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住宅業界 作り手たちの草の根交流

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冬のこの時期、北海道は
全国から工務店などの団体来訪者が視察に来られる。
例年であれば、雪まつりが一段落して、視察には格好であるのですが、
ことしは春節にぶつかって、中国からの観光客がすごい。
札幌市内はどこのホテルも満杯という状況。
きのうは、秋田からの見学ご一行に早朝から合流して
札幌市内の住宅をご覧に入れて、
その後、夕方からは今度は埼玉県からのご一行と
ススキノで合流して懇親・情報交換会でした。

とくにきのう来道された埼玉の工務店グループの場合
北海道内の工務店グループ・アース21が
建築中の工事現場をセレクトして、断熱工事や気密工事など
手順を含めた現場的な、実践的な見学だったようで
口で語る説明ではなく、まことに直接的な体験を得られたようです。
みなさん異口同音に、ショックを受けたというような印象を語っていました。
断熱は、断熱材を入れれば良いというものではなく、
在来なり、2×4なりの建築構造との取り合いのディテールでの
気密の取り方にポイントが隠されている。
きちんと性能を発揮できる施工技術がもっとも肝要な部分。
切磋琢磨は、やはり現場での研修がいちばん有効。
さらに、北海道の工務店たちが、
どうしてここまでフランクに自社の技術を公開しあうのかについても
大きな疑問が提起されていました。
本州地区であれば、せっかく獲得できた技術は、
あくまでもその企業の秘密として、秘匿されるべきものになる。
それがどうして北海道では、かくもオープンになっているのか、
たぶん、そのことが一番の衝撃であったのかも知れません。
これはやはり、きのうのブログで書いたような、
「住宅を見せるのに心理抵抗が少ない? 北海道民」ということが
北海道の作り手たちにもごく自然なこととして
血肉化されているということなのでしょう。
きれい事ではなく、建築工法が革新されていくというのは
こういったことが本来的に核心的部分なのでしょう。

そして工務店の進化とは、
このような実践的情報交流を通して実現していくのだと思います。
もうすこし目的的に、こういった交流を企画していく必要性が
高まってきていると認識できた次第であります。

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