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【北海道大学で「建築とメディア」論の講義】

わたし、今度11月8日に北海道大学工学部で講義をすることになりました。
北大の建築環境の研究者である森太郎先生からの依頼であります。
どうも学外からの視点を学生さんに提供したいという講義企画のようです。
名誉教授の絵内先生などの錚々たるメンバーの中に1人だけ
エトランゼ、いやエイリアンのように紛れ込んでしまっています(笑)。

森先生とはいろんな会合とかでお世話になっていますし、
こちらからもお願いするようなことも多く、
そんなやりとりのときに不意に「三木さん、頼みます」と申し入れられて
ちょっとお断りしにくい状況での「咄嗟」だったので、お受けしてしまった(笑)。
でも、先生から示されたお題が「建築とメディア」という
まさに自分にとっては、その臨界点にいることが明らかなテーマだったので、
日頃感じることも多く、またそういったテーマで若々しい学生さんたちと
いっしょに考えられるという得がたいチャンスとも思えた次第。
とくに森先生は「建築環境」の専門家であり、いわゆる設計デザインとは
ある意味、対極的とも言えるスタンスの立ち位置。
そういった先生からの依頼なのでかえって革新的な匂いが感じられ、
そういった環境の中であれば、自分のような人間でも
なにか、きっかけになるような切り口をご呈示できるかもと考えた。
まぁ、たしかに無学な身にはちょっと無謀ではあるのですが、
一般的に「情緒的に生きている」大多数の人間の代表としてメディアをつくり、
建築とか住宅について、いわばユーザー的スタンスで物申している。
そういうエイリアンのような視点というのも、
なにごとか、お役に立つことができるかもということなのですね。

ということでお引き受けしたのですが、
さりとて、これといった戦略がいま、できているわけではありません。
数年前にも一度、東京大学工学部で前真之先生からの依頼で、
一般人視点での「北海道とニッポン住宅」みたいな講義をしましたが、
今回はより本源的と思われるお題ですので、また楽しみ。
これから講義する当日までハラハラドキドキしながら、
プレゼンの構成をあれこれと思案投げ首していきたいと思っています。
でも、若い学生さんたちと交流できるのは、本当にうれしいと思っています。
森先生に深く感謝しております。

【Replan北海道118号「冬を楽しむ」予約開始!】

さて本日よりReplanの旗艦誌、北海道版最新号118号予約販売の開始です。
わたし自身はまだ大阪にいるのですが、ようやく本日「帰還」予定(笑)。
で、特集のタイトルは「冬を楽しむ」ですが、わたし個人としては
「冬が楽しみ」というように考えています。以下その開示。

今号の特集は冬への対応ということです。
なんですが、わたし個人としては冬への北海道人の感じ方に強い興味がある。
北海道島に多くの日本人が住み始めて150年ほど。
それまでの日本人の生活文化は、たぶん、季節というものに対して受動的だった。
花鳥風月文化にみられるように、自然な四季変化はそれを受動的に感受するもの。
そのことは、きびしい気候の冬にあっても同じであり、
その寒さは「堪え忍ぶ」ものとして認識されていたのだと思う。
そんな生活文化を持った国民性にとって、北海道の条件はあまりに過酷だった。
堪え忍ぶ生活を北海道の気候条件は許してくれなかった。

そこを見切った上で北海道に暮らすことを主体的に選択した人たちによって
もっと能動的に気候風土に負けない住環境の構築がなされた。
そしてそれはおおむね技術的に達成されている。
たぶんいまでは、冬場の室内気候では日本中で、
北海道が「いちばん天国に近い」かもしれない。
そういう住環境が実現してきて、ひとびとの暮らしレベルでも
独特の「冬の楽しみ」が生まれているかもしれない。
そんないまの北海道の住と暮らしを考えてみた。
まだわたしたち誰もが意識はしていないけれど、
むしろ「冬がたのしみ」とまで、いまの北海道の住宅は到達しているかも知れません。
あたたかく安全な環境が、住宅性能・窓の進化の結果、獲得されている。
表紙のような外部の景色も、静かで安逸な室内から楽しんでいる。
冬の雪嵐すら、一服の絵画のように楽しめている現実がある。
住宅性能の進化が、まったく違った「楽しみ」を創造している。
そんな暮らしと生活感を、発見してみたいと思っています。

リプラン北海道版118号が9月28日(木)に発売されます!
只今ReplanWebにて購入予約受付中。
9月14日~21日までにご購入された方は、一部地域の方を除いて、
発売日の9月28日までにお手元に配送致します。
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【列島縦断出張移動 ついに関西へ到着】


さて今回の出張の最終目的地・関西に到着です。
きのうは朝1番で前日宿泊の福島県・いわき市のホテルを出て、
東京までの列車移動。在来線特急であります。
この「常磐線」ってまともに乗ったのは初めて。
朝一番の便なので、チケットも余っているのだろうとタカをくくっていましたが、
意外なことに、水戸くらいでほぼ満席状態になっていました。
で、千葉県を走行するくらいまでは快調な走り方でしたが、
北千住とかの東京に近づいてくるにつれて、ゆっくり運転に切り替わっていく。
どうも時間通りに到着させるのに、調整するようですね。
で、2時間半くらいかかって東京駅に到着。
そこから1件、東京駅周辺で知人と打ち合わせた後、これも久しぶりの東海道新幹線。
札幌を出発してから、函館を経由して青森県に渡り、
3日間の行脚の後に八戸から仙台へ。そこからクルマでいわき市。
で、鉄道を乗り継いでようやく関西に到着であります。
今回は、きのう夕方〜夜の会合への出席が主要任務。
このあと、いくつかの会社訪問、住宅見学ができればと思っています。

ということですが、
ふと駅でみつけた「大安」のお漬け物店。
日本の高校の修学旅行と言えば、奈良京都というのが定番だった時代。
その後も関西が好きになってなんども訪れましたが、
高校生なのに、買って帰ったお土産が大安の「千枚漬け」だったという渋さ(笑)。
それもたしか、木の樽のような容器が気に入って買って来た記憶がある。
あの千枚漬けの切り方と口当たり、食感・食味に完全にノックアウトされていた。
当時だってそんなに安くはなかったと思うけれど、
「自分へのご褒美」系の消費の仕方で、買って帰った千枚漬けはほとんど自分で食べた。
そんな記憶が鮮明に甦って、店内を見てみたけれど、
樽の容器入りのものは見つけられなかった。HPをみても販売されていないようですね。
いる間に、あの容器入りがもう一度見てみたいと思っています(笑)。

【地域製造業の中核・工務店の事業継承】

きのうは朝は八戸で目覚め、午前中は八戸市内で数社訪問後、
仙台まで新幹線移動。で、新しくなった駅ビル内で知人と打合せ後、
仙台のスタッフとクルマで福島県いわき市までの移動。
移動交通手段もレンタカーから新幹線、さらに自社社用車とめまぐるしく変化。
いわき市内で開かれた、当社お取引先であるエコビレッジグループの
新会長・新社長就任披露会にお伺いしておりました。
いわき市を中心とする地域工務店の雄・エコビレッジさんとは、
福島の応急仮設住宅の木造建設の動き以来、
JBN東北の活動の中心として活躍されたことから、縁が深まっています。
きのうの和田会長のあいさつでも、その当時の状況についてお話になっていましたが
日本では震災の度ごとに地域にとっても、被災されたみなさんにとっても
メリットの少ない大メーカー製造工場で作られ現地に移送される鉄骨プレハブだけが
建てられ続けていた現実に大きな風穴を開け、地域が総体で活躍する道を開いた。
とくにいわきでは、原発被災からの避難が集中する中で
住みごこちのいい木造仮設住宅が、自らも被災者であった
大工さん・職人さんによって大量に作られ続けた。
当時は日夜を分かたず、さまざまな困難の中で職業的使命感で作業に当たった、
その様子が、会長のお話や大工職人さんのあいさつから伺えました。
多くのみなさんにも、ふたたびあのときのことが鮮明に思い出されたと思います。
その後の熊本震災へと引き続いた流れを国交省も認めて
この10月にも作り手たちへの「大臣表彰」がなされる運びとのこと。
わたしどもも、地域の住宅雑誌として、あの動きには
大いに力づけられ、そのことを多くのひとに伝えることに
使命感を感じてもいたと思っています。
出来上がった木造仮設住宅の屋根にまで、参加した職人さんたちが上っての
完成写真を撮影したりして、感動を共有したことが想起されます。

そうした地域工務店の経営は長く続いていく必要がある。
住宅の寿命はいまや、50年以上100年にもなる時代。
そういうなかで、建てた住宅に対して「見守っていく」活動は地域の作り手が
その主役になることはきわめて自明。
全国メーカー企業では建てるその時だけの関係になるのに対して
地域工務店は、その地域の住宅全体に対して
いわば「製造者責任」をまっとうすることができる存在。
そのためには企業として永続していくことがなによりの「責任」だと思います。
そのような思いを込めて、自らの責任が十分に果たせる時期を計って
後継者を育てていこうという和田会長の思いが伝わってきた。
若々しい息子さんの和田新社長を中心にして、一致結束していこうという
企業としての地域工務店の姿を見させていただきました。
いま、全国でこうした継承が非常に多くなってきています。
その意義を多くのみなさんと共有していきたいと思う次第です。

【東京より費用2倍・時間3倍「近くて遠い」青森-北海道】


北海道のすぐ南に位置する青森県。
気候風土としては本州ニッポンのなかで一番近縁的な地域です。
なんですが、こと移動交通費比較で考えると、
北海道からは東京や関西方面よりも、より割高な訪問地域になります。
関東、東京へは片道で1万円を切るような航空チケットも一般的。
関西もまた、往復で2万円以内という価格破壊が進行中。
なお、それらの移動時間はおおむね2時間以内で到着可能。
ところが、青森県へは価格的にも時間的にも「縁遠い」。
JR新幹線で青函間がつながったけれど、
独占販売もあって、料金はどうしても割高で札幌からだと片道で
総額 13,460円 所要時間 5時間11分
乗車時間 4時間43分というようになる。まぁ普通で考えれば
東京に行くよりも2倍くらいお金が掛かって、時間は3倍くらい掛かる。
飛行機利用でも、お金は東京よりも割高になって、便数も少ない。

きのうは青森県東部地域、いわゆる「南部」地方を行脚。
東北電力の方たちと話していて、移動交通手段の話題になって
青森県と北海道の比較対照で盛り上がっていた。いや、盛り下がっていた(笑)。
で、この南部、最近は「三八上北」という気象予報呼称もあるのですが、
こっちの方は北海道、札幌からはさらに遠く感じる。
そもそも飛行機では三沢ということになるけれど、
三沢に到着してもそこから八戸、十和田には移動する手段が限られる。
・・・っていうような「地域間関係」になっている。
なんですが、こちらの地域は良く来るようになって、
その雰囲気などが北海道に一番近いのではないかと思えます。
三沢には米軍基地があり軍人のためにツーバイフォー住宅が存在する。
そこで生活雑貨の類も、帰米するときに処分していくので
「アメリカ文化」が根付いている部分がある。
北海道も北米の文化が移植された地域性が色濃い。
そして寒さは、七戸や十和田の一部など、北海道と同一基準地域でもあった。
また、十和田は明治以降に計画された近代都市。札幌と似通う。
当然、住宅のビルダーさんたちも東京を参考にすることはほぼなく、
ひたすら北海道の住宅技術、文化を受容してきた経緯がある。
家づくりの基本的な考え方においてきわめて近縁関係なのですね。
それなのに、移動交通手段が限られて割高という、「近くて遠い」関係。
実査に取材をしてきての実感では、市場マーケット性では
北海道といちばん似通っていることは強く感じます。
地域ではふつうに300mm断熱住宅を建てるビルダーもいる。
一方で超ローコスト系ビルダーの市場性も高く存在する。
まぁいろいろと面白い地域性があるといつも思わされています。
住宅メディアとして「近くて近い」地域関係にしたいとさまざま活動継続中。
あ、人間性は、やっぱり一番親しいと感じますね(笑)。

【床下エアコン FAS工法加盟工務店事例 in 弘前】


きのうから青森県内の企業廻りをしています。
スタッフも取材や写真撮影などで青森地域に入ってもいる。
で、きのうはFAS工法の加盟工務店、弘前の「水木工務店」さんを訪問。
自社の事務所をモデルハウスとして活用して使われている。
この建物では、FAS工法の基本方法で断熱など施工されているけれど、
部材などは他社製品を使っての施工が行われていました。
とくに暖房冷房のエアコンについてFASでは天井裏に仕込まれるのですが、
ここでは、いまや一般化してきた「床下エアコン」が試行されています。
断熱は外皮外側でアキレスボード断熱材が施工され、
同時に構造駆体内側からスプレー吹き付け断熱が行われています。
吹き付け断熱が気密も兼ねているかたちになる。
そのように床壁屋根が施工され、内部側は熱環境的に一体空間になる。
そこでその床下にエアコンを設置して全館暖冷房されている。
暖房の方は暖気が上昇していくので問題がないが、
冷房の方は冷気なので上昇させるにはダクト利用などを行っている。
写真ではエアコン吹き出し口周辺にダクトが向けられている様子がわかる。
またこちらでは2枚目の写真のように、細かいスリットの入った「幅木」を使用。
断熱層は内側吹き付けは20mmなので、木造構造の壁内は空洞。
そこを暖冷気が流動するようにさせるのですが、
床と壁の立ち上がりに被覆する幅木にスリットが入っているので
そこから室内に暖気や冷気が供給されている。
もちろん、床の外周などではスリットがそれぞれに室内に開口している。

室内気候はおおむね20度を目安とした空調環境になっていて
エアコンは24時間連続運転になっている。
こういった使用条件で、給湯や調理も含めたオール電化住宅の
40坪超床面積建物の冬場電気代で、最高限度で20000円台に収まっている。
かえって間歇暖冷房にした方が電気代が上昇するとされる。
連続する断熱層のパワーが実感できます。
床下エアコン1台での全館暖冷房については
2年以上前に本ブログで事例を書いたとき、
全国各地のビルダーさんを中心に大変多くの反響をいただきましたが、
多くの施工事例が各地で多様に実施されているようですね。
このエアコンは「寒冷地仕様」タイプですが、
それでも30万円程度の設備費用なので、やはりコストパフォーマンスは高い。
電気器具メーカーさんとしては、床下設置では保証しかねるということは
ありますが、現実に高断熱高気密の性能に自信がある場合、
ビルダー側としては、たいへん合理的な設置方法として確立してきたようです。

【函館散歩「旧函館検疫所/ティーショップ夕日」】



きのう朝、札幌の家を出てカミさんと函館まで散策へ。
本日から1週間本州地区、それも青森を皮切りに出掛けるので、
1日函館散策を楽しんで、わたしは青森へ、カミさんは札幌へであります。
札幌には海がないので、海の景観と調和した街並みを見たくなる。
そういう趣味には函館がいちばん似合っているのですね。
ちょうど東京の横浜・鎌倉、大阪京都の神戸といった意味合いには
小樽もいいけれど、やっぱり函館がピッタリくる。
東京から横浜、大阪から神戸であれば1時間の移動でしょうが、
札幌から函館というと、やはりたっぷり3時間半以上掛かる(泣)。
ですが、わたしたちはふたりとも普段からクルマ運転するので、
運転をシェアすれば、それほど苦にはならない。
きのうはカミさんが一度も行ったことがない「外国人墓地」方面へ。
そうしたら、この建物を発見いたしました。
正しくは「旧函館検疫所台町措置場」というのだそうです。
現在は〔ティーショップ夕日〕として再生活用されている。

お茶は日本茶だけを出していて、いろいろな種類がある。
カミさんは煎茶をお願いしてわたしは昆布茶を。
どちらも産地が表記されていて、香りもしっかり立った本格派。
お湯がポットに入れられてくるし、茶菓子もついてくるので、
昆布茶など、3杯は楽しむことができてコスパも抜群です(笑)。
穏やかな函館湾に沈む夕日を眺められる事もあり、函館の新たな名所になっている。
以下、WEBで調べたら以下のような記述がありました。
〜 竣工したのは明治18年。この年、函館をはじめ開港5都市にコレラ防疫のため
検疫所が設置され、函館では事務所兼病室を兼ねたこの建物が作られた。
 デザイン的にいうと数ある函館の歴史的建造物の中でも比較的地味な部類。
しかし函館に現存する木造洋風建築の中では青柳町・函館公園内にある
旧博物館に次ぐ古さであり、開港都市・函館の顔とも言うべき存在だった
明治末竣工の「税関庁舎」などが取り壊された現在では、
函館が開港都市であった事を物語る貴重な遺構と言える。
 リニューアル前はかなり痛みが激しかった建物だが、正面玄関へと続く
石の階段や白い木の柵など、改修前から使われていたものを最大限活用した
再生がおこなわれている。建物の歴史的価値を損なわない配慮がされている。
再生を手掛けた人たちの熱意と愛情が伝わってくる美しい建物。
函館市景観形成指定建造物・木造平屋建て。
旧函館検疫所台町措置場(ティーショップ夕日)
旧函館消毒所事務所  1885(明治18)年
設計:内務省 施工:直営 函館市船見町25-18〜〜

という建物で、室内からは静かな函館の海が見晴らせます。
戦後直後は、樺太からの引き揚げ者の一時収容、看護施設として
活躍した建物だと言うことです。
創建から132年という星霜を経ていますが、愛情を持って活用されていて、
その様子はなかなかに清々しいと思えました。

【本日より1週間の出張。ふ〜】

さてみなさん、お盆休暇も終わっていよいよことしも後半戦。
いつも思うのですが、お盆が前半後半の折り返しというわけではないのに、
心理的にはお盆が年の中間だという意識が日本人には強いのでは?
お盆が終わって暑さも一段落することで気持ちの整理がつく、ということか。
しかし、9月からと考えたら残りは4カ月しかない。
たぶん、4月スタートという「年度」の区切りがお盆なので、
暦とはまた違った区切り感が日本人には強いのでしょうね。

ということもあって、なにやらいろいろな要件が重なって、
本日から1週間の日程での出張が始まります。
とりあえずはお隣の青森県を3日間行脚して、その後福島県いわき市。
そこから大阪に移動して、神戸から帰還するという日程。
移動も複雑で、旅程と仕事の書類などの確認、用意はなかなか複雑。
60代半ばの認識可動域いっぱいの脳内状況(笑)。
まぁなんとかなるだろうという楽天主義でなければ乗り切れませんね。
自分自身の行動スケジュールを自分で企画し、管理実行する。
そういった自己責任範囲を守っていけることは、
ある意味、しあわせなことだと思っています。
こういうスケジュールをしっかりこなせるような、
体調の管理などは、もっとも重要なポイントでしょう。
いまのところ、そういった不安を感じないで済んでいるということはうれしい。
しかし、こういった期間ではどんなことがあるかも知れない。
人間、なんといってもカラダが資本ですね。
ということで、本日はあすからの行動に備えての移動の開始であります。
ではでは。

【TOTO・大建・YKK3社合同ショールーム&セミナー】


きのうは札幌で住宅団体・ソトダン21のオープン研修会。
評論家・南雄三氏の講演を聞きましたが、
まずははじめて行った会場、3社合同のショールームの件です。
メーカーさんとしては、LIXILがグループ化させたことで、
業界再編が加速して、もう一方のメーカーグループとして、
TOTO、大建、YKKの3社がグループ化の構えを見せてきています。
札幌ではこの3社による合同ショールームが市中心部、
サッポロファクトリー近くにこの度、オープンしました。
たしかこの場所は以前広大な駐車場だったはずですが、
その名残を留めるように、1階は広々とした駐車場スペースになっています。
ショールーム機能は2階に集約されていました。
で、わたしが面白いなと思ったのが、2階のトイレ洗面コーナー。
こういったショールームなので、とくに「使える」コーナーの設計デザインは
いちばん、考えた作りにするだろうと思って向かった次第。
設計コンセプトとしてアジア圏からの旅行客も狙っているとされていましたが、
写真のようなコーナーデザインに、そういった意図はあるのでしょうか?
鏡と照明の配置デザインは面白みが感じられましたが、
あとは手洗い後の乾燥機が連続性を意識して設置されていて、
なお、それらの配置が「個人ごと」ブース化の手段になっていました。
トイレの方では、背もたれが装置されているのが目に付いた。
さらに出がけにふと気付いたのが、姿見コーナー。
男性のドレッシングルームなのですが、こうしたコーナーが装置されていた。
洗面の鏡とは別にあるのですが、こういったコーナーであれこれと
身繕いをする、させるというような「設計意図」なのかと内心、小さな驚き。
わたし的には、ここで鏡をみて身だしなみを2方向から確認する行為には、
やや気恥ずかしさも感じる気分があるのですが、
やがて男性も化粧をするようになる時代の到来が予感された。

その他、評論家・南雄三さんの講演にて感じたこと。
日本人は、欧米の建築デザインの系譜を「ありがたがって」きたけれど、
そういった「知識偏重」的なデザイン研究がいま、必要なのだろうか。
わたしとしては、ちょうど鎌田紀彦先生と住宅デザイン論を推進展開してきていて、
その論議内容との距離を感じさせられていた。
具体的なモジュールとか寸法、空間感覚などを論議することの方が
より実践的なのではないかと思わされました。
戦後すぐの住宅建築でまさに庶民のためにどう住宅を作るべきか考えた
「立体最小限住宅」というような視点から、暮らしようと人間工学、建築の寸法、
空間性をどのように「調和」させるのかが、デザイン論の本質ではと思います。
その営為の上に立って、はじめて美しさへの肉薄が始まるのではないか。
いってみれば、デザインとは機能性を昇華させ、それを空間としてまとめ上げる、
そういった営為の全体を指しているのではないか。
いわゆる「様式」はそういった営為の「結果」の世界なのではと思いました。

【鎌田紀彦+新住協北海道 Q1.0住宅プロトタイプへ】


きのう、札幌市内で鎌田紀彦氏と新住協北海道のメンバーとの
ゼミ形式での「コンパクトハウス」プラン検討会が開催。
すでに数次検討会の積み重ねの上に立って、
プランの骨格が固まってきました。
この検討会は、全国の新住協会員にとってもユーザーに提示する
「基本プラン」として機能させる狙いを持って推進されてきているもの。
新住協会員工務店が日々向き合っているユーザー動向を踏まえて
いわば、最大公約数としての「日本人のすまい」を探究する野心的プロジェクト。
鎌田先生には当誌Replan誌上で「Q1.0デザイン論」を執筆いただいていますが、
その労作を通しての研究が現実にフィードバックしている側面があります。
その成果が、コンパクトな「細長い総2階建て」プラン。
日本全体、北海道全域での「敷地」の研究を経て
ニッポンの土地の間口と奥行きの基本ターゲットを絞り込んできている。
もちろん「最大公約数」であり、すべての条件を満たすものではないけれど、
想定しうる基本ではあるだろうと思われます。
少なくとも国交省などが基本政策のために「モデル」としている想定プランよりも
はるかに現実を見通していると言えると思います。
絞り込まれた敷地条件は、5間間口で奥行き10間という50坪。
そのなかに、基本的には自家用車を2台駐車できるプラン。
建物としては2.5間×6間、床面積ではマックス30坪のタイプ。

先日来、池辺陽氏の「立体最小限住宅」のことを書きましたが、
鎌田先生に依頼している「Q1.0デザイン論」について
著者と編集側という関係からさまざまに討論する過程で
日本のプロトタイプ住宅への探究の起源をも話し合い、
池辺陽氏のような志向性が浮かび上がってきていたのです。
そういう意味ではこのいまの動きは、戦後の住宅が大きなテーマとしてきた
「普遍性」についての大きな挑戦になっていく可能性がある。
鎌田先生としては、こういった野心的なプロジェクトについて
長年の同志ともいえる北海道の作り手と協同するかたちで
基本を構築しようと考えられているのだと思います。

きのうのゼミで基本的な方向性は固まってきて、
これからはより具体的な構造や設計プランとしての煮つめ、
さらには、標準的な「見積もり」の作成〜検討へと進んでいきます。
その役割分担も大枠が決まってきて、若い設計者の参画も決まりました。
鎌田先生からは次号Replan誌での連載記事執筆も
このプロトタイプ住宅についての内容を書きたいということでした。
いよいよその相貌が垣間見えてきつつある、といったところではないかと思います。
ニッポンの住宅シーンに新たな1ページが記されるかも知れません。
大いに注目していきたいと思います。

<写真中の図表は、これとは別のプランのものです。>