に無料公開させていただくこととしました。
蒸暑の夏をもつ日本の、そしてアジア圏全域の住宅性能進化について
この先生の提起は非常に重要とも考えるところです。
折から、パッシブハウスの基準についてアメリカ・PHIUSの動きなどもあるので、
そうした点からも論議を広めるのは大きな意味があると考える次第です。
アジアモンスーン圏の蒸暑気候は、たいへん多くの人口を抱える地域であり、
生活文化的にも日本とはきわめて高い近縁性を持っている。
住宅性能発展の面で域内先進国家として日本がイニシアチブを発揮可能。
伝統的木造構法を革新した高断熱高気密技術をベースにして、
エアコンという日本が誇るヒートポンプ技術を活かして
アジアの普遍的住環境性能を探究することは大きな意義を持つものと思います。
そういえば日本の国家戦略としても、こうしたポジショニングは意識されている。
世界の中でも四季変化がハッキリとしているニッポン。
冬期の寒冷では北欧北米の世界標準と差異のない北海道という地域も持ち、
さらに蒸暑の夏期ではアジアの広大な地域と近接するという、
日本の地理学的気候条件が、世界最先端の住宅環境技術を生み出すことを
期待したいと思います。ぜひみなさん、前真之先生の発表をご確認ください。
一般公開のページアドレスはこちらです。
http://replan.ne.jp/content/igokochi1/
Posted on 10月 19th, 2017 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング, 住宅性能・設備
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