仕事柄、新千歳空港は週に2回北海道とそれ以外の往復で利用する。
たぶん、年間利用回数は100回くらいでしょう。
50-60数年前の少年期、わたしはJR札幌駅から2kmくらいの街中に住んでいた。
市電が走っていて最寄りの停留所まで100m、停留所3つで駅に着いていた。
どこか遠くへ行くという夢想をするには、鉄道駅がベースだった時代。
その当時、父親がときどき仕事上の技術移転のために東京に行くことがあったけれど、
そのときは飛行機に乗っていた。
それは珍奇なことであり、地元新聞に利用者名が掲載されていた。
記録を見てみるとその当時は1日あたり1000人程度。年間で30-40万人。
おおむね道外から北海道に来る人の方が多かっただろうから
地元の人間が出掛けるのは情報としても価値があったものかと。
そういった時代から、いまや、年間利用者数はうなぎ上り。
2330万人あまりというから、1日で64000人ほど。
なんと羽田の利用者の1/4強が千歳に来ている。
羽田と成田合計で1億2,800万なので、対首都圏で18%以上になっている。
関空と伊丹の合計の関西圏で4,500万、それとの対比では52%。
首都圏人口が3,000万とすれば利用者人口は4倍、
関西圏人口2,500万とすれば、空港利用者人口は0.55倍。
一方で北海道千歳は人口530万人に対して、利用者人口は4.4倍程度になる。
まさに国内有数の、というか世界的にも高いレベルだと思われる。
特に首都のある地域以上に人口比利用客割合が高いというのは稀有。
そのような状況なので、先日は空港と飛行機との連絡がバスで
その通路が飛行機で塞がれて大幅に時間が遅れたりした。(写真上)
交通渋滞が、飛行機まで巻き込んできている(笑)。
たぶん駐機場が足りなくなってきて、
こういったところまで管制が及んでいないということなのでしょう。
こういった傾向がしばらく継続してきている。
日本人の人口は確実に減少することが予測されているけれど、
ことしから労働力としての規制が緩和されて、
以前からの傾向、多国籍化には一層拍車が掛かっていきそう。
人口減少はすでに相当進行してきているけれど、
GDP自体はそれとはパラレルにはなっていない。
こういう移動人口は、消費という意味では非常に大きな位置を占めている。
関西などは、アジア圏からの流入が関空事故で途切れたとき、
繁華街で閑古鳥が鳴いていたといわれる。
住宅サイズの建築という需要では、しかしこういう移動人口増加とは
どうしてもパラレルにはならないだろう。
消費とは言っても、資産的な投資側面が大きいのだからムリはない。
しかし徐々にいろいろな影響は見逃せなく発生してくると思われる。
労働力として日本在住を認められた人々の住宅需要というものもあるし、
すでにニセコ地域で顕著な「投資案件」的な需要も旺盛。
どうも単純な「人口減少住宅需要の急減小」となるかどうか、
市場の変化、動向を注視していかなければならないと思う。
Posted on 5月 23rd, 2019 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
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