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リフォーム投資の底上げ

写真はきのう東京北の丸公園の日本科学館という場所で開かれた
国交省関連のセミナーでの資料から。
長期優良住宅先導的モデル事業の昨年2次募集の経過解説のセミナーです。
国の政策というのは、やはり国の政策であって、
特定の方向性を期待して、その方向性に産業界を指導していこうというのが
基本的な国交省など国の機関のスタンスなのですね。
そう言った印象を強く受けた次第です。
そういう基本的な流れがあって、
そこにたとえば政権交代などの動きがどのように変化を与えるものかどうか
期待感も持って聞いていたのですが、
まぁ印象としては、テコでも動かせないスタンスというのがあると感じます。

この長期優良住宅先導的モデル事業、
ことしは名前がまた少し変わって「長期優良住宅先導事業」になるのだそうですが
国交省の住宅関係予算が大きく削減されている中では
総額で330億円規模が確保されているということで
大きな政策的ウェートが掛かっていることが窺われます。
そのなかでも、リフォームについて政策的に底上げが図られています。
日本の住宅投資は、新築が80万戸近いのに
総額のGDP対比では欧米先進国と比較して少ない現状にあるということ。
ドイツなどでは、5%超なのに、日本は3%程度なのだということ。
リフォーム関連の投資と言うことでいえば
写真のように、ドイツの4割程度なのですね。
これをみて、どういう風に考えるのか、
まぁ、政策的にはリフォームを促進して産業育成していこうという方向は見える。
ただ、リフォーム投資ばかり見ていても疑問とは思う。
欧米の住宅と日本の住宅のスケルトンとしての価値はどうなのか、
木造がメインではなく、組石造が大きな割合である国々と、
単純に比較することができるのか、どうなのでしょう。
一方で、長期優良住宅事業の方では、盛んに活用期を迎えているのに
未利用のままになっている日本の森林木材資源活用のために
とにかく、その方向での提案要素にフォーカスしています。
で、木造で、本当に長期優良であるということについての論議は定まっているか、
どうも良く理解できない部分があります。
構造体への興味を高めるのなら、
本来、105mm角の基本規格を120mm、あるいはそれ以上に太くするとか、
太くするには原木の状況に制限があるとすれば、
ドイツが継続的に取り組んできたような集成材技術を高める努力が不可欠。
さらに、社寺建築が実現してきている日本文化の根幹である
在来木造構造技術を研究し、その免震性を論議や規格作りの基本にすることが
むしろ緊喫の課題のように思います。
長期優良であるということが、即、身近にある森林資源を活用する
それも林業経営の実態への真摯な改革なしで
民間からの「だったらいいな」みたいな提案ばかりに依拠して
そういう方向だけを「長期優良住宅」であると事実上、方向付けるというのは
どうも本末転倒していると感じる。

なんですが、リフォームへの住宅投資向上は
不可欠な方向付けではあると思います。
そうでないと、日本の住宅産業の明日の展望は開けない。
いつまでもスクラップ&ビルドでやっていけるわけがない。
そういう技術向上を計っていかないと、
日本の建築業に未来はないというのは確かに自明でしょうね。

北のくらしデザインセンター
NPO住宅クレーム110番|イザというときに役立つ 住まいのQ&A
北海道・東北の住宅雑誌[Replan(リプラン)]|家づくり・住まいの相談・会社選び

名古屋の高速道路

どうにも相性が悪いというか、なんというか(笑)。
きのうは吹雪の北海道から脱出して、ド快晴の名古屋になんとか到着。
なんですが、いやはや、ハラハラドキドキものでした。
ずっと心配していたとおり、冬の嵐でして
真夜中には雷まで、とどろき渡るという恐ろしげな天気でありました。
早く就寝していたので、目覚めも早く、っていうか、
早朝8時の飛行機なので、6時前には家を出たい。
そのうえ、この荒天なので途中の高速の状況も危ない、という状況でした。
インターネットで調べていたら、高速は札幌から苫小牧くらいまで
「通行止め」という案内が出続けていました。
それが、5時くらいになってようやく除雪が終わったものと見えて
札幌ー千歳だけは開通しているという状況。
家を出る前に、できるだけ雪かきはしておいてあげたい、ということで、
家の前の除雪もなんとかすませておきました。
で、なんとかカミさんと6時過ぎに家を出発。
高速道路は、ずっと降雪が続く最悪の状況。
断続的に強く降っているのですが、視界不良までは行かないというところ。
それが、千歳のインターで下りて空港に近づくにつれて
そこだけが日が差してきている(!)、奇跡的な天気なんです。
やれやれひと安心と到着したのが7時20分くらい。
チェックインを済ませて、除雪の関係で15分くらい遅れて搭乗。
でもそこから、1時間近く滑走路待機。
で、飛び立ってセントレアには、約30分遅れでした。

空港から名古屋駅まで列車移動。
名鉄電車駅からJR駅太閤口方向へ移動して、駅前のレンタカーショップへ。
カメラマンとはそこで落合い、若干の打合せ。
すぐに出発しなければ、時間はギリギリ。
ということで高速カードをセットアップして、名古屋市内の高速へ。
目的地は中央高速・土岐インターなんです。
名古屋市内の中心部からの高速って、みなさん、ご存知でしょうか?
カーナビがあってもなかなかわかりにくいので、どうも有名なのかなぁ。
普通、高速の出口って2車線あったら、左側にあると思うのですが
名古屋では右側なんですね。
それと、カーナビがちょっと遅い表示だったりしたら、
進路案内が間に合わない状況が結構多発するのです。
ほんのちょっと油断したすきに、やられてしまいました。
直線進路と、右カーブ進路の分岐があったのに、その先での「左側進路」
案内がカーナビから言われていて、左側に寄っていたら
みごとに、路をはずれてしまった。
なんと言っても、カーナビの進路アナウンスが聞き取れないほどに小さい声。
運転中は同乗者もアタッチできないので、
高速上では、何も操作できない。(そのあと、停止して操作しても声は拡大できませんでしたが(笑)、うむむ)
どうも相性が、名古屋市内の高速とはわたし、ダメですね。
何回か、乗っているけれど、どうにもわからない。
中央道に行くには、必ず小牧インターに一度行かされるのですが、
なかなか、2〜3度くらいでは、慣れさせてもらえない(泣)。
市内高速を抜けて、東名・名神・中央道といった幹線に出ると、
心の底からホッとさせられる次第であります(笑)。
そういえば、こちらのそうした不安感が運転に表れるようで
法定速度を守って走っていると、どんどん邪魔者扱いして、
(というのは、いつ出口に出るかわからないので右側を走ることもあるのですが)
これみよがしに追い抜いて、すぐにわたしの車の前に横入りする。
一度など、市内中心部でも、こういう嫌がらせ運転をされた次第。
まぁ、不案内なこちらも悪いのですが、
どうにも、なかなか、好きになれない名古屋の交通事情であります(笑)。
けっして悪口ではないのですが、もう少し親切な案内方法など
工夫できないのかなぁと感じさせられた次第なのです。
名古屋の方、気分を害されないようにと思います。
<写真は太閤口出口の見返しです>

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北海道・東北の住宅雑誌[Replan(リプラン)]|家づくり・住まいの相談・会社選び

本日出張、なんですが・・・

今年の冬もどうも最盛期に差し掛かってきたようです。
きのうから断続的にひどい天候に見舞われている札幌ですが、
「まぁ、もう峠は過ぎたかな」
などと期待半分で見ていたのです。
というのも本日早朝から飛行機による移動で、名古屋に出張予定なのです。
8時には出発なので、昨晩は早く就寝しまして、用意もあって
もう起きて準備しているところなんですが、
どうもこの冬最大の寒波到来のようで、
北海道内の主要な高速道路は通行止めの様子。
新千歳空港は昨晩までは順調に離発着できたようですが、
今朝はどうなるのか、どうも不透明。
しかし、さすがインターネット時代。
いろいろな情報を瞬時に確認アクセスすることが可能になっている。
ちょっと前まで、こういう情報にアクセスするには
やはり情報メディアからの伝達に頼らなければならなかったことを思えば、
まことに隔世の感がありますね。
交通の運行状況など、情報は大変限られていた。
行ってみなければわからない、というのが普通一般的だった。
そう言う意味ではすごい時代になったものですね。

しかし、やっぱり冬はまったく油断できません。
きのう紹介した新住協のQ1.0住宅一斉公開も
いちばん冬のきびしい時期に開催しようというコンセプトなんですが、
本当に一番厳しい状況になっています(笑)。
飛行機がもし飛ばないとすると・・・、などといろいろな
ケーススタディを頭のなかでするだけでも、どっと疲れが出る。
まぁ、しょがない、なるようにしかならないのですが、
今後のスケジュールもあって、やはり影響が大きい。
ここんところ、しばらく休みが取れない生活で、週末もずっと仕事。
きのうはそんななかで、久しぶりの休日。
と思ったら、午後からは会議への招集が掛けられまして、
まぁ、半日だけの休みであります(泣)。
さて、きょうは一日、天候に振り回されるような一日になりそうですが
覚悟を決めていかなければなりませんね。

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本日、全国Q1.0住宅全国見学会

わたしどもの雑誌Replan〜リプラン〜は、「性能とデザイン」というコンセプトで
寒冷地北海道が取り組んできた高断熱高気密の住宅技術研究の努力を
敬意を持って広報していくことを使命と考えています。
そうした努力の中核的な運動が新住協です。
環境建築、省エネという今世紀的な課題に住宅分野で具体的な成果を
もたらしてきつつある代表的な存在であると思います。
なによりも実態的に、全国工務店が主体意識を持って取り組んできている活動が
きわめて具体的で、実践可能な方法論を生み出しながら
展開しているという意味で、まことに稀有な運動だと考えています。
現在、新住協ではQ1.0住宅というプロジェクトに取り組んでいます。
暖房用消費エネルギーを、最新の省エネ基準・平成11年省エネ基準から
さらに北海道で半減、その他地域では1/4まで削減しようという運動。
CO2を削減して、省エネを民生部門最大の分野である住宅で実現する切り札と
この運動を位置づけて展開してきています。
それが、地域で家づくりを進めている工務店の取り組むべき社会貢献活動とも
一致するものと信じています。

新住協では、年に一回、もっとも寒さの厳しいこの時期に
「全国一斉現場公開」を行っています。
ことしはこの週末、土日連続で開催されます。詳細は以下で。
Q1.0住宅全国見学会

年々開催の範囲が拡大してきており、
ことしはなんと、九州地区・宮崎まで拡大しています。
高断熱高気密の技術はけっして寒冷地だけの技術ではなく、
室内居住環境をきちんとコントロールする基本技術であるということが
こういう広がりにハッキリと現れていると思います。
ぜひ今週土日は、お近くの会場にお出かけください。

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寺社建築デザイン_2

きのうのブログにある方からのコメントがありました。
つい最近まで北京に行ってきた方からです。以下、引用です。

写真が目に入ったとたん、あれ、中国かなと思ってしまいました。 すごく派手なデザインですよね、これ。 東照宮もこんなでしたっけ?
先日まで北京に居て、タクシーの中から社寺を眺めていましたが、日本に比べると、造りが乱雑で、美しいとは思えませんでした。 ひょっとすると、すべて再建されたコピーものかもしれませんが・・・
この組み手と言う技術は、日本特有のものなのでしょうか? 日本は、家具にしても、一分の隙もない精巧な造りは、高価なイタリア家具も到底及ばないものだと思います。

っていう感想・ご意見をいただいた次第です。
で、返信を書いているウチに、やっぱりこのテーマ、続けてみようか、と。

日光東照宮は、昨年も見に行っていまして、まぁ、極彩色・曼荼羅世界ですね。ところどころに動物がテーマにされていて、人工的である部分など、テーマパークとしても秀逸なものだと思います。江戸初期はどちらかといえば、中国的な感覚が受容されていたと思いますね。大航海時代からふたたびアジア回帰的な時期に日本文化は当たっていたものでしょうか?
組み手はけっして日本独自ではありませんが、発達の仕方が日本は異常に執着的だったという意味合いです。たぶん、屋根の端部のそりかえりを計算してそのカーブの具合も調整していたのだと思います。
中国の寺社建築、って中国には神社はありませんが、このあたりの端部への感受性がきわめていい加減なのではないかと思います。って、そのように感覚するのは、日本のこういった建築を見慣れているからなのでしょうか、ね。
目で見てのなだらかなデザイン感覚は、日本の寺社建築の作り用の方に
軍配を揚げたくなってしまいます。
このあたり、中国のみなさんの感覚はどうなのか、一度聞いてみたいです。

写真はどちらも日本の東北地域の宗教的建築の軒先隅角部の様子。
左側は、奈良〜平安初期創建とされる奥州市水沢の黒石寺。
右側は、きのうも紹介した江戸初期の仙台市の伊達氏廟所・瑞鳳殿です。
風化が進んでいるので、左手の黒石寺の色彩が創建時、どうであったかは
ちょっとわかりません。
しかし、平泉に残された建物群を見ると、
色彩はけっこう派手派手なものが多いので、そうだったかも知れませんね。
興味を引いたのは、この軒先隅角部をささえる構造の作り方が
左側の黒石寺では放射線状に木材が角度を計算しながら
一本一本、違う角度で組み上げられているという点。
一方の瑞鳳殿では、っていうか、それ以降の一般的な作り方は
隅角部に対して一本の木材が渡されて、
それに対して両方向からまっすぐに並べられて組み上げられていると言うこと。
こういった隅角部の作り方の違いは、どういう理由によるものか。
大工技量の部分と、技術的合理性の両方の部分で
大変興味をそそられた次第です。
個人的には、より古い時代だと考えられる放射線状のほうに
軍配を揚げたくなるのですが、
さてどうなんでしょうか、みなさんはどう思われますか?
ってまぁ、どっちでもいいよ、って言われそうなんですが(笑)・・・。

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寺社建築のデザイン技術

写真は、仙台市にある伊達家の廟所、瑞鳳殿。
戦争で空襲を受けて焼失したものですが、戦後になって再建されたものです。
当然、再建には慎重な検討が行われ必要な学術調査も行われて
再建されたものですから、デザインも創建当時のものが再現されたもの。
日本の寺社建築というのは、その時代時代の権力層の権威示威、
「おまえら、拝め」みたいな意味合いで建てられたものですが、
ちょうどこの時期というのは、江戸初期の時代。
江戸に徳川の政権が成立して、その全国支配体制が確立した時期。
意匠的には、江戸政権の建てた日光東照宮などと非常に似ている。
ちょうど、平泉藤原氏の建てた建築空間が同時代の平等院鳳凰堂などと
似たような構成になっていることとそっくりです。
たぶん、その時代のなかで権力内部の交渉、距離の近さなどが
このような意匠にまで及ぶ側面があったのではないかと思われます。
単純に、建築の作り手が同じ作り手で、目的的に同じデザインにしたというようにも考えられますね。まぁ、伊達の徳川へのゴマすり(笑)。
仙台には「東照宮」まであるという念の入った雷同ぶりで、すごいなぁと。
その後の仙台藩でのお家騒動でも
幕府側からは一貫して、仙台藩維持の方針だったことなど考え合わせると、
江戸政権への伊達政宗の「営業活動」の大きさを感じさせてくれます。

で、こんな建物が残されているわけですね。
ほとんど東照宮のデザインとそっくりなわけですが、
そのように考えると、そっくりであることが必要だったのだろうと思います。
特徴的なのは、せり上がりの部分の組み手や、欄間部分の意匠。
日本の寺社建築は、このせり上がりに異常な興味を示していると思います。
以前に、千葉県にある歴史民俗博物館で、
東アジア三カ国、日中朝3カ国の建築文化の違いについての展示がありましたが
よく似た出自と思想的な共通性の中、
いくつかの部分で明確な違いが感じられました。
そのなかの大きな部分がこのせり上がりと組み手。
せり上がりというのは、雨の多い日本の気候条件の中で外壁の保護のために、
軒の出をたっぷりと取る必要性があって
その構造を維持するために、補強的な意味合いがあって造作されたもの。
こういう建築表現は、けっして住宅では行われなかったのが日本ということ。
権威に奉仕する建築としては、そういう手法の独占性に希少性を与えた。
武士の身分差に門の構え方を決めていたというのと同様なのか。

せり上がりって、やはり見ていてリズミカルで
その軒下、半外部的な「バッファーゾーン」にいるとなにか楽しい。
それって大きな軒の出が、雨とか、強烈な日射から保護してくれていて、
しかも外部的な空気感に触れられるという、
日本人が好きな空間性要素を支えている部分の意味合いが大きいと思います。
北海道の建築家・五十嵐淳さんが「バッファーゾーンを
大きなテーマにしていますが、日本的な感受性の部分なのでしょうか。
しかし、その組み手と言われる木組みの様子は
なんとも芸術的なまでの意匠性に彩られていて、すごい。
よくもまぁこんなにゴテゴテとした建築意匠にしたものかと
遙かな後世のわれわれを、驚愕させるに充分なのではないでしょうか(笑)。
こういう木組みの部分にはくぎなどの金物は一般的に使われない。
複雑に組み合わせ計算された木の造形物を組み合わせるだけで構造、です。
まぁ、ひたすら面剛性・耐震強度の方向で考えるのではなく、
「免震性」というように構造を考えてきた象徴のようなものなのでしょうね。
こういう部分、伝統大工だけの技術にとどめず、
構造技術としてしっかり研究し、後世に伝える義務はあるでしょう。

まぁ、それにしても極彩色デザインで、
あんたはすごい、って感じさせられます(笑)。

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融雪溝

東北の町を歩いているとよく見かけるのが融雪溝。
写真は青森県青森市内でのものですが、
ここでは農業用に引かれていたとおぼしき用水路が
その用を足していました。
道路の反対側で、ママさんダンプで運んでいって落とす。
ちょうど大雪のあとで、除雪したあとなので
溝がほとんど隠れるようになっていました。
雪の多い地域では、いろいろな工夫がそれぞれに行われていて
温泉の出る地域などでは温水をそのまま路面に流して
温水ロードヒーティングとしているようなケースもあります。
場合によっては家の前に溝が通っているような地域もあります。
先日取材した福島県喜多方市近郊の集落では
そんな状態で流れていました。
車社会になる以前の時代には、地域の特性を明確に表したまちづくりの
大きな工夫だっただろうと思います。
このあたり、雪が降って歴史の長い東北地方ならではの光景。

ひろがえって、北海道ではこういう工夫はあまり見られない。
除雪というと、ひたすら夏場、公共事業工事に使用されるトラックを
最大限活用した陸上輸送による除雪がメイン。
大型機械による除雪の様子をアジアからの観光客に見せるツアーまであるということなんですね(笑)。
まさに公共事業投資が支えてきた北海道を象徴するようなもの。
まだ140年程度の開拓歴史しか持っていない地域なので、
まぁ、「合理的」な、やり方の方が似合っているのでしょうか。
それがまた、車社会への対応でも道路幅員の広さなど
目的的に作られたインフラにも似合っていると言うことでしょうか。
しかし、これからの低炭素社会では、さてどのように推移すべきなのか。
東北地域のこのような融雪溝は、たぶん、多目的に利用できると思うのですが、北海道ではいま、公共事業の激減にともなって
除排雪用のトラック車両の手配が、大雪などの時に難しくなっている。
どちらが、時代の変化に柔軟に対応できる工夫であるかは、
自ずとあきらかな部分があると思うのですね。

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木造に似せたコンクリート建築

写真は愛知県小牧市の小牧山山頂にある建物。
建物は「小牧城」というイメージを喚起させるかのように建てられているが
昭和の年代になって建築された、個人の建築になるもの。
奇特な方が安土桃山期の名建築「飛雲閣」に似せて建てたものとか。
なので、先日紹介した中尊寺金色堂・覆堂とは経緯が違うけれど、
ちょうど、似たような建物を見てきたので、
つい「あれま、やっぱりコンクリートかよ」と、
がっかりさせられてしまった次第であります。
しかし、これは公共事業ではなく、個人の篤志ということですので、
そう言う意味では、素晴らしいものだと思いました。

まぁ、ただ、木造にして欲しかったなぁ、というのが正直な気持ち。
木造の大型建築って、日本の伝統が目に見えて残されてきている
まさに建築と歴史を繋いできているものだと思うのですね。
京都の街から大型木造建築を取り去ったら、
さてどんな世論が巻き起こるか、たいへんなことになりそうですね。
しかし、現状では大型木造建築というのはたぶん、コンクリートより
ずっと高く付くのかも知れません。
ただ、現状での問題はそういう点ではなく、
日本の建築が、木造を重視せずひたすらコンクリート構造に立脚してきたという点なのですね。
先日来、なんども触れている耐震等級2建築の倒壊問題ですが、
いまだに国交省からも、建築のオーソリティからも
木造構造に対する基本的なスタンスが出てこないのはどうしたことなのでしょうか?
地震国日本で、火事では多くの建築が失われてきたけれど、
地震で倒壊してきた木造はそれほど多くはないのは、なぜなのか。
このことにもっとまじめに国費を向けて欲しい。
どうも明治の建築のベースの作り方が
コンクリート建築に大きく依存した西欧崇拝からスタートしていることが
すべての問題点の核心ではないかと言われています。
建築学会の構成の仕方も、意図的に木造を回避してきている。
木造はいずれにせよ、よくわからないということからスタートしている。
しかし、ヨーロッパでは大型木造建築が
むしろその「サスティナビリティ」ゆえに大いに注目されて
日本の奈良京都の大型木造建築にこそ、現代矛盾解決の方向性がある、
っていうような方向が強まってきていると言われている。
まぁ、このあたりは彼の地の木造関係者からの種々の情報なので
全面的にそうなっているとは思えないけれど、
振り返って、日本の木造建築へのスタンスって
やはりきわめて心許ないものがある。

で、やはり日本らしさというのは、木造の精神文化なのは論を待たない。
そう考えれば、公共的な建築物で木造は大いに考えられてしかるべきだと思う。安易にコンクリートを選択すべきではない。
過去の歴史時代、立派な建築を作ろうとしたら、
やはり依拠すべきなのは木の文化であったのが日本なのです。
そういう歴史とのつながりが、どうもコンクリートしか構造研究が
進んでいかない現実の中で、
多くの精神文化の面で、失われていっているものがあると思うのです。
立派な建築はやはり木造で丹念に作り、
火事に対する細心のメンテナンスを心がけるのが
正しい、日本的建築文化への態度なのではないかと思います。

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「寒さの質」の違い

間に先週末の土日の一時帰還をはさんで
都合2週間にわたっての取材ツアーから昨日夜、帰還しました。
南は愛知県名古屋近郊から、北は青森県青森市まで
途中、東京や仙台など2日程度の滞在はありましたが、
ほぼクルマや新幹線など、移動に次ぐ移動。
このように集中して取材活動をすると、情報も一気に集約されて
いろいろな意味で現在状況というものが見えてくる。
もちろん、よくわからないこともより大きくなってくるのですが、
それでも、現在位置の把握にはもっともいいと思います。
住宅を巡る技術の現在状況や、ユーザーの各地域ごとの違いなど
いろいろな視点が見えてくるものなので、
大いに仕事に役立つと思います。
まぁ、それとなんといっても、
各地域の気候の違いには、いまさらながらびっくりしますね(笑)。
北海道にいると、自分のところが少なくとも寒さでは一番と思っていますが、どっこい、体感的には超える地域もありますね。
また、それぞれの地域で「寒さの質」に違いがある。
基本的には気温の違いが決定的なんだけれど、それとも違う要因がある。
風の向きや、その温度による違い、
冬場の晴天率による違い。
気温と、太陽輻射熱との関係についての体感、などなど、
いろいろな体験による違いが、くっきりと目立ってきますね。
雪はあまり降らないけれど、積雪した山からの厳しい吹き下ろしが
その場所の気温以上に、きびしく皮膚から熱を奪っていくように感じられる長野県山間部では、太刀打ちできない寒さがあります。
一方、ほとんど冬場晴天率が低い秋田県や津軽などの地域。
寒さは北海道に比べればそうでもないけれど、
やり場のない閉塞感に包まれざるを得ない暗い冬のつらさ。
そのような冬の質の違いを、北海道の人間として体感できたのは
大変貴重な機会だったと思います。

っていうようなことで、ようやく札幌に帰還したのですが
やはり冬であります。
さっそくの降雪で、朝はさっそく雪かきにいそしんでおりました(笑)。
ただ、さすがにカラダのあちこちが痛くて重い。
やむなく、だらしない雪かきの仕方で、やや恥ずかしいような
写真のような状況であります。
ごまかすために、絵画的な写真表現を試みました(笑)。

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冬の角館武家屋敷

秋田県での取材でした。
能代での取材で、帰り道、気になっていたクルマをチェックしてもらったら
エンジンオイルの減少とプラグの劣化が指摘されまして
どちらも交換してもらったら、一気に解決。
走行中、気になるノッキングが発生していたのですね。
時間は掛かりましたが、安心してドライブできるのはありがたい。

ということで、長期にわたった出張取材も
本日ようやく札幌に帰還できます。
なのですが、別件の取材意図もあり、角館の住宅群の冬の様子を見て参りました。
秋田で取材していて、やはり秋田的な感受性の中心に
角館の育んだ感性というものが抜けがたくあると感じています。
住宅内部の空気感や、光の入り方の感覚、また地域の薫りのような部分まで
秋田という地域性に、こういう部分があると思うのです。
まぁ、そんなものを感受しておきたいという次第です。
海岸部の秋田とか、能代ではほとんど積雪は見られませんが、
さすがに内陸に入り込むと、雪が多い。
しかし、北海道の雪の季節とは
やはり風の感覚がまず違う。
海岸部とは違うので、こちらでは風があまり吹いてこない。
そして湿度感がこれまたまったく違う。
北海道は気温が低いのはもちろんだけれど、圧倒的に空気に
ドライ感覚が強く感じられるのですね。
東北や、日本全域で、太平洋側と日本海側で大きく冬のありようは
大きく違いがありますが、
北海道の冬は、またこういう違いとも少し違いがある。
まぁ、そんないろいろな思いが角館の冬の空気の中から
強く感じられたのでした。

写真はある典型的な武家住宅ですが
屋根雪が重たく堆積していて、ときどき暖気の影響で
どさっと、落ちてくる。
そう言った音も含めて角館の冬って、伝わってきます。
建物の壁面や雨戸建具を保護するように、雪囲いが施されています。
もともと日本海側で日射が少ない上に
このように囲いをするので、基本的に大変暗い室内になる。
そういう建物内部に彩りを与えるように
京都文化の「雛飾り」が据え置かれている。
こんな情景が、ながく秋田のひとの生活の基本にあって
そういう感受性を育んできているのだろうなぁと想像できます。
でもわたし、北海道札幌の人間として
秋田には、どうしてもMotherな部分を感じてしまう自分がおります。
このあたり、どうなんでしょうか?
あまり一般性はない意見でしょうか?

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