本文へジャンプ

アプローチのデザイン

7240.jpg
写真は青森市での住宅のようす。
久しぶりに、「アプローチ」らしい演出に出会った家でした。
玄関に至る半屋外的な、半内部的な、そのどちらでもなくて、
建物内部を予感させるような空間なのか、
建物から出てきて、振り返る余韻のような空間なのか、
あいまいな、空間ですね。
この家では、天井にきれいな羽目板をあしらっていて、
そこに雰囲気のある外部照明シェードも付けられています。
建物は3段ほどの段差があって、
その階段なども、印象的。
なにより、雪国であって、屋根が掛かった外部空間という意味で、
使う人間に、あるいは空間を利用する人間に、
「ここ、どんな風に使おうかな」と想像を膨らませてくれる気がします。
機能的に考えると、冬場は右側は雪が堆積していて、
奥に確保されている道路までの通路を除雪する出撃基地。
なので、雪かきの道具などが立てかけられて、
「さぁ、やるか」みたいな気持ちを起こさせてくれる場所。
そうアクティブでないときは、
雪かきの必要ない、安心感に満たされる場所。
冬場でも戸外で作業が必要なときに便利に使える場所。
もっと積極的には、たくさんの雪が道路側からの視線を遮ってくれているので、
日射しがいい日などには、椅子でも持ってきて
リラックスするのも、ちょっと寒くてもいいかもしれません。
夏になれば、右手側は美しく彩られた庭なので、
庭を眺めながら、気持ちのいい戸外の空気を胸一杯に楽しめる空間。
左側の居間の窓を開ければ、室内との交流もできる。
体は外の空気の中にいるけれど、
床壁天井が建築材料によって構成されているので、
何となく安心感が大きい、というような空間になりますね。
こういう場所に対する感覚で、
やっぱり雪国の人間って、同心するような部分が感じられます。
こういう空間の持つ豊かさって、南の方の人とは感じ方が違う。
もちろん、美しく整備された庭があるっていう条件が大きいわけですが、
こういうあいまいな中間領域、
大いにデザインし、工夫していきたいスペースだと思っています。

東京のイベントに出展します

7239.jpg
全国発売した「エコ住宅Q1.0」がけっこうな反響を呼んだこともあり、
高断熱高気密住宅についての情報って、
むしろ温暖地の地域ほど、求められている感じを強くしています。
そういう思いを持っていたところにひょんなことから
トントン拍子に話が進んで、
写真のように開催されるゴールデンウィーク直前の東京ビッグサイトでの
首都圏地域の注文住宅のイベントに出展することになりました。
このスタイルハウジングEXPOっていうのは、
どちらかといえば、住宅デザイン・注文住宅についてのイベントと言うことですが、
多くの首都圏で発行されている住宅雑誌なども出展しているもの。
どちらかといえば、デザイン重視の家づくり向けのようです。
なのですが、首都圏地域のユーザー動向、住宅メーカー動向など
いろいろ取材したり、情報収集もできそうだと思っています。
でもまぁ、一方では当社が発行している寒冷地向けの住宅性能とデザイン、
っていうようなコンセプトに対して、一般の首都圏住宅ユーザーが
どんな反応を示していただけるのか、興味もあります。
北海道の住宅って、まずは暖かくなければスタートラインに立てない。
性能がまずは大前提であって、そのうえで初めてデザインを考える住宅づくり。
デザインだけで「大きな単板ガラス窓の透明感がどうのこうの」
っていうような家づくりは存在しない。
建築手法でのある部分が、大前提として否定しなければならない。
そういうところから家づくりの発想がスタートするわけですね。
まぁ、そういう意味で、こちらも興味津々というところ。
今年がReplanも20周年なので、
いろいろ活動の枠を広げてみようという試みの一環ですね。
4月25・26・27日の3日間ですので、首都圏地域で家づくりをお考えのみなさん、
ぜひ、ご来場ください。
当社スタッフが、手持ちぶさたにしているか(笑)、
それともそこそこ順調に雑誌販売しているか、覗いてみていただけるだけで
結構ですので、どうぞよろしくお願いいたします。

20周年記念リニューアル号

7238.jpg
ちょっとタイミングがずれてしまいましたが、
わたしどもの発行するリプラン誌が、20周年を迎えることができました。
この3月28日発売号で、なんとか発行することができた次第。
で、これを機会に誌名もカタカナから、英文に変更、Replanといたしました。
これまでもホームページではreplanというネームだったので、
自分たち的にはまぁ、スムーズに変えてみようとなったわけ。
住宅雑誌ですので、購入される方たちは基本的には移り変わっていくもの。
そういう意味では、読者のみなさんの年齢構成を考えて、
リフレッシュは行い続けていかなければならない宿命だと思っています。
ただ、そうした雑誌の中ではけっこう定期購読率が高い雑誌だとは思っています。
取材に行ってみても、読者のみなさんは平均で少なくとも
3年分くらいはバックナンバーを持っていただいているケースが多い。
それと、ずいぶんみなさん読み込んでいただいていて、
すごく工夫しているなぁ、という点を聞いたら、
「あれ、それはリプランを見て、取り入れたんですよ(笑)」
とかと、言われることがしょっちゅうあります(冷や汗)。
手作り感のある、地域性を大切に取り組んできたことが
このように言っていただけることにつながっていると考えています。
お仕着せにならないような、控えめなスタンスで、
でもちょっと気になるポリシーも感じられるような、
そんな思いでこれからも出版していけたらいいなと念願しています。
今回から、流通も全国流通の大手取次経由に変更になりました。
東北版は一足先に昨年秋から変更したのですが、
いよいよ、北海道の本体版も今回からそうなりました。
東京の大手書店などにも一部、販売していますが、
基本的には北海道内限定の地域住宅雑誌。
しかし、全国的な住宅雑誌が厳しい中で、このジャンルを守っていきたいという
大手取次の方たちの思いというのも、感じられた今回の変更。
単純に考えれば、締め切りの時間的余裕が厳しくなると言うマイナスも多くて、
ちょっとためらわれる部分もあったのですが、
その分、北海道という寒冷地住宅が培ってきた住宅技術面・デザイン面を
より大きなマーケットのみなさんに訴求するチャンスも広がります。
従来では考えられなかった臨時増刊の全国発売、
というようなチャンスが生み出されてきています。
これからの北海道の住宅マーケットと言うことを考えれば、
その性能技術を、より大きいマーケットに広げていくというのも
大変重要な取り組みになっていくと考えられます。
というような状況のなかでの、今回の記念号の出版でした。
特集はズバリ、「いい家って、なんだ」。
表紙にはこどもさんたちの「夢の家の絵」を持ってきてみました。
家を建てるって、未来に希望を持っていくと言うことと同じ部分があります。
こどもさんたちの素朴な表現から、
そんな思いが家づくりへの願いとして感じていただけたら、と思います。
ぜひ、お読みいただけたら幸いです。
全道有名書店・コンビニで発売中、480円でがんばっています(笑)。
どうぞよろしく。
あ、全国のみなさん向けにHPでも通販しておりますので、よ・ろ・し・く(笑)。
http://web.replan.ne.jp/hokkaido/bookcart/index.php

秋田湯沢・両関酒造

7235.jpg
写真は秋田県湯沢市の中心部にある蔵元「両関」。
大型の木造建築として、地域を代表するような景観になっている建物。
実際に建っている姿を見ると、その巨大さに圧倒されます。
日本の文化の中で、日本酒の製造業というのは
もっとも始原的な製造業「商品」であって、
だいたい良いお米が取れるか、良いお水が取れるか、
場合によってはその両方が取れるか、というような条件が揃えば、
それこそ日本中、どこでも競って生産されたものだろうと思います。
「地酒」として地域のみなさんに愛されて、
同時に地域を代表する製造業として、産業勃興期には
みんな産地間競争として、企業の大型化を推進した。
しかし、残念ながら、日本酒での「全国制覇」という果実は
どの企業も勝ち取ることが難しく、
また大型化の過程で、そもそも「地域密着」型企業である
「地酒」屋さんという側面がどんどん薄らぎ、
どこの誰が作ったモノか、ワケわかんないお酒になってしまって、
企業価値を大きく落としてしまった、というのが実際のところだったと言えます。
この写真に見られるような大型木造建築って、
たぶん、そうした時期の、
いわば「成長への切迫した願い」が表現されているものなのでしょうか。
建物としてみたら、柱や梁が正しく組み上げられて行っていて、
斜めの構造材というようなものは表に出てこない。
こういうふうな構造架構は、日本人の伝統的な美意識に由来しているそうです。
筋交いのような、あるいは火打ちのような斜めの部材は
なるべく表面には見せないように組み上げるのが
由緒正しい技術としての美意識だということなんですね。
たしかに、内装部材としての「障子」などの
タテ横のまっすぐなラインだけで構成された格子のデザインなど、
日本人は、このような美への感覚がDNA的に刷り込まれている部分があると思います。
この建物はいまも使われているかどうか、
よく調べてはいないのですが、
周囲の街並みの中で、まさにこの地域らしい景観のシンボルにはなっている。
これからもこれを延命させていこうと考えたら、
やはり観光資源としての側面の方が、有用だろうと思います。
秋田県南部地域の米と酒、というような文化の側面を
その存在だけで、実に雄弁に物語ってくれている。
長く存続していって欲しいものだと思いました。

学童保育

7236.jpg
わが家は夫婦とも仕事をしています。
そういうように決めて生きてきましたので、必然的に
こどもの養育については保育所に預かってもらってきました。
ご存知のように保育園は法律的には
「保育に欠ける」児童への「福祉」として行われています。
その点、幼稚園は「児童教育」の一環であり、全然別物なんですね。
一方は文部科学省の管轄であり、もう一方は厚生労働省の管轄という違いがある。
福祉という以上、国の政策としては色々な制約があり、
小学校に入学すると、基本的にはその対象から外れる。
しかし、一方で先進国はどこでもそうだと思うのですが、
労働力の不足から女性の社会参加が必然の流れ。
女性も一生涯を貫くような仕事を持つのが当然の流れになってきている。
そのときに、こどもの養育についていつまでも
「保育に欠ける」という認識で対処しようというのは社会的におかしい。
こどもの世界では、昔とは違って、ガキ大将によって統括されていた
「遊びを中心としたこども社会」というものが、ほぼ社会的になくなっている。
したがって、下校後のこどもたちがお互いに「育ち合う」ような環境がない。
各地域には「児童会館」という「場所」はあるけれど、
あれは「こどもを管理している」というだけの存在。
教育でもなければ、人格涵養のための存在でもありえない。
実際にわが家でも、小学校1年生の一時期、行かせたりはしたのですが、
ちょっと絶望的な環境だったのです。
そんな思いを同じくする保育園時代の親たちで
その地域に立派な児童会館が存在する地域で、学童保育を立ち上げました。
ウチの坊主は地域も違ったのですが、そこの立ち上げのために
遠距離ながら通わせていました。
まぁ、遠いので土曜日や夏冬の休みのときなどが中心でしたけれど。
初めて取り組むというのは、社会的にも摩擦があり、
資金的にも行き詰まったりもします。また、ひとがすることなので
やはり行き違いとか、考えの相違なども表面化します。
事業を始める、というのとまったく同等の苦労がともなうものです。
そういういろいろ万感の思いを注いでみんなでやってきた
学童保育だったのですが、きのう、めでたくわが子を含めた
第1期生4人が「卒所」式を迎えることができました。
はじめるとき、「10人以上」という要件が求められ、
人集めに苦労したことがついこの間のことなのですが、
いまでは、50人を超えるような大人数にふくれあがり、
逆に母体になったと言える保育園からも憧憬されるような存在になってくれました。
そんな現状を反映して、きのうの式は立派なホテル並みの会場での盛大なもの。
しかも、創設時からの指導員のひとりが沖縄出身ということもあって
みんなで取り組んでいる「エイサー」で名高くなっていて、
そのエイサーでにぎやかに卒所を祝う楽しいものになりました。
こうした環境の中で、わが子ものびのびとした空気を満喫していたようです。
まぁ、ちょっと満喫しすぎな面はあるようですが(笑)・・・。
ちょっぴり寂しくて、でもはじけるように楽しくて、
こどもたちの笑い声・笑顔が底抜けにうれしかった一日でした。
これからも、次のこどもたちが主役になって
明るい学童保育を続けて欲しいと思います。長い間、ありがとうございました。

融雪溝

7233.jpg
写真は今年度東北住宅大賞受賞の家。
秋田県湯沢市近郊に建つ古民家改修事例です。
周辺は秋田県でも有数の豪雪地帯。
毎年、建物が雪で長く覆われてしまう冬が暮らしを襲います。
ことしは小雪でしたが、とはいえ、周囲には雪に覆われた住宅も多かったとか。
そんななかで、この家では大きな傾斜屋根の落ちてくる
建物両端に、ごらんのような「融雪溝」を工夫してありました。
周辺では、屋根はどこの家でも雪を落としやすい切妻を採用。
道路に面した側は、雪を落とさないワケですが、
このように大屋根が降りてくる側は
どんどこと雪が屋根から供給されてきます。
それに対して、この地下水をくみ上げた融雪溝で雪を受け止め、
順次、融かしていくのですね。
手前側には下水への排水が工夫されていますので、
常時、少しずつ雪を梳かしていくようになっています。
話では聞いていましたが、同じ雪国人として、
大変親近感を感じるような光景です。
雪はもちろん氷点下の温度ですが、地下水はその土地の
年平均気温程度で安定している。
秋田だと、たぶん、10度以上だと思われます。
まぁ、低温水と呼べるような温度の水が地下から供給されるんですね。
あとは雪の降り方とのバランスの問題で、
経験的にこうした融雪溝の幅や、深さなどが工夫されるのでしょう。
今年の場合は、実にスムーズに雪が処理されていった、ということ。
こうした融雪の工夫は、利用土地が狭くなってきた都市部では
やはり少なくなってきていますね。
第一、都市部では「雪を落とす屋根」自体が少なくなってきていると思います。
北海道では無落雪屋根の需要が高く、
冬の間は、雪を載せたままにするほうが一般的。
そうしたなかで、わたしの事務所前の道路では
道路脇に「流雪溝」が公共によって設置されていて、
市民が自分たちで運んできた除雪の雪を
溝に投げ込んで融雪・流雪させています。
このような工夫も、日本旗側地帯で長い伝統を持っていたもの。
そうしたものがわたしたち、北海道に伝播してきたのですね。
そう考えたら、やっぱり秋田に北海道のマザーを感じる部分。
こういうの、ちょっと変な感覚なんですが、
同じ雪国で、しかもひとびとが色白。
そして雪国としての暮らしの経験値がある豊かさのレベルまで達している。
そんな思いがしてきます。
一度、秋田の女性3代を描いた絵を見たことがあります。
無心に遊ぶ少女、冬場の農作業をしながら気遣っている母。
その少女と会話しているような祖母、という構図。
背景は雪に閉ざされたようなくらい印象の室内。
というような情景でしたが、そんな光景が、
幼い頃に触れた母や、祖母の印象と深くシンクロして、
強い印象を抱いた次第。ある共感の思いが募ってきますね。

米沢ラーメン・沢田食堂

7224.jpg
一時期のラーメンブームというか、
テレビ番組などの影響なのか、いまや、日本中で
地ラーメンがさかんにもてはやされていると思います。
とは言っても、わたしが巡りあうことができるのは大体が東北北海道地域。
ですから、その取材行脚の合間にいける範囲で食べに行くなかで
「お、なかなか、いいじゃん、これ」っていうのに巡りあう楽しみですね。
そういう食べ歩きの中でうれしいのは地元の人から紹介される
ごくさりげない普通っぽいお店での食事。
この米沢の「沢田食堂」さんはまさにそういう一店。
地元ビルダーさんから取材時に「あそこいいよ」と
いわれたお店なんですね。
取材先からもほんの歩いて2分ほどだったのですが、
まったくの住宅街っぽい場所なので、こんなところに食堂があるとは気付かない。
看板もそういう条件をよくわきまえて
地上5mくらいまで高く上げているけれど、
なにせ住宅街で店と看板とがなかなか一致しませんでした(笑)。
でもまぁ、なんとか、出前のご主人の車の出入りを発見したので、
「あ、あの建物が、そうじゃないか」と見つけられました。
ということで、入ってみると、厨房の方が大きな造りで、
お客さんの席は、丸椅子が5脚あるだけ。
どっちかというと、出前が中心の営業スタイルなのではないかと推測されます。
メニューもカツ丼などもある、いかにも大衆食堂。
気前のよさげなお母さんが、ごく家庭的な雰囲気の中でふるまってくれます。
こういうのが、きっと長く愛される大衆食堂の魅力でしょうね。
こんなくつろぎ、いまどき、残っているんだとうれしくなります。
そのうえ、メニューにはごく大衆的な値段しか記載されていない。
すっかり安心感が広がる、のどかな日本の風景。
っていうようなことで、出てきたのはごくあっさりした
しょうゆラーメンの神髄のようなヤツ。
スープの滋味あふれる味わいが体に優しく染みこんでくる感じがいたします。
出汁はまぁ、さっぱりした和風のもの。
麺も、ややほっそりとしたタイプ。
若い年代の方には、やっぱり「カツ丼セット」みたいなのもあり、
かもしれませんね。
そういうことで、「食堂」というコンセプトなのかも知れませんね。
でもまぁ、こちらも、最近はようやく
「○○セット」のメタボリックコースからはすこし離脱しつつあるところ。
ごくあっさりとしたラーメンだけで、満足いたしました。
ちょっと昼前に店に入ったのですが、
昼になったら、店の外に何人もの常連客のみなさん・・・。
みんな和やかな表情で席を待ってくれておりました。
こういう雰囲気というのも、この店の大きな魅力なのではないかと推測しました。
味も、その時間も、両方楽しめたお店でした。

地下水利用融雪

7232.jpg
きのうは秋田県湯沢市で撮影してきました。
写真はことしの3月はじめに同地に行ったときに出会った光景。
今年は融雪が早く、もうほとんど消えかかっておりましたが、
以前から聞いていた日本海側地域での地下水融雪の様子を見ることができたのです。
写真ではちょっとわかりにくいとも思うのですが、
地下水を使っての融雪なので、
土中からの泥水から、このように地中成分として出てくるのですね。
北海道と違って、夜になっても温度低下がそれほどでもないので、
このように地下水を散水しても氷結の心配をしなくていいようです。
こういうことを北海道でやったら、
一面のスケートリンクで、大変なことになるでしょうね(笑)。
でも、一度、北上でもこういう光景に遭遇したことがあり、
北上ではやや凍結もしていて、
そういう道を歩くと大変危険な思いをしたことがあります。
微妙な気温状況変化が、起こりうることなので
判断は難しい部分があるのだろうと思います。
季節の風物詩としてみると、なかなかに風情のあるものではあります。
ただし、靴が濡れる心配もあるので、
融雪中は歩行に気を使う必要があることでしょう。
湯沢市ではこのような地中成分の湧出が見られるのですが、
このあたり、事情はその土地の地盤構成によっても変化するそうです。
このような土の色は、土中の鉄分量が多い場合の特徴だそうです。
融雪後、こういう成分がホコリとして空中に舞うことになるでしょうから、
春先には花粉症原因になることも推定できます。
まぁ、どんなことにもメリットもあれば、デメリットもある。
その土地ごとで、知恵の使いようではあると思いますね。
話は変わって、ことしは北海道では灯油熱源でのロードヒーティングが
激減していたという話題が聞かれます。
折からの灯油の大高騰が、切実な問題として結果したのでしょう。
そういう意味では、3月に入って順調に融雪が進んだことは
北海道の人間にとって、まことにありがたいことでした。
と、書いていたら、なんと、久しぶりに窓の外は雪が降っています・・・。
春まだ遠し、一本調子ではいってくれないようですね。
って、ことしはもう車のタイヤ、履き替えちゃっているんです。
やれやれ困ったなぁ。

大慈清水

7231.jpg
盛岡の旧市街散策途中で発見した湧水利用施設。
インターネットで調べてみると、
その昔、大慈寺の前には大きな沼があり青龍(せいりゅう)が住んでいたとか。
祇陀寺(ぎだじ)と原敬 の墓所がある大慈寺の二つのお寺の境内から清水が湧き出で、木管を通して共同井戸の水源としました。 これが青龍水と大慈清水で、これらの清水は雛壇形式の箱で造られていて、一番目が飲み水、二番目が米研ぎ用、 三番目が洗い水、四番目が足洗い用と決められており、今でも生活水として多くの人たちに利用されています。
ということだそうです。
市中をおおくの川が流れている盛岡では、
いたるところにこうしたわき水があって、利用され続けてきたようですね。
共同の管理費用を払って維持し続けてきているのだとか。
ある建築家の方から、「公と共とは違う」と聞いたことがあります。
そういう仕分けでいえば、この清水は「共」が民間で続いてきた
そういう側面を表すようなものではないかと思います。
官に支配されることなく、民間がお互いのために知恵と労力を
出し合ってこういう設備を維持し続けてきたのでしょうね。
その知恵が、使用法の決まりに端的に表されています。
平民宰相といわれた原敬の出身地に近いこともあり、
そういう人間を育む素地のような文化性を感じ取るのは、オーバーでしょうか。
飲んでみると、なかなかにおいしい。
水道水のようなカルキ臭さはなく、自然な透明感。
周辺には地酒の蔵元があったり、豆腐の製造元があったりしていて、
この清水が人々の暮らしに大いに役立ってきたことが感じられます。
英語の語感でいえば、「パブリック」
ということばの感覚に一番近そうな印象を与えてくれる清水です。

ごつい雪止め

7225.jpg
ことしは冬の終わりに山形県米沢に行って参りました。
福島県会津はかなりの積雪地とは聞いておりましたが、
それ以上というのが、米沢ということ、実感いたしました。
写真は取材した住宅の平屋部分の屋根を見たところ。
ごらんのように、板金の合わせ目を大きく立ち上げています。
また、端部ではこれも頑丈な金属棒状のものがしっかり固定されています。
北海道は札幌もけっこうな豪雪地だと思うのですが、
って、年間積雪が6mを超すほど。
ですが、雪止めを付けるといっても、こんなごついことは少ない。
というよりも、そもそも雪止めを付けること自体少ない。
米沢の年間積雪を聞いたら、札幌とほぼ同水準。
では、この違いはなんだろうとなるのですが、
端的に言って、雪質の違いなんですね。
北海道の雪は、気温が低いこともあって
サラサラとした、言わば「乾いた軽い雪」。
それに対して、海からもやや離れた盆地的な気候の米沢は
重く湿った雪が、しんしんと降る感じのようなんですね。
そうした雪は重たい積雪荷重となって屋根に負担をかけ、
そして、端部では落雪時、事故を引き起こしやすいのですね。
基本的には屋根傾斜などを工夫し、
「雪を落とす」工夫を屋根の構造で考える。
この家でも、主要部では交差型の屋根を採用していて、冬の終わりながら、
雪はまったく屋根にありませんでした。
一方で、平屋部分で落とす敷地的余裕が確保できない場合には、
このように重厚な雪止めを工夫することになるのですね。
さらにこの写真の雪止めには、米沢特有の季節風を上手に活かした
風洞的な工夫も施されていて、
基本的には風で端部の雪が溜まらないような工夫もされていました。
ちょっとした風穴を方位を考えて工夫するということ。
設計施工の米住建設さんにこの点、興味を持ったので、
札幌での「雪庇対策」についてのご意見を伺ったのですが、
なかなか、ユニークなご意見をいただきました。
こんど、札幌の建築業者さんに実験を勧めてみたいなと思いました。
ということで、雪国同士のアイデア大会になった(笑)
米沢での取材時のひとこまでした。