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学生の匠〜5 土間コンクリート

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土間をコンクリートで打ち込み立ち上がりの布基礎と一体化させることで、
強靱な基礎が出来上がります。
それが面として、建物の加重をしっかりと受け止め、
同時に地震などにも比較にならないほどの強さを発揮してくれます。
また、地盤補強が出来ない場合の地盤の劣化に対しても
一体化した「船」のような構造となって、
安定性が高まるのですね。
リフォームでここまで出来ればいちばん安心できます。
目的をしっかり把握して、工事を行っていくのがリフォームですが、
本来的に言えば、現在の建築技術のレベルはしっかり確保したい、
ということは言えると思います。
リフォームだからこそ、その時点での最先端な家づくり技術を
盛り込んで、安心できる家にすべきだと思うのです。
しかし、現状は、必ずしもそういった方向には行っていません。
劇的、うんぬんというテレビ番組では、その内容において
どうしても表面的な変化を追うあまり、
こういう性能面のことなどは、あまり触れられていなかったと思います。
極端な例では、熱環境について、ほぼ無理解と思われる工事が
これ見よがしに行われていたケースもありました。
また、多くの訪問販売系のリフォーム業者の工事などは
やって、かえって家の寿命を縮めるに違いない、というケースも多いのです。
そういうなかで、この学生の匠によるリフォームでは
そういう風潮に対して、しっかりした業者側の姿勢をあらわしていると言えます。
さて、写真左側で、コンクリートの検体をチェックしているのは
学生さんたちの学ぶ職業能力開発大学校の先生。
格好の現場教育と言うことで、先生自らコンクリート打設の現場に
立ち会っていただいて、現場監督役(笑)を引き受けていただいているところ。
本当に熱心に教育に立ち向かっていただいていると、
深く感銘を受けました。
やはり実学にこそ、教育の本分があるのではないか。
最近、教育について、いろいろな議論もあり、
国家・社会にとって、ほんとうの意味で必要な、目的感や倫理性が
「競争」のもとに、うち捨てられてきているような印象を抱きます。
倫理観を亡くして、競争を後押しして、
より有名な大学を、おおくのこどもたちに目指させることで、
ほんとうに強い社会、良い社会ができるのでしょうか?
自分たちの教えるべき事柄について
通常のカリキュラムを超えて、こういう実際の現場にも
真剣に立ち向かっている教師のかたの姿を拝見して、
なにか、ほっとする思いを持つのは、わたしだけでしょうか。

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