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日本と東アジア世界−3

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お盆期間中でもあり、こういうシリーズブログを書いていて
ふとフジテレビ系列を見ていたら、
なんと、いま公開中の「終戦のエンペラー」という映画のクライマックスシーンが流されていた。
昭和天皇と連合軍最高司令官・マッカーサーとの会見の模様で
この史実には公式的な記録はない、とされているので、
フィクション、という断り書きを入れながら、
しかし、視聴率の高いフジテレビの朝の情報番組ということもあって、
その内容が、ある意図を持って放送されていることは明らかだと思いました。
日本の敗戦が確定し戦争が終わった記念日の翌日に
いま、東アジア2カ国とのあつれきが高まっている時期に
こうした内容が流されていることから推察すれば、
官房機密費あたりがフジテレビに流れて
公開中の映画の1シーンの放送許諾が得られたのではないかと想定できた次第。
その内容としても、昭和天皇の役者が
「この戦争についての責任は自分一個人にあって、国民にはない」と語り
それを受けてマッカーサー役には
「いや、あなたには、戦後日本の構築のために働いてもらわなければ」
というようなセリフを言わせて、いわば「前向きに」処理されたように描かれていた・・・。

米ソに占領支配され、東西に分割されるという苦難も味わいながら
ナチズムに正面から立ち向かって
国際社会に対して、いわば正面から外交的な立場を表明し続け
平和国家としての認知を受けてきたドイツと比較して
いわばアメリカだけに占領支配され、その後、
アメリカの世界戦略において地政学上の重要な役割を担い続けさせられてきたのが日本。
第2次世界大戦後の同盟した2カ国の状況は今日に於いて
大きな違いが生み出されてきている。
たぶん、日米軍事同盟というものの存在が大きかったのだろうと思う。
アメリカは中ソという共産圏国家群の勢力拡張を抑えるために
米軍を日本に安定的に駐留させ、その世界戦略的利益をなによりも最優先させてきた。
その結果、日本は貿易関係に於いて有利な立場を持ち続け
経済復興はその大きな果実としてもたらされたのだと思う。
しかしいまアメリカにとって日米関係は、世界戦略上の優先度に於いてそう高くはない。
そうであれば、いわば普通の国としての扱いも場合によってはしてくる。
日中韓3カ国関係におけるアメリカのスタンスは
いわば、玉虫色に近いのだろうと思う。
中韓2カ国の姿勢は、いわば「戦後処理」についての
根底的問題の追及が根本にあると思われる。
そのような現実認識に立った上で、日本は東アジア外交「戦略」を十分に国民的規模で練った方がいい。
たぶん、アメリカはこっちの肩をそうは持たないという前提で。
感情論でムキになるのではなくこういう国際関係の中で、
日本としては、どのような立場を構築するのが国家戦略上、有益なのか
冷静な分析と対応力が必要とされるのだと思います。
いわば「普通の国」としての国際関係対応力、外交力が試されている。

お盆休暇につき、以上3回にわたってちょっと拡張したテーマに触れて参りました。
本業に立ち戻りたいと思います(笑)。

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