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【凍結深度1m基礎外周100mmFP板でも床断熱?】

きのうは道東十勝で地域工務店グループ・アース21例会。
年に一度、十勝地域の家づくりの現在形を見学できる機会。
いろいろな気付きの得られる奥行きの深い住宅見学です。

写真は1件目の広岡建設さんの建築途中住宅。
ごらんのように基礎には分厚いスタイロフォーム(FP板)断熱100mmが。
この基礎、北海道十勝は「凍結深度」が1mが一般的な地域。
なので、見えている地面の下には1m相当の深さまで基礎が打ち込まれ
その外側にはこのように断熱が分厚く施されている。
北海道では世界の寒冷地と同様に地域ごとに
「凍結深度」が定められている。
地盤面には水分が含まれていて、その水分が寒冷で凍結し結氷して
地盤面を凸凹にさせてしまう。
その結果、建物が持ち上げられたりして水平垂直を保てなくなってしまう。
この凍結深度対策は北米・北欧・北東アジアの北方圏世界で
共有される考え方で、北海道の家づくりの基盤的な部分を規定していると言えるでしょう。
このことに準拠することからそこから上の「上部構造」も影響を受けてくる。

しかし、このような重厚な「基礎断熱」を造作しながら、
この建物の断熱の考え方は「床断熱」なのだというのです。
床断熱であっても基礎は1m掘り下げて施工する必要がある。
この基礎に対して、外周に100mm断熱する意味は、
1種換気の導入新鮮空気をこの「断熱された床下空間」土中をくぐらせることで
「加温」させることが主目的なのだというのです。
基礎断熱ではなく、床断熱235mmとしているのは「暖房必要空間」を
なるべく気積を小さくしたいということ。
いろいろな選択の検討の結果、このような仕様がこの地では適していると
判断されたと言うことです。
大変参考になる選択プロセスだと聞いていました。
なお、広岡建設さんでは自ら1種換気装置も販売されていて、
スモークガスを使って施工した一般の住宅の「換気空気の流れ」を実測把握する
実験も取り組むとされていました。
まさに寒冷地北海道のイマドキの住宅性能最前線の取り組みが活発です。

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