



今回のきた住まいる南幌は、全国的にも大きな話題になっています。
7月には全国各地から建築関係者100名規模で大挙見学に来られるとか、
また新住協でも見学会が予定されているようです。
全国的なプロのみなさんからの住宅性能への関心の高まりを受けて、
各地で北海道のいまの住宅の状況について知りたいという欲求が高まっている。
ただ、イマドキの北海道はそういった本州地区の動向とはやや違いがある。
ドイツ式パッシブハウスの認証などへの無関心は北海道で顕著であり、
またZEHなどの国の施策についても、対応は全国最低レベル。
高断熱高気密などの技術要素はその拡散起動時点では
上記のようなことへの関心が高まるのでしょうが、
すでに初期からは世代的にも更新してきていて、住宅への関心レベルは
ユーザー的にも次のステージに移ってきているように感じます。
暖かさなどの基本性能では「ほぼ考えなくても良い」レベルが一般住宅で
実現してきていて、各企業としても競争優位要素にはなりにくい。
高断熱高気密住宅が常識の地域では、どういった発展要素があるのか、
テーマはそういうことになっていくし、その胎動が今回の南幌では顕著。
数値的な高断熱高気密だけではなく、いごこち、住みごこちの高性能化が
いろんなファクターを通して追究されていると思います。
そういった市場動向の中で「平屋」デザインで人気の設計者・小倉寬征さんと
よくペアリングしているキクザワさんのコラボ物件。
平屋というスタイルは、北海道のような土地にゆとりのある地域で、
なお少人数家族というケースではきわめて有用な設計手法だと思われます。
少子化という背景の中で、若い年代には平屋再評価が進んできている。
このコラボでは最近、千歳市内でコートハウス型の平屋物件があったのですが、
今回は、また違った直線的平面計画での取り組み。以下がコンセプト。
●オープン×クローズ「大きな屋根の小さな家」
南東角地にカーポートを備えた約100㎡の木造平屋。大きな屋根に
3つの小さな家的空間を配置し、屋内外を一体とさせることにより、
これからの田園ライフを提案。・・・というもの。
この家では玄関側から室内ではまっすぐに長い見通しが効いている。
平屋というと、平面計画はコンパクトというイメージが強いけれど、
いきなり「長い距離を歩く」室内空間を実現しています。
上下運動がなくフラットななかで動き回る仕掛けが込められている。
わたしも思わず吸い込まれるように一番奥まで行ってしまった。
こういう単純な間取り構成なのに、空間にふくらみが感じられる。
それは都合4箇所のウッドデッキスペースのせいだと気付きます。
さすがに南幌では敷地にもゆとりがあり、開放的な暮らしが実現できる。
オープンとクローズが融通無碍に行き来する暮らしようが見えてきます。
そういえば平屋って住む人はきわめてアクティブになれますね、
わたし自身、強く実感しているところでもあります。
いかにも北海道・南幌的ないごこち・住みごこちの提案だと思いました。
Posted on 6月 11th, 2018 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング | No Comments »




今回の有力地域工務店+建築家というペアリングのなかで、
いちばんピッタリとハマっていたのが、この武部建設+櫻井百子の組み合わせ。
武部さんは「簡素・無意匠」といった志向性の強いビルダーさん。
まぁ無意匠というのは比喩で、ゴテゴテしたり押しつけっぽいデザインではない、
というような意味合いの家づくりの特徴を感じます。
今回の住宅でも「芯材」とでもいえる柱には古材を使っていますが、
こういう古材へのこだわりのような志向性が一種の「雰囲気・空気感」を醸し出してくれる。
たぶん日本人的なもの、古民家のもつ民族的郷愁に通じる部分。
北海道の高断熱高気密住宅進化の中で、こうした武部さんの感覚は
ある「標準」に近しい傾向を生み出したように思われます。
「和」とか、わびさび、といった「きれい」に異常なこだわりを持つ感覚とは違う、
もっと日本のベーシックな庶民的「民家」生活文化の北海道的継承志向。
武部さんの本拠は空知・三笠と岩見沢市ですが、
この地域は日本各地からの移民のなかでも農業的先進地域からの移住が多かった。
囚人労働が集中投下されて基盤整備された農地であり、
明治政府としての地域農業振興への期待がもっとも高い地域だった。
わたしの母の実家はこの三笠なのですが、
農業先進地であった「美濃」地方からの移民であり、
明治初期から北海道農業開拓の最有力地域という特性を持っていた。
そうした農業熟成地域の日本住宅文化が北海道に根付いたとわたしには感じられる。
いわば、日本ベーシックといった住意識がみえるのです。
設計者の櫻井さんも、こういう大地に根付いた暮らしようへの
志向性を強く感じさせられます。
女性設計者ながら、作られる建物はけっこう武骨で、
なにより普段着の暮らしようへの温かい視線が感じられます。
今回の住宅でも、腕白なこどもの暮らし行動に添ったような動線配置を
説明されて、わたしも思わず共感させられた(笑)。
こういった作る志向性のペアリングの結果、
なんとも地域標準っぽい、北海道版「新・民家」とでもいえるような住宅になった。
間取り的にも、いわゆる玄関という様式的スタイルではなく、
日本古民家の土間空間のような場所から入っていくスタイル。
そこに仕切りとしてブロックの壁があって、室内側に据えられた薪ストーブからの
蓄熱的暖気が冷えたカラダを迎え入れてくれる。
ブロック壁から左右に動線を分けていて、右は薪ストーブと太陽の暖かさを受け入れる
大きな開口をもつリビング空間になる。一方左側は「ただいま」と言って
帰ってきた腕白坊主が、まずトイレに入り手を洗い服を脱ぎ換えて
その先で母さんの作ってくれた食べ物にまっすぐ向かっていくような、
にぎやかなニッポン人スタンダードな屈託のない暮らしがデザインされている。
リビング側大開口からは外のデッキにも回遊でき、
2階のテラスからは夕焼けの眺望が空いっぱいに感じられる外部空間もある。
・・・そんな「この場所らしい暮らし」が意図されている住宅。
いかにも「北海道らしい」というありようを感じた家でした。
Posted on 6月 10th, 2018 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング | No Comments »




今週はきた住まいる南幌探訪記シリーズ展開になっております。
わたし自身も北海道の住宅をこれだけまとめてみるのは久しぶり。
やはり日頃、北海道の人間として全国のみなさんと対話していて、
彼我の違いに気付く部分があり、改めて北海道の住宅を見て共感する部分が多い。
今回の住宅展示でとくに面白いなと思ったのは、設計者と施工者のタッグぶり。
設計者ばかりでなく施工者についても多くの住宅事例を見てきているので、
「AさんとB社か、さてどんな展開になることやら」とワクワクしたりする(笑)。
この住宅ではまさにド・パッシブという山本亜耕さんの設計に対して
キメの細かいディテールの女性社長・柳さんのアシスト企画さんタッグで
どんな住宅に仕上がるのかと、ドキドキしていました。
山本さんは太陽光取得制御に対して、北海道の設計者の中でも特徴的に
ドストライクな路線を走っている。パッシブと言えば太陽光だ、みたいな
真っ正直な路線でしょう。高緯度な北海道らしくどちらかといえば
取得優先みたいな潔さ。一目瞭然、太陽光に対してまことに正面から向き合っていて、
この家の家族とお日様との「対話」がこの家の基本テーマであることは明瞭。
そして一方で太陽光の制御についてはちょうど京都町家のような格子が
いくつかのグラデーションを持ってデザイン構成されている。
この両者のバランスについて、立地条件を踏まえ計画されたことが明らか。
残念ながら山本さんに話を聞くことはできなかったので、
日射取得面である建物正面の反射板を構成する面の角度とか、方向、
さらに制御側での軒の出と反射板面とのバランスをどう取ったのか。
縦方向でいくつかの制御段階に分けられている格子ルーバーの寸法意図など
詳しく伺うことは出来なかったのですが、意図はきわめて明確ですね。
太陽光の取得と制御という基本に沿ったデザインだと思います。
さらにディテールでは素材についてその魅力を十分に引き出す丹念さが随所にあります。
決して値の張る素材ではなく一般的な合板などの使用ですが、
その層をなしている小口側を建具などの各所で上手に見せて
統一感のある仕上げ。また、造作建具の面材に床フロア素材を利用したり、
全体としてインテリア空間の質の高さ、ていねいさが強く感じられました。
格子のルーバーデザインから、このディテールの仕上げまで
デザインの一貫性を強く感じさせられておりました。
ヒアリングしていないので想像ですが、この設計と施工のペアリングが
生み出した素晴らしい雰囲気ではないかなと感じさせられたのです。
わたし的にはこの組み合わせ、ありだなと思わされた次第。
作り手側からの「コンセプト」は以下。
●新 北方型住宅2018「南幌まちなかの家」
南幌の四季の眺望や夕陽を取り入れた眺めの良い2階をLDKとし、
1階は家庭菜園など南幌の自然、土と触れ合う楽しみを味わうための
仕掛けを備えた住まい
施工/(株)アシスト企画 設計/山本亜耕建築設計事務所
Posted on 6月 9th, 2018 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング | No Comments »




北海道ではいわゆる建築家の住宅性能への関心度、
そういった技術への理解、咀嚼度が他地域とは格段の違いがある。
アルミサッシ全盛の時代に、開口部の性能向上とデザイン性向上のため
いちはやく「木製3重ガラス入り」を積極的に採用したのが、建築家たちだった。
自らのデザインに大きな飛躍力を持たせるために、
むしろ住宅性能に対して先導的に対応してきたと言えます。
わたしが雑誌を創刊し「いい家」をふつうに考えたとき、こうした動きは
きわめてわかりやすい流れだと思ったものでした。
そう考えたとき、比較的に「バリア」があった工務店と建築家の垣根を
意識的に取り外していきたいとも考えた次第です。
誌面では積極的にそうした動きを掲載し、読者ユーザーに「垣根」感を
払拭させるように意図的に仕掛けていたともいえます。
建築家という存在を一般化して工務店もデザイン力を向上させていった。
きのうご紹介した山之内裕一さんは60代の設計者。
それに対して若い世代のユニークな設計者たちもどんどん育ってきている。
いろいろな感受性がのびのびと表現を切り開いていくことは素晴らしい。
こちらの住宅設計の大杉崇さんはいまや北海道でも中軸的な建築家。
昨年の建築作品発表会でも、いい作品を発表されていた。
わたしもこのブログでも何度か、住宅をご紹介しています。
施工のアクト工房・松澤さんとは今回のコラボが初めてだったようですが、
作られる住宅には両者にある通底する部分があると思っています。
ただし、今回のプロジェクトでは相当に激論を交わしながら
作ってきたというような情報を受けておりました(笑)。
そういう意味でも見学が楽しみだった住宅です。コンセプトは、
●都会の脇でお洒落に暮らすGlamping-House 「Inside-Out」
新省エネ基準に向けた超高性能コンパクトハウス。全天候型の
半屋外ガレージテラスを中心として、リビングに居ながら
グランピング気分を味わえる斬新な提案〜というもの。
北海道の住宅というと、窓が小さくてひたすら防御的なイメージというのを
本州地域のひとから言われることがありますが、
むしろ北海道人はもっとも自然環境が豊かな風土の中で、
冬の寒さについては、ダウンジャケットなどで衣類についてもほぼ克服した。
そして住宅についても住宅性能を向上させて家の中は全国一暖かい。
基本的に雪質もドライなので、冬の暮らし方も重く堪え忍ぶ感覚は少ない。
また、夏場の自然の豊かさは語る必要もないほどなので、
自然環境に対して基本的には能動的な生活態度があると思います。
この住宅ではそういったイマドキの北海道暮らしのありようが伝わってくる。
「おお、きょうはすごいブリザードだな。すげーきれいだわ」みたいな
家の中の気候環境が四季を通して安定することで、
外の自然に対してアクティブな感覚を持つことが可能になっていると思います。
キビシイ冬の気候も含めてそれを楽しむライフスタイル。
むしろこういったライフスタイル提案の中身の方が
イマドキの北海道では住宅づくりの最大関心事になって来ている。
喜ばしい「当たり前化」だと思われます。
本州地域での住宅性能向上への関心の高まりは大変喜ばしいことですが、
いま北海道は住宅性能の向上の先で、こういったライフスタイルへの
興味関心が強くなってきているのではないかと思っています。
内部環境の高性能住宅が実現することで、自ずと住み手の関心は
より楽しい生き方の方向に向かって、開放されていくのではないでしょうか?
Posted on 6月 8th, 2018 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング | No Comments »



きのうは当社スタッフによる南幌モデル住宅群の写真撮影。
それにあわせて、住宅取材についての学習会、現地ゼミ的にスタッフと見学。
住宅雑誌というのは住宅の写真を押さえるのが仕事ですが、
「どう撮るか」がいちばんポイントになってくる。
写真はただ撮るだけでもつたわるモノはあるけれど、
やはり正確に「ある企画性」のようなものを画面に仕込んでいく必要がある。
もちろん被写体の持っている力のようなもの、
その美しさというようなものを感受して引き出すのは大前提。
っていうような写真撮影に当たって考えることについて、
若いスタッフといっしょに語り合っていました。
このブログでも既報ですが、
南幌のこのモデル住宅群は、北海道建設部建築指導課が企画展開する
「きた住まいる」事業をわかりやすく一般に伝える趣旨。
展示主体になった地域工務店+地元建築家はほぼわたしどもの誌面でも
常連的なみなさんたちばかりの顔ぶれ。
高断熱高気密を技術的な基本セオリーとしてベースに据えて
その建てられる場所での暮らしの豊かさを徹底追究する、
いわばオーソドックスなイマドキ北海道の家づくりを素で表現している。
昨日一気に全部見学して来たのですが、
徐々にこの欄でご紹介したいと思います。
まずはわたし的にもっとも興味を持っていた「ブロック外断熱」の住宅です。
施工は晃和住宅さんで、設計は山之内裕一氏。
きのうは山之内さんが現場でご案内いただきました。
わたしもブロック外断熱の家に住んでおり、山之内さんとは、
「ブロック住宅ルネッサンス」という思いを共有する同志であります。
域内火山がときとしてカルデラ級噴火を繰り返した北海道に豊富に存在する
火山灰をコンクリート成形したブロックはそれ自体で歴史を体現する素材。
その素材がアメリカ合理主義精神で発案されたもの(鎌田紀彦先生談)。
地域の先史素材にアメリカ的合理主義というのは、いかにも北海道を象徴する。
今回の南幌プロジェクトでも、このブロック住宅が参加したことで、
いかにも北海道らしい住宅展示になったと思います。
ほかの木造住宅に比べて、素材感を訴求されるので印象は「簡素」。
素材が正直に積み上げられている表情がそのままで情感がある。
ブロックはコンクリートとも違って1箇1箇がざらつきのある質感を持っているので
光を受けての反射が意識下でのグラデーションをもたらしてくれる。
そして、固いスポンジのような素材なので、温湿度を蓄える性能を持つ。
これが長期にわたっての「室内温熱環境」を保証する。
さらに、山之内さんはこの建物で高窓ラインでリズミカルな破調をデザインした。
屋根面の交差に微妙な軸線を加えて生み出されたこの高窓で
太陽光とブロック構造との対話を仕掛けているといえる。
日中の太陽角度、その変化につれて室内に微妙な採光コントラスト、
グラデーションが生み出されています。
ブロックは四角い面を見せている存在なので、規格的形状が
まるで障子の格子にも似ていて、その上をいったんバウンドさせた光が
さまざまに表情を見せてくれる様子というのは、
室内での暮らしのバックグランドとして、日本人文化的だと思います。
このプロジェクト参加のメンバーでも最高齢かも知れない
山之内さんですが、若い見学メンバーからも、
建築的若さ、ダイナミックさを感じたという声が聞かれました(笑)。
ブロック住宅ルネッサンス、若いみなさんにぜひ届いて欲しいと願っています。
Posted on 6月 7th, 2018 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング, 住宅取材&ウラ話 | No Comments »



先般取材した近畿大学・岩前篤先生の講演からの情報です。
岩前先生は健康と住宅といった視点から研究を進められていて
建築と医学の接点のような情報について、いつもさまざまな知見を伺えます。
今回の講演でもさまざまなエビデンスの発表があったのですが、
そのなかでも表題のテーマについて強く興味を持ちました。
「緑に囲まれて暮らす女性は長生き」
アメリカ・ハーバード大学公衆衛生校などの研究チームが全米108,000人を対象に
自宅周辺の緑の多寡と死亡率との因果関係を調査した結果、
こうした結果が得られた、としている。
これまで経験的に緑・植生が豊かな環境ほど
「いごこち」はいいという経験則は自然にあると思われたけれど、
このような実証というのは、思わず目を開かされた思いがしました。
健康というポイントではこれまで住環境というものは
エビデンスのないもの、あるいは科学的ではないものと
医学の側からは見られてきたと思われます。
人間の健康というよりも、病気に対してそれを「治療する」のが科学的立場。
その立場からは健康というものはあいまいな概念とされてきた。
そういった領域にさまざまな科学的なメスが入れられてきているのですね。
先生の発表では、人の死亡にかかわる原因として
自然的要因(気象や災害など)、遺伝的要因、医療的要因、生活習慣要因が
挙げられていましたが、そのうち関与比率は
「生活習慣」要因がもっとも大きく、全体の43%を占めるとされていました。
生活習慣とは食生活ももちろんだけれど、より大きくは
住宅の環境がどうであるか、ということの比率もきわめて大きいことは自明。
緑が豊かな環境、という科学の仕分けが難しいとされてきた
環境要因もこういうエビデンスの積み重ねが可能になってきたのだと。
従来、住宅室内の「温熱環境」には明瞭な因果関係が指摘されてきたけれど、
より幅広い「住環境」領域が、人間の健やかさに大きく与っていることが、
かなり明らかになってきたと言えるのでしょうね。
こういった知見の探究は、より有用な住宅環境への指針、
大きな道しるべになる可能性が高いと思います。
人間が健やかに生きるために、住環境「技術」は大きく貢献することが出来る。
そうだとすれば、科学的知見とセットで住環境改善の大きな動機になり得る。
この部分、今後とも大いに注目していきたいと思っています。
Posted on 6月 6th, 2018 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング | No Comments »



「スタッフのみなさんに蕎麦を手打ちしてふるまいたい」
という申し出を今回工事の施工をお願いしたヨシケン・吉田専務からいただいた。
で、スタッフの仕事が雑誌の下版終了・一段落したタイミングを見計らって、
きのう挙行していただきました。
ヨシケンさんには、この建物は都合3回の大きな工事をお願いしている。
わが家の子どもたちの成長も同時進行で見守っていただいた。
そんな思いも込められたありがたいお申し出。
ヨシケン・吉田専務さんにこの場で感謝申し上げます。
ヨシケンさんとアース21で仲のいい武部建設専務ふたりで、
蕎麦打ち同好会のような会を持たれていて、
わたしも数回参加させていただいております。
なんと武部さんは自分の「蕎麦畑」まで持っていて、粉挽きも
石臼のある製粉所で頼んでいるという本格派。
今回ヨシケンさんが打っていただいたそば粉も、本格的製粉所で
挽いていただいたものだそうです。みんな趣味がどんどん昂じている(笑)。
今回は参加人数が20人ほどという大人数になってしまって、
たいへん恐縮でしたが、そばも満腹になるほど打っていただき、
さらにサイドメニューでも、正調・八戸の「サバ缶」をご持参いただいた。
なんでも札幌の「生協」さんで売っているのだそうで、売り切れになる人気とか。
噂を聞いてわたしも先日の八戸出張で「八食センター」に買いに行ったけれど、
なんと水曜定休日にぶつかる不運(泣)。
ということで、今回初めて試食させていただきましたが、ホントおいしかった。
さてメインのそばは、さすがの食感であります。
はじめにあたたかい鶏肉とネギの汁で食べさせていただき、
シメには冷たい盛りそばで食べさせてもらいました。
こたえられないのど越し、そしてつゆのさわやかなおいしさ。
口に運ぶたびに口中に蕎麦本来の玄妙さとやや甘味を帯びた食味が広がる。
その歯ごたえもたのしくて、ついお酒が進んでしまう(笑)。
ちょうど歯にそばの食感が残って、それをお酒でスッキリさせたくなる。
たいへん危険な食感ですね(笑)。
この反復運動が止まらせにくいのです、激ヤバ!
まぁおかげさまで年甲斐もなく、お酒でノックアウトされてしまった(笑)。
サイドメニューも盛りだくさんに、わたしとカミさんで用意しました。
メインはそばに合わせて「サバの南蛮漬け」〜下の写真ですが、
さっぱりサバが隠れるほどにタマネギ主体の野菜群が覆っております。
この野菜群の下に、黄金色に揚げたサバ切り身が表れます。
こちらは札幌中央市場に行ってサバ切り身40枚を仕入れてきた次第。
さすがに使ったのは今回15枚くらいでした。
これでたぶん25人前くらいにはなるのですね。
蕎麦には似合うだろうと、おいなりさんも40コほど用意。
こっちはカミさんとわたしの合作共演であります。
途中穴があいたヤツは「つまみ食い」するのですが、
案外つまみ食いは出来なかった(泣)。
ということで、日中32度の真夏日の札幌、
たのしい初夏のイベントを無事終えることが出来ました。
さてきょうからまた、養った英気でバリバリ頑張りたいと思います。
Posted on 6月 5th, 2018 by 三木 奎吾
Filed under: おとこの料理&食 | No Comments »



一昨日の土曜日は、市の下水道局から発注された
わが家敷地内下水枡周辺地盤面の沈下修復工事が行われました。
2枚め写真のような地盤面の沈降がみられていた。
写真の下水枡にはわが家側からの下水管が引き込まれ、そこから市道側にある
公共下水管へのパイプが接合部分で破断していて、
その結果、接合部分から漏水し、長期にわたって地盤を沈降させたのです。
ということで、札幌市下水道局に連絡して市の下水道修復工事として、
わが家敷地に敷設されている下水枡の交換、管の復旧の公共工事。
なお、わが家敷地駐車場部分と隣接する歩道部分は
市の許可を受けてロードヒーティングも敷設してあるので、
その一時撤去〜工事〜復元作業についてもあわせて施工された。
まぁ知識としては社会システムはわかっているのですが、
その運用実態についての知見はなかった。
目の前でこういう実況を見ながら「取材」できるというのも得がたい経験。
たまたまこういう地盤沈下が起こったことで現代の住宅生活の機能性を
下支えしている公共的メカニズムについて端的に知ることが出来た。
事前に打合せが10日ほど前にあって、詳細調査と工事内容の確認が行われ、
工事作業当日の周辺道路の「通行制限」処置などの概要も承った。
工事数日前にはわが家にも工事と、それにともなう通行制限についても
チラシが配布されていました。
で、土曜日2日、朝からものものしい工事車両の数々の集中。
わが家駐車場からは2台のクルマを、契約してあるほかの駐車場に移動。
市道部分の該当箇所路盤面の掘削、掘り返し。
わが家敷地のロードヒーティング路盤面撤去、温水パイピングの処理の検討。
(これは、切断せずに一時移動などで対応可能となりました)
わが家路盤面のロードヒーティング金物メッシュの撤去〜掘削工事。
わが家敷地の公設下水枡連結のわが家側からの下水パイプの切断。
(これで約1時間ほどトイレ使用できず)
下水枡の撤去、基底部の石版プレート敷き込み〜新設下水枡の設置据え付け。
この間、市道側地中で公共下水本管との連結部分の撤去〜新設、
さらにわが家敷地内公共枡との連結作業も同時並行進行。
下水枡とわが家側、本管側パイプの連結、漏水などのチェック作業。
確認後、工事部分の埋め戻し作業。一定量の土砂落とし込み後、
機械での「天圧・ならし」で地中地盤の整地作業。その繰り返し。
そしてシートを敷き込んだ上でその上に
ロードヒーティングパイプ保守用のメッシュ再生敷き込み。
砂を上に敷き込んだ後、表面材の煉瓦を修復敷き込み。
一部、地盤沈下部分については、煉瓦が変形を受けたりしているので、
新規の煉瓦に交換の上、敷き込み。
新設のわが家敷地内公共枡周辺の煉瓦の切り込み作業。
そして仕上げに砂を撒いて、煉瓦の空隙部にきれいに埋め込みしていました。
わたしは午後イチから伊達まで出掛けたので、カミさんと娘が工事記録も撮影。
大量の「取材写真」ストックがありますが、
必要に応じて、整理整頓して保管しておきたいと思います。
公共工事をじっくりウォッチするというのは初めての経験でしたが、
さすがに工程にムダがないし、進行段取りは理に適っている。
とくに通常の民間工事をそれこそ毎日見続けている身として、
近代国家が実現した「公共事業」というものの社会システム的ありようを
いろいろに考えさせられた次第です。
工事関係のみなさん、終了時には居られなかったので、このブログ記録で
感謝の意を表したいと思います。ご苦労様でした。
Posted on 6月 4th, 2018 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング, 住宅取材&ウラ話 | No Comments »


きのう2日土曜日は4つの用件が重なった超特異ブッキング日。
いろいろなことが気がかりでしたが、
伊達までクルマを飛ばして表題の「須藤建設創業100周年パーティ」に参加。
先日も青森県むつ市で宮大工から創業の菊池組さんを訪問しましたが、
この須藤さんも似た経歴を持っている。
2枚目写真のように、はじめは社寺建設の仕事を請け負って創業された。
大正7年と10年に北海道豊浦町の人口集積、開発がある程度進捗して
民族的精神中核施設として神社・仏閣が造営された。
ちなみにこの大正7年当時の日本人口は5,633万人で、
当時の北海道の人口は大正9年で236万人というデータがあった。
まぁ北海道人口はおおむね現在の半数、4割強程度で日本もほぼ同様。
その事業遂行を「地域に根付いて」活動する大工棟梁が請け負うべく
全国の大工ネットワークの互選で社会的に選択され地域にいわば派遣される。
想像に難くないけれど、この2つの施設建設について
その地域から大工ネットワークに対して打診があって、その応答として
山形で宮大工修行した須藤さんの初代・幸次郎さんがやってきた。
このことは地方における工務店という存在がどのようなものであるか、
ひとつの典型例を見る思いがします。
日本の国土開発、人口の増大にあわせて「地方」が形成され社寺建設が行われ、
それにあわせて人材が供給されるシステムが機能していたのでしょう。
歴史はダウンサイズしながらある輪廻をたどっていくものでしょうが、
聖徳太子の発願による四天王寺の建設と、それに際しての
朝鮮半島からの大工技術者の派遣、日本最古の建設会社・金剛組のような
そういった社会システムが働いていくのだろうと思えます。
この北海道豊浦町でのケースは、ダウンサイズしているけれど、
社会システムの発動としては、非常に近似した事象のように思えます。
それにしても、そこから100年継続してくるというのは、
まことに風雪、歳月を感じさせてくれます。
豊浦町から本拠地を伊達市に移転させ、さらに住宅事業部を作り、
そこから高断熱高気密住宅運動を創始した鎌田紀彦先生の実験住宅を手掛け、
事業の基盤を固めて行っている。
さらに冬期の安定的な建築需要獲得のために千葉県に支店を開設する。
一方で北海道内でも札幌に支店を開設し、
さらに旺盛なニセコ地区での海外需要に対応した「ニセコ支店」を
この6月にオープンさせるということ。
須藤芳己相談役からビデオで「それぞれの時代の人間がみな創業だと思うこと」
という言葉がありましたが、まことに至言だと思いました。
北海道ではまことに希少な100年企業が今後どのように発展していくか、
注目していきたいと思っております。
Posted on 6月 3rd, 2018 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング | No Comments »

全国の地域自治体の中で、北海道はきわめて特異に
「地域の家づくり」について緊密な関与を継続してきました。
明治の開拓期から、いまの「北海道庁」のルーツと言える「開拓使」が
この日本民族家屋文化にとってきわめて過酷な寒冷気候条件のなかで
いかに安定的な「室内環境」を構築できて、
その結果として多くの移民を実現できるかを必死に模索してきた。
明治国家にとってまさに近代国家への飛躍をかけた民族的チャレンジだった。
その歴史的な経緯はいまに至って、日本でもっとも「住宅性能」についての知見と
そこに至る試行錯誤が折り重なった,独自の住宅文化を積層させている。
そんな150年からの「余熱」はいまに至っても確実に存在している。
現在、北海道では主要な住宅施策として「きた住まいる」事業を展開。
高断熱高気密の家づくりに真摯に取り組んできた地域工務店、
建築家グループなどを「きた住まいるメンバー」として登録推奨しています。
その北国型住宅のありようを一般のみなさんに広く知らせたいということで、
具体的な住宅建築、モデル住宅群を札幌近郊・南幌町に建設しました。
地域としての北海道が考える「いい家」を表現する試みです。以下、ご案内。
〜北海道がおススメする住宅事業者「きた住まいるメンバー」が提案する
住宅展示場「みどり野きた住まいるヴィレッジ」が、南幌町にオープン!
モデル住宅をオープンしている住宅と地域工務店+建築家は以下の通り。
●新 北方型住宅2018「南幌まちなかの家」
南幌の四季の眺望や夕陽を取り入れた眺めの良い2階をLDKとし、
1階は家庭菜園など南幌の自然、土と触れ合う楽しみを味わうための
仕掛けを備えた住まい
施工/(株)アシスト企画 設計/山本亜耕建築設計事務所
●ゆっくり、ていねいな暮らしを「カスタマイズできる家」
緑地に向けた大開口と天井の高窓で四季と光の変化を演出。
使い勝手の良い将来拡充可能な半屋外空間とカーポートを備え、
生活の変化に柔軟に対応する住まい
施工/晃和住宅(株) 設計/山之内建築研究所
●「てまひまくらし」
夕陽を望むテラスを備え、時間をかけて木の家の良さを体感できるよう
職人の手仕事の技を惜しまない家。南幌の気候を生かした工夫と、
ひと手間をかける楽しさを提案
施工/武部建設(株) 設計/アトリエmomo
●オープン×クローズ「大きな屋根の小さな家」
南東角地にカーポートを備えた約100㎡の木造平屋。大きな屋根に
3つの小さな家的空間を配置し、屋内外を一体とさせることにより、
これからの田園ライフを提案
施工/(株)キクザワ 設計/(株)エスエーデザインオフィス
●都会の脇でお洒落に暮らすGlamping-House 「Inside-Out」
新省エネ基準に向けた超高性能コンパクトハウス。全天候型の
半屋外ガレージテラスを中心として、リビングに居ながら
グランピング気分を味わえる斬新な提案
施工/(株)アクト工房 設計/(株)ATELIER O2
なお、詳細はこちらへ。
全国の住宅関係者からも大きな関心が寄せられていますが、
なんといっても北海道民のみなさんの豊かなくらしのために作った住宅群。
札幌という200万都市圏と近接して豊かな自然と共生するくらし。
そういったすばらしい暮らし環境提案を一度、体感されてはいかがでしょうか?
Posted on 6月 2nd, 2018 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング | No Comments »