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盛岡再生15_外壁・窓まわり

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防風防湿のタイベックシート施行の後、
外壁材が張られます。ここではガルバリウム鋼板が施工されました。
写真左側、真ん中のように窓周りの気密処理を同時にはかりながら行います。
外壁材は、現在の考え方からすれば、基本的には
その内部の断熱層や通気層を保護する、という役割が大きくなっています。
いろいろな素材が使われていますが、
こうした通気層工法が取られるようになって、はじめのころは
もっぱら施工がしやすいサイディングが主流を占めていました。
それは大きくは変わってはいませんが、サイディングもけっしてメンテナンスフリーではなく
つなぎ目のコーキング処理(ようするに糊づけですね)など
きちんとしたメンテナンスが必要です。
それと、やはり素材自体が工業化学製品であり、
どうしても建物の質感に乏しい仕上がりにならざるを得ない。
そういうことから、現在はあまり積極的には採用されていませんね。
通気層工法初期には、施工方法が確立していなかったモルタルも
きちんと工法が出来上がってきたので、
採用が一般的になってきています。やっぱ塗り壁の魅力は捨てがたい美しさがあります。
また、もっと個性的な外観を求めて
この現場のように、ガルバリウム鋼板を使うというケースも増えてきています。
実は私の自宅も、これを15年ほど前に、札幌でも珍しいという頃に使ってみました。
当初は本当に珍しくて、いろいろな設計者の方達が、見に来ていました。
この素材は、鉄板表面をメンテナンスフリーに処理したもの。
サイディングのように化学製品ではなく、本物の素材であり
いろいろな曲げ処理をほどこして独特の質感を楽しめます。
ここでは角波状にしてあって、陰影感が面白い、表情豊かな外観を演出しています。
慣れていない方は、壁に鉄板を貼る、ということにびっくりする方もいます。
いずれにせよ、北海道で結構採用されてから、各地に広がっていったものです。
「北海道で大丈夫なら・・・」ということなんですね。(笑)
車の試験場も北海道に多く、北海道で問題がないなら
どこでも大丈夫というケースはいろいろな業種でみられます。
まぁ、住宅ももちろんそうなっているというわけなんです。
なんか、半分誇らしくもあるけれど、モルモットかよ、というのもあります(笑)。
でもわが家の外壁では、建築後15年ですけど、なんの問題も発生していません。
けっこう、外壁っていろいろなトラブルのあるものですから
そういう意味では、この素材は確かに外壁材として適しているとはいえるでしょうね。
ただ、見た目では角波はシャープな印象を出すのにはいいんですが
柔らかいとか、やさしさとかの印象などは難しい。
そこで、今度は壁面で違う素材を張ってコントラストを演出する、って言う作戦もあり、かと。
わが家の場合は、レンガを積んで対比させてみたりしたものです。
いずれにせよ、建物の印象をいちばん左右する部分です。
性能面をしっかり検討した上で、個性を演出する、調和を考える、など
いろいろな工夫を楽しんでみたいですよね。
また、施主さんの好みが最も表現可能なものでもあります。
みなさん、おおいに悩むのを楽しんでくださいね(笑)。

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