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盛岡再生5_解体

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さて、盛岡での住宅再生型リフォーム工事。
いろいろ寄り道しながら連載しているので、なかなか進展しません。
すいません。工事写真がたくさんありすぎて、いろいろな写真を発見して
その都度テーマが出てくるという状態(笑)ですので、ご容赦を。
きょうは解体工事です。
リフォーム工事で、事前に完全にその家を把握することが難しいのは
「解体してみなければ、どうなっているのか実際にはわからない」
というポイントがあります。
この家の場合、写真左のように、鉄骨の梁が解体してみて初めて発見されました。
また、右写真のように、構造材の腐れなどが発見されて
それを取り替えたりしなければならない、ということにもなります。
ですから事前に、そうしたすべてのことを「見積もり」しきれないわけですね。
この問題、実はもっと複雑で、困る問題なんです。
リフォーム希望の住宅でよくあるのが、図面などが一切ないケース。
注文住宅であれば、建築時点では建築会社から渡されると思うのですが・・
いや、きちんと渡されていない場合すらある。
また、それをきちんと保管するという建て主さんも少ない。
途中で売買されて、その時点ですでに図面が引き渡されない。というケースもある。
また、もっと問題なのは、たとえ図面があっても、
最終的な出来上がりの建築仕様が、記載されていないのが一般的だと言うこと。
え〜〜っ、と思われるかも知れませんが、多いんです。
多くの場合、「建築確認申請」のために、工事より前に、図面というのは作られるのですが
建築確認申請を通ってしまった後、通常、いろいろな「変更工事」が行われるのです。
まぁ、「軽微な変更」であれば、それほど問題ではない、となるのですね。
極端に言えば、現場で大工さんと打ち合わせて、変更しちゃうケースまである。
どうなっているのか、確認することすら困難になっている。
そのうえ、そういう変更工事の一切を図面化する、という法的根拠になる仕組みがない。
ですから、完全な現状仕様を図面化するというのは
多大な手間だけ掛かって、工事側にはメリットがないんですね。
いま、北海道建設部建築指導課では、こういう問題に対して
建築時点のその家の記録をきちんと残そう、という働きかけを始めています。
以前なら、まだしも住宅金融公庫の申し込み時点で、
図面などの提出が必要だったけれど、いまはそういうチェック段階すら
なくなってきているという、現実があるんです。
中古住宅として、もし売買することを考えたら、このことの重要性は
おわかりいただけますよね。
現に、不動産屋業界からは、そういう資料などがきちんと保管され、
客観的に性能がいい、という証明が可能な不動産物件は
そうでない物件より、高値での売買も可能だ、という声を聞くことがあります。
まぁ、住宅の「証明書」みたいなものになりますね。
残念ながら現状では、そういうものが、整理されるような仕組みすらきちんとなっていない、
ということになっているのです、う〜む、む、む。

盛岡再生4 収納〜あふれるモノ

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写真は盛岡の家のリフォーム前の一部屋の様子。
モノがたくさん納められていたところと、引っ越し後の整理した状態の写真。
ここは個室として使っていた部屋なのですが、
うげー、っていうくらいのモノの山ですよね。
って、別にこのお宅だけのことではありません、
いまの日本の住宅はほぼみんな一緒の光景でしょう。
住宅は50〜60年前に建てられていて変わらなかったけれど
暮らし方、とくにモノの総量だけが気絶するくらい増加した。
それが、わかりやすい「豊かさ」だったのでしょうかね。
ある設計者に、収納で困っている人へのアドバイスは?
と誌面で聞いたことがありまして
秀逸だった答えがありました。それは、
一度あなたの家にある、あふれかえっているモノを
全部捨ててしまってください、というもの。
すっきりと片付いた状態だったことを、そこで十分に堪能してください。
そしてできるだけその状態を維持するようにがんばってみましょう。
きっと思わぬ発見があるはずです。
どうですか、モノって本当にいりますか? よく考えてください。
そのうえで、どうしてもモノが必要だと感じたら、
既存にあったモノたちの中で、
絶対に必要だ、と思えるモノを
「ひとつだけ」入れて見てください。
それは、その場所に本当にふさわしいですか?
真剣に考えましょう、機能性はもちろん、その質感・デザイン
すべてにおいて、本当にあなたの暮らしを「豊かに」してくれるかどうか
じっくり検討してみてください。
本当に愛着をもてますか? 
そう思えたら初めて、そのモノの置き場所をじっくり考えましょう。
そうやって、あなたの暮らしと住環境を、一度再構築してみませんか?
というような考え方を勧めてくれていたのです。
日本人って、機能性とか、便利さ、っていうことへの欲求が
世界でも有数って言うくらい強い民族なのか、と思えます。
それがモノを作るという製造業の本質的な部分での強いメンタリティを
生んでいると思います。
でも、それが自分の家でも同じように発揮されると
結果としては、ほとんど混沌としたカオスのような、モノの宇宙になるんですね。
ってね、人ごとじゃありません。
どうすんだよ、わが家。っていうような状態に置かれているのが現実です。
いったいどうすればいいのか。
家は、一度建てたら、そうは、大きくならない。(笑)

4.15&16 住宅セミナー開催in郡山

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さて、きょうはイベントのご案内です。
なかなかチャンスがない、建築家の講演会です。
「『建築家と家をつくる』って、なんだか敷居が高そう。
興味はあるけど、費用もたくさんかかりそうだし……。」
そんなふうに考えていませんか?
昨年末発売になった東北初の建築家住宅事例集
「建築家とつくる 東北の住まい」発売を記念して、郡山在住の建築家、
佐久間宏一氏による住宅セミナーを開催いたします。
「建築家と家をつくる」ってどういうこと?という素朴な疑問から、
施工にいたるまでの流れ、実際の住宅の紹介など、
見て楽しい・聞いて納得の建築家デザイン住宅入門セミナーです。
個性的なデザイン住宅、機能的な住宅がほしい!建築家の住宅をもっと見てみたい!
という方は、ぜひお気軽に。
っていう次第なんですが、美しくデザインされた住宅のスライドを
楽しく見ながら、どうやったら、かっこいい住宅ができるのか
そのエッセンスを聞けると思います。
佐久間さんは毎年、スタッフとともに札幌に住宅視察に来られる
意欲あふれる設計者。今年は特に、高性能住宅を視察されて
かなり刺激を受けていました。そんなお話も聞けるかも知れませんね。
会場:岩瀬書店富久山店 会議室
住所:郡山市富久山町八山田字大森新田36番の1
時間:13:00〜15:00
定員:20名 参加無料
リプラン 仙台オフィス
TEL:022-292-0130
FAX:022-292-0131
E-mai:  ozawa@replan.co.jp  担当:小澤
※FAX、E-mailにてお申し込みの際は氏名・連絡先電話番号・参加人数をご記入ください。

盛岡再生3_小屋裏

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既存の小屋裏写真が左側です。
やはり古い家なので、断熱処理はナシ。木材の持つ断熱性能だけですね(笑)
ものにはすべて断熱の性能はある、とはいえるのですが、ね。
盛岡の底冷えの寒さの中で、これで頑張っていたのですから
さぞかし寒い家だったことでしょうね。
家の中で暖房を炊いても、その暖気は密閉されていない状態の
この内部を上昇気流で通り抜けて外部に放出されていたのでしょう。
その意味では、冬に焚き火で暖をとっているにほぼ等しい。
でも構造材の状態などはきれいとは言えます。
中途半端に断熱気密などをしていない結果、めちゃくちゃ寒いのと引き替えに
木材は素寒貧な乾燥状態が確保されてきたと言えます。
それに対して、右側がリフォーム後のほぼ同じ位置からの様子。
この家では断熱気密は、外張り断熱を行っていますので、
屋根面で断熱処理が行われています。
板状断熱材が施工されています。
外張り断熱なので、室内側は熱環境的には室内と同じになるので
フロアーを張って、小屋裏部屋としても使用できるようにしています。
壁面の断熱は外壁側で行われていますが、
壁耐力を高める意味でも、室内側に構造用合板が張られています。
インテリアもこうした木質感が暖かい雰囲気を出してくれるので、
なんか居心地が良さそうな空間が、
「床面積に関係なく(笑)」増やすことができました。
収納部屋として使ったり、子どもさんが「秘密基地」として遊びに使ったりできますね。
なんかここんとこ、寒い日が続いていますね。
北日本全域、4月になっても低温状態が続いています。
きょうは仙台移動なのですが、現地は暖房があまり考えられていないので、
きのう札幌に帰ってきたスタッフは、寒さに震え上がっていました。
みなさんも、体調にはご注意下さい。それと
東北の建物は、もっと暖かくしましょうね(笑)

盛岡再生2_既存状況1

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盛岡のリノベーション住宅その2です。
施工にあたった田越工務店さんがプロセスの写真を詳細に
撮影していて、それのデータをいただいたものですから、
「住宅リフォーム」が抱えているいろいろな問題を
写真を整理しながら、あぁ、そうか、という感じで
気づくことができると思います。そういう分析的な見方を一度
してみたいし、そうすればもっと合理的で、説得力のある
リフォーム工事のすすめ、のようになるかもしれない。
というようなことを、このシリーズで、ゆっくり考えてみたいな、
というのが、わたしのブログ動機なんです。
ある意味ではこういう住宅の「性能向上型」リフォームというのは
新築でいい性能の住宅を作る技術を持ったビルダーでも難しいものがある。
建物というのは、既存の状態でいろいろな、絡み合った問題を抱えて
存続してきているものなので、ひとつのことを解決しても
それはまた、別の事柄とも複雑に絡み合っているのが一般的。
ここに3枚のリフォーム前の写真を並べてみたのですが
いろいろなことが理解できますね。
当たり前のことですが、建物が建った当時から、
日本人の生活はどんどん、変化したのですよね。
たぶん40〜50年前の建物のようですが、その当時には考えられないほど
私たちの暮らしは「多エネルギー消費型」に変化しましたよね。
既存建物の周囲に「後付け」で付加された設備関係の本体や配管・配線を
ご覧いただければ、その様子が一目瞭然です。
考えてみれば、電気もなかったような時代から今日まで
水回りをはじめとする現代生活のアメニティ設備が
そういうことをまったく想定していなかった住宅に入り込んでいったのです。
整合性のある処理というのは、無理がありますよね。
それと、外部の建具を見ると木製の引き違いになっています。
当時は当然大工仕事で造作で作ったものでしょう。
そういう造作仕事が、大量生産大量消費社会の進展で、
写真の玄関のように部分的に、工場生産のアルミ製品に置き換えられて
継ぎ足されるように、構成されていますね。
こういう様子を見ると、家づくりを考えるときに、設備関係の進化とか
生活の志向性への「先を見通す」ということが、必要だということは言えます。
もちろんそんなことは完全には予測不可能ですが、
ゆとりをもった、懐の深い計画が求められるとも言えますね。

盛岡の再生リフォーム_1

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さてしばらく、住宅の本格的なネタ、ブログでやっていませんでしたが
申し訳ありません。って、まぁブログなんで、ちょこっちょことテーマはあちこちしますが
お許し願いたいと思います。
今回、4月15日発売の東北版リプランでは、
岩手県のオール電化住宅特集が掲載されています。
表紙も岩手県版だけは特別にしておりますが、そのなかから
根本的な断熱リフォームとデザインも一新した、いわばリノベーション住宅を
その改修のプロセスごと、ご紹介していきたいと思います。
何回くらいになるか、わかりません。ときどき他の話題が混じったりすると思います、が。
どうぞよろしく。
建築工事にあたったのは、岩手で先進的なビルダーさんが取り組んでいる
「ドットプロジェクト」の中心メンバー・田越工務店さんです。
田越さんは新住協メンバー。
ドットプロジェクトって、よくわからない名称ですが、
これは熱損失係数〜Q値〜で1を切る高性能住宅をめざそうという運動です。
まぁ、新住協北海道が取り組んでいるQ1.0〜キューワン〜の違う言い方とも言えますね。
盛岡市の古くからの住宅街なので、いろいろな制約条件を考えて
建て替えよりリフォームを選択した事例です。
たぶん、「現状不適格」の問題もあったのかなと、推察されました。
現状不適格っていうのは、敷地の利用の仕方や、法規制などが
昔と今とで変化してきている結果、同じような建て方では、現在は建築許可が
おりないような住宅、という意味。
耐震構造とか、耐火基準、防火基準、建築基準法、建ぺい率などいろいろな
住宅を巡る基準から、現状では逸脱している、という建物のことです。
日本の古い住宅地は、一般的にこういう住宅が多く残っています。
仙台などだと、過半以上はこういう住宅で、
都市再開発や、都市防災の意味でも、難しい問題です。
写真は、リフォーム前後の外観の様子。
同じ方向からの撮影ですので、違いが明確ですね。
外壁はぐっとモダンになり、片流れの屋根も若々しい感じですね。
まだ子育て真っ盛りの施主さんにふさわしい印象です。
で、やっぱりキーポイントは断熱・気密といった性能向上の面。
あしたから、各部位に沿って触れていきます。
きのうのMacでWindowsの件で触れた、CNETのサイト
きょうになってもまだぶっ倒れています。
どうやら、きのうはいろいろなところでサーバーがダウンしていたよう。
たまたま、申し込もうとしたケータイのVodaphoneのサーバーもダウンとのこと。
トラフィックが激増してきているのか、サイバー攻撃や悪質メールなどの
卑劣な連中の仕業なのか、いずれにせよ、こまったものですね。

MacでWindowsも?

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きのう、アップルから、Intelのチップを採用した最新Macで
なんと、WindowsXPをネイティブで動作させるインストールガイドソフトウェアが出ましたね。
先日、買っていたMacBookProにさっそく入れてみました。
若干の手間はあるけれど、ガイドに従って素直に作業すれば
写真でご覧のように、MacのマシンでWindowsXPが動作しています。
って、あまりにも自然な感じなので、単なるWinパソコンと変わりありませんね。(笑)
動きもまったくシャープでして、DellのノートPCよりもスムーズに感じます。
まぁ、スペックも違いがあるんですけど。
ということで、IT関係では、この話題で持ちきりですね。
きょうのCNETは、アクセスが集中したのか、サーバーがダウンしていました。
以前から、アップルはユーザーのことを考えたら、かれらが仕事上使わざるを得ない
Winアプリを動かせるような環境を作るのでは、と言われていました。
わたしたちのようなDTP関係では、それほど不自由は感じないのですが、
一般的な職場では、この問題は大きいと思います。
で、昨年、Intelチップの採用に踏み切った頃から、
最新のMacでWindowsをインストールできた人には賞金をあげるという
インターネット上のタイムレースも行われ、先日成功者が出たというニュースもありました。
そんだけ、ニーズがある、とにらんだアップルが、さっそくソフトを公開したわけです。
たぶんずっとまえから用意していたようですね。
GUIも洗練されていて、アップルらしいインストールガイドソフトでした。
さて、これでいろいろな使い勝手が実現してきます。
通常はMacの環境で仕事していて、両環境で使いたいようなデータは
インターネット上のディスクスペースサービスを利用して、そこに保存。
そうすれば、どちらの環境でもデータは使用できるようになる。
Macで使っているときは、Win環境で作成したデータは、そのまま使用できる。
(ソフトが両方の環境に対応していれば、ですが)
メールなんかも、どちらかメインでないほうで「サーバーにデータを残す」
ことにしておけば、問題はない。
なんていうことで、ウチのような環境では、Winパソコンはだんだん不要になって
格安なMacminiを導入すれば、かなりスペースと費用の節約が可能かな。
って、よくわかんないですね。
IT関係のジャーナル記事を見ても、興奮している様子は伝わってくるけれど
先はどうなるかは、まだだれもわかんないようです。
Winユーザーは基本的に関係ない話だろうし、
アップルのマシンでWinも動くとは言っても、Mac用のソフトをそのために買う人も
たぶん少ないでしょうしね。
さてどうなるのか、でもしばらくはこのことで株価とかまで連動して動きそうです。
それと、Winパソコンメーカーは、けっこう動く可能性がある。
Sonyあたりは、ほんとうはMacを自社PCに載せたかったのですから
アップルにだけ、デュアルブートマシンを独占させたくない
と考えるようにはなりそうな感じがします。
って、きょうも住宅とはかけ離れた話題になっちゃってすいません。
でもまぁ、そのへんがブログらしいところでしょうね(笑)
お許しください(笑)。ではでは。

温度差30度

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昨夜遅く、娘の大学入学式に同伴してきた家人が帰宅。
昨日の那覇は最高気温26度だったそうで
ごく軽装の春物コートくらいを羽織って帰って参りました。
昨夜も日中とはうってかわって、雪こそ降っていなかったけれど
戸外にいると震え上がるような寒さで
「信じられない、那覇じゃ冷房ガンガンだったのに・・・」
と、あまりの違いにびっくりしておりました。
きょうからは坊主も新学年の始業式。
で、朝、なにか気配を感じて外を見てみたら、
一面の銀世界に逆戻り。
きのう、けっこう日中天気もよかったので、写真右のように
家の前の植え込みの薦被りをちょうどはずしたところ、だったのに。
ここんとこ、東京も寒そうですけど
たぶん今朝の気温はマイナスという感じかなぁ。
きのう乗り継ぎ飛行機で、全日空さんに意地悪な対応をされていた家人は、
1日の移動で温度差、30度前後なんですよね。
一進一退、なかなかスムーズには春は来ない感じですね。
でも、人間の暮らしには、春本番待ったなし。
娘は入学式から、すぐにオリエンテーションで合宿生活とか。
すぐに忙しい生活が始まります。
様子を聞いたら、いまは親がけっこう入学式に同伴するのだそうですね。
娘も初めての親離れ、こっちも子離れの始まり。
はじめて子どもを外に出すので、親バカにしてみると初体験の不安と心配、山盛りなものです。
すいません、また個人的なことのブログで失礼しました。
明日から、またあるリフォームの詳細写真を元に
シリーズを始めたいと思っています。さて写真の整理から、・・っと。ではでは。

夜景の魅力?

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写真は先日行った東京池袋からの夜景。
眠らない街・東京らしく眼下の首都高速はいつまでも車列が途切れず
そのまま朝を迎えるっていう感じ。
東京では、緑や自然の光景が窓に飛び込んでくるような環境の家は
めったにありませんよね。
多少あったとしても、管理された自然、というか観葉植物的な存在。
ここは池袋のホテルだったので、またもっと豪華なのかも知れないけれど
ホリエモンたちIT貴族のみなさんは、六本木ヒルズから、こういう眺めを見ながら
負け組を見下ろしていたのでしょうか?
って、ちょっとひがみが入っているかなぁ。
でも単純に高いところに上りたがるっていうのは、一種の自己顕示欲ではあるのでしょうね。
でもどうでしょうか?
こういう夜景って、3日見たら絶対飽きるよ、っていわれます。
住宅を数多く設計している建築家の方から、よくいわれるんですよね。
わたしども庶民にしてみると、あたりを睥睨するような都心立地で
ネオンきらめく夜景を見ながら、っていう住環境ってなかなか経験したことがないので
その言葉を実感することができないでいます。
しかし、空間のプロのみなさんですから
実体験や、そういう環境にいる人からの実感を伝えてくれているだろうと思うのです。
その論拠を聞いてみると、
ネオン輝く夜景には日々の変化はなにもないに等しく、全然変化を感じられない。
それに対して、自然の緑などの環境は
1日、1時間たりとも同じ眺望ってありえない。
季節の変化や、気候の動きが直接的に理解できる。
ちょっとまえによく言われていた「1/fのゆらぎ」って、いうのが感じられる。
だから、自然の眺めはやすらぎを得られるけれど、
人工的なものは、人を緊張させる方向に働いて、
やすらぎを得ることは難しいのだ、というような意見のようです。
このことは、自然環境の豊かな土地に住み始めた人が取材で
異口同音に漏らす言葉でもあります。
海辺に家を建てた人から、1日中波が寄せる様を見ていて、
「ぼう〜っとしていても、全然飽きないんだわぁ」っていわれることがありました。
確かに夜景がきらめく、というのは比喩的な表現で
実際には全然変化のない光の連続しかないでしょうね。
というわけですが、どうなんでしょう?
さて、みなさんは一体、いかがお考えでしょうかね?

札幌地下鉄額面広告

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写真は現在掲出中の札幌地下鉄額面広告。
今回の特集は、「価値の再生」というテーマでリフォーム
ひいては、家への愛着の高め方、というようなものですので、
ちょっと雰囲気重視で作ってみました。
雑誌の交通広告というと、どっちかと言えば、タイトル重視で
これでもか、これでもかと、記事の引き文句が並ぶのが一般的。
そういうのから比較すると、まぁおとなしい、商品広告に近い仕上げ。
どんなふうに見られるか、効果的か、
出している方は、いつも不安なものなんですよね。
写真が、雰囲気とか、趣、というようなものを無意識に感じさせる玄関ドア。
で、思ったんですけど、やっぱ住宅の本質的な意味合いは
その家が、独特に醸し出している雰囲気なんではないか、と。
古くから建てられていて、住んでいるひとたちが愛着を持って暮らしているんだな、という家には
たたずまいとして、何か伝わってくるものがあります。
ピカピカの新築の家では絶対に感じられない、ある重さでしょうか?
最近よく使われる言葉で言えば、品格、というようなもの。
こればかりは、どんなにがんばっても、建築の作り手だけでは作り出せない部分だと思うんです。
そういうお宅に伺うと、自然に背中がシャンとしてくる、みたいな。
具体的になんだ、といわれても言葉では言いにくいんですけど。
でも、最近の家づくりでは、そういう部分へのこだわりも感じられる家も見られます。
やっぱ、衣食足りて、ということで、住宅にいろいろな部分を求めるユーザーが増えています。
わたしたちのような雑誌の作り手の、本来の意味合いって、
そういうことへの関わりを意識しているべきなんだと、思う次第。
でも、そういうお宅に巡り会える瞬間は、大切な時間です。
きょうは一枚の写真から、ということで。