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【縄文「火炎土器」は優しいおばあちゃんの造形?】

先日書いた米大統領選の微妙な推移ですが、
米国内状況とは別に世界の超大国なので、友好国・同盟国の対応が難しい。
有力米国メディア2社以上が「当確」を打ったら、という情勢判断根拠から
EU諸国と日本は歩調を合わせてバイデンに「祝意」を送ったとされている。
EUの場合はメルケルさんとトランプの「確執」もあって、
どちらかといえば民主党政権寄りの姿勢が伝統的スタイルなので、
言外に常識的スタンスへの復帰「歓迎」的なニュアンスが感じられた。
それに対して日本は慎重に情勢判断してこのタイミングで意思表示した。
まぁ常識範囲での対応といえる。しかし、EUと日本のスタンスには違いがある。
今後、民主党左派の影響力が増大しそうなバイデン政権には、
相当デリケートな対米外交の構築が迫られるでしょうね。
移行期、前政権との良い関係を持っていた国として、距離感が難しい。・・・

一転して本日は火炎土器テーマ。写真は全国の縄文時代展示のなかでも特異だった
新潟県立歴史博物館で見学したモデル展示の様子であります。
ほぼ実寸大と思われる人物マネキンがさまざまな「縄文の世相」を
わかりやすく伝えてくれている展示です。
だいたい全国のほかの施設では画像とか、テキストでの説明が一般的。
ところが、新潟では研究員のみなさんの「思い入れ」が強く反映されている。

縄文土器でも、火炎土器というデザインはその着想の奇抜さに驚く。
ふつう生活必需品であれば、日常の手入れなども考えて
扱いやすく、洗浄などに便利なようにスラッとしたデザイン志向が優勢なはず。
ところが、弥生時代になるとそのように自然な傾向になっていくのに、
はるかな長期間、1万年も続いた縄文土器時代には、
この「火炎土器」のような生命力そのものを感じるデザイン。
造形的にも複雑で、まるで岡本太郎さんが生活雑器を作ったみたいなカタチ。
岡本太郎は作風からも、また著書でも火炎土器の生命力への心酔を語っていた。
先日のブログで書いたように縄文時代には、海の幸や山の幸をこの土器鍋で
「鍋料理」として食していたとされている。
この土器を石のつっかえ棒などで立てて底や側面側から直火で炙って加熱した。
デザイン表現の意図としては、その直火のさまを同調表現したものでしょうか?
自然の産物を火で調理して、食べやすく美味しく変容させることに
ある種の「呪術性」をそこに投影させたのか?
火への信仰にまで高められた人類の祖形を感じさせる造形ぶり。
いずれにしても意思的な、強い「表現性」が感じられる。
そういうことなので、男性・女性という概念からすれば男性的と思っていた。
ところが、この表現を見ると女性で、しかも高齢な方。
この優しげなおばあちゃんの手から、このような火炎土器が生み出された?
この点について「考証」がどのようであったのか、知りたい。
公共的な博物館の学芸員さんの「監修」であれば一定の根拠があったに違いない。
そう考え、了解するのが普通だと思います。
土器の制作自体、縄文の世では女性が担っていたという根拠事実があるのか、
そして高齢の女性の方がこうした作業に与っていたのか。
う〜む、岡本太郎さんにその血を伝えた偉大なおばあちゃんだったのかなぁ?

追記:こういう先史時代において、
日常の容器・土器は世界的に女性の手によって作られたのが人類普遍的とのこと。
細い口をもった煮沸容器などでも底に手で平滑化させた状況など、
女性らしい作り方が見られるとされているそうです。
やっぱり火炎土器は女性が作っていた可能性が高いのでしょう。う〜む。

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