
きのうは山形市の東北芸術工科大学にて
同大学の教授である竹内昌義さんが「ファシリテーター」になっての
「住宅設計セミナー」が開催されていました。
旧知の竹内さんに加えて新潟オーガニックスタジオの相模稔さん、
そして今回初めてお目に掛かった日下洋介さんのいうメンバー。
山形の状況も知りたいということで参加してきました。
それぞれに興味深く、またいろいろなきっかけになりそうなことも
たくさん発見できて,大変有意義でした。
竹内さんからはじめに「(東北の方はシャイなので)質問がなくツライ(笑)
ので、ぜひあとでよろしく」みたいなフリがあったので、
シャイでは負けてはいない北海道人として、奮起して
いちばん初めに手を上げて質問したらそのあとたくさんの質問。
かえって時間が最後押せ押せになって盛況だったようです(笑)。
ということで、行った役目は果たせた次第。
で、セミナーの内容については多岐にわたるので、
いっぺんには紹介できません。
そのなかで初対面でしたが、その姿勢に同感できた日下さんの
発表の中での印象的なコトバが表題のもの。
発表されていた住宅事例、というか、設計プランの趣旨紹介では
過密住宅地での設計手法について丹念に説明されていた。
こうした条件の敷地はたぶん大阪に限らず、全国の都市住宅は
同じような条件にさらされている。
そのときに、窓をどう開けるかは、最大の設計ポイントになるでしょう。
この事例では「外部との交感」を中庭空間で実現させ、
隣居との目線に煩わしさのある方向にはほとんど開口させていない。
そのなかで南面正面道路側には唯一、大きな「ハイサイドライト」。
これは外観デザインの最大のアクセントにもなっているけれど、
この開け方を説明するときにこの言葉が発されていた。
「住宅の窓を考えるときに、その窓はブラインドやカーテンなどの
外部視線遮蔽の必要性があるかどうか。
ナシでも成立するかどうかをいちばん考えています」
ということでした。
これって、窓のデザインの基本だと思って聞いていました。
わが家でも密集地域に立っているので、
最初の新築プランニングの時、いちばん考えたポイント。
ただ、わが家の場合、数カ所はクリアできなかった。
「そのときは、ある意味、外部視線との勝負(笑)」みたいなことが
設計者と話し合っていた。最後のギリギリの局面では
そういった「決断」も必要にはなると思いますが
しかし、基本は日下さんの言うことがまったくその通りだと思います。
まぁ設計者のひとつの住宅の丹念な説明を聞くのは
考えてみれば久しぶりで、興味深くたのしく共感を持って
聞くことが出来ました。日下さん、ありがとうございました。
Posted on 3月 5th, 2019 by 三木 奎吾
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先日、わたしの「魚知識」の源泉である友人の
Shigeru Narabeさんからまたちょっと不意を突かれたご意見。
「バブルの前、のちに高度成長期と言われる中で中高生時代を過ごした。
この時代に3Cと言われた耐久消費財が
カラーテレビ・カー・クーラーであった。
この時代はモノに幸せの種があった。青少年向けの
モノカタログのような雑誌も飛ぶように売れた。
振り返って今、若者の車離れに象徴されるように
必ずしもモノは幸せの種ではなくなってきている。この時代の
「生き方の依り代」としての注文戸建住宅のあり方は難しいが、
多様性は重要なキーワードなのだろう。」というご指摘。
たしかにご意見はその通りで、しごくまっとうなもの。
このご指摘を受けてのわたしの反応・着想としては、
住宅業界というこの「空間を扱う」創造領域、
モノだとは言い切れず「モノ・ことがら」と言った方が良い
人間性を収める空間領域は「消費」の趨勢を考えて見たとき
今後の日本の消費の最大領域になっていく可能性がある。
・・・というように刺激されたのです。
そういえば、先日講演を受けた「スマートエイジング」研究の
東北大学・村田裕之特任教授からも「住宅は最終消費ですから」という
お言葉をいただいたけれど、この最終消費過程がより存在価値を
大きくさせてきているのが、現状なのかも知れないと思った。
戸建て注文住宅という領域は
現代人にとっても、たしかに最終的で広範な価値実現領域。
「未開拓」とは言えず、過去の人類的経験知蓄積も多いけれど、
さりとて常に一期一会的にあらたな空間創造は行われている。
インスピレーション的には過去から「学び」はするけれど、
やはり現代という背景の中からその都度生み出されてくるもの。
「モノ・ことがら」と書いたけれど、クルマや便利な道具たちとは
あきらかに違って、モノ消費というようには言い切れない。
家はたしかに結果としては「モノ」にはなるけれど、
その「作っていく過程」にユーザーも参加できる意味では
「創造的消費」という側面の方が大きいのではないか。
このように住宅という事業領域を再定義してみると、
さまざまな発展の可能性が大きく広がっていくと思われる。
こう考えるとさらに、家づくり関連の事業者というのは、
また違った性格の存在として自己認識していくことが可能だろう。
・・・というような気付きを得られた次第です。
Posted on 3月 4th, 2019 by 三木 奎吾
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所用があってきのう仙台から東京に来ております。
で、すこしの待ち時間が発生したので、住宅展示場を見学。
ふむふむ、はてさて、でありました。
特定の企業名、住宅展示場名は表記を避けますが、
ちょっとビックリの光景を見させていただいた次第。
首都圏などでは鉄骨の住宅がよく作られている。
いわゆるハウスメーカーという存在は工業化・プレハブとして
スタートしたその経緯があるということなのでしょう。
そもそもは戦後高度成長期に住宅が大量生産の必要性があるという
そういった社会背景があって政府肝煎りでの「ハウス55計画」という
既存の大工・工務店組織の対応絶対量の不足から
大量生産住宅企業の育成が政策的に取り組まれてきた経緯がある。
この国の官僚機構と高度経済成長の関係が
この住宅産業構造形成に大きく関わってきた実態を表現している。
もうすでに、その「大量生産」の必然性は消失していると思うけれど、
そういった「残滓」として、大量生産と住宅展示場モデルハウス群、
というのは一対の関係性を持ってきたのではないかと思います。
<余談ですが、いま地域自治体としての北海道建設部が
地域住宅建築業界に関与している南幌の事例はまことに稀有。>
モデルハウス見学というのは住宅雑誌を購入するよりも
より大きなユーザーの住宅検討機会とされる現実がある。
週末には住宅希望のユーザーをあの手この手で来場勧誘している。
ただ「どう見るべきか」という常識は存在していない。
ある住宅モデルハウスで驚かされたのは、
建築構造の鉄骨がそのまま、外側に露出していたこと。
3階建ての建物の「空中中庭」的な部分にムキ出しの鉄骨を発見。
この鉄骨はどうも内部の鉄骨構造に連結されているようだった。
いくら首都圏でも最低気温は零度を下回ることも多い。
そういうときに熱伝導として鉄骨構造は弱い。容易に結露する。
それが繰り返されると構造強度自体の劣化も避けられない。
北海道の常識からすれば、ちょっと怖ろしい。
さらに、ベランダなどで全開放型のサッシというのが多用される。
それがモデルハウスらしく、目を驚かすように各所で使われていた。
数カ所ではその先にベランダデッキ床のない開口部にまで使われていた。
そうすると法令的に危険防止のために手すりが必要になる。
掃き出しの全面開放型サッシの手前にそういうストッパーが装置される。
「???」という疑問がアタマのなかをグルグル(笑)。
そう、「まったく意味が無い」。
外に出られるワケでもないのに全開放型サッシをそこに使って
さらに危険だからと手すりストッパーを設置する。
これが「モデルハウス」なのだという。
さぁ、このモデルハウスの「見どころ」はどこなのかと考え込んだ。
って言うような次第で、疲れが一気にやってきていました。
これは、「モデルハウスの見方」という普及啓蒙を
仕掛けていく必要があるのかも知れないかと。
<写真は資料映像で本記事とはまったく無関係です。>
Posted on 3月 3rd, 2019 by 三木 奎吾
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最近、いろいろな取材をしてきて気付くことは
好きなモノやコトに抱かれて暮らしたいマインドが主流化していること。
こういうのって、考えてみたらごく当たり前ですね。
誰もが、基本的にはそのようにしたいと考えている。
現代でこういうモノコトを実現させる具体的なものは家づくり。
これまではしかし、この志向性を満足させられた人類はごく少ない。
大部分はいろいろなしがらみ、ムラとかの共同社会の一員として
あるいは組織に隷属して生き延びることがふつう一般の生き方。
そしてその不自由を当然と考えて人生を甘受した。
第一、自分にとってどういう家具が、生活用具が「好き」なのか、
というようなことにまで「選択」余地が広がったのはごく最近。
資本主義社会、民主主義社会が実現して大量生産と機械化が
モノの価値を平準化して、きわめて「民主化」させた。
この根源的な欲求に対しての具体的な「解」が現代では示されつつある。
っていえば、ちょっとオーバーかも知れないけれど、
個人個人がなにを好きであるか、という領域まで住宅は関わることになった。
最近聞いたユーザー動向として、
自転車が趣味の人が、家を建てるに当たって、
その趣味生活上の「好み」や嗜好について話が合う,合わないで
住宅の作り手・相談者を選別する,という事例を聞いた。
その好みを建築的によくわきまえたプランを求めるのだという。
「注文住宅」というものの「注文」の枠が相当拡大しているのか?
ちょっと前まで、こういった部類のことは
住宅建築者にそれを求めることに、ためらいや遠慮があったのではないか。
そういうことまで「求める」ことが始まったと言えるのだろうか。
江戸期の「旦那」衆に多くの人間がなれるようになった、ともいえる。
まことに世界に冠たる「戸建て注文住宅文化」の国であると思う。
ふつうの世界は、その地域に似合った生活スタイル保守主義があって、
それに乗っ取った生活が可能な家というベースを住文化として提供している。
そういう意味で、環境に適合することがアプリオリであった。
もうすぐ世界はこの日本のユニークな「文化」に驚くと思う。
結果、これら住宅群には統一的街並み形成への志向は感じられなくなる。
こういう趣向性の世界すら一般レベルでビジネス化させる
日本の住宅取引慣行、社会の相互理解の深さにむしろ驚くのではないか。
わたしにはどうもそのように思われてならないのですが、さて?
Posted on 3月 2nd, 2019 by 三木 奎吾
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写真は2間半×6間という総2階で30坪弱の
モデル住宅の内部にできた面白い空間の様子です。
札幌の「棟晶」さんが新住協モデルとして建てたもの。
このプランに至るには、実はいろいろな取捨選択が繰り返された。
最終的には日本の現在の住宅地の平均的な「間口」を踏まえ
さらに駐車スペース2台分を確保して
その上で若干の庭のスペースも確保させたい、という
さまざまな「平均的要望」をクリアさせて生み出された。
そういった経緯なのですが、細長いプランになる。
さてその体感はどうか、という実例モデルであります。
空間の感受の仕方というのは多様な要素があると思われるので
実際の間取りプランで空間を吟味するというのは、
なかなか表現しづらいところがあるものだと思います。
また、大人数でのワイワイドカドカ状態だったので、
それだけのじっくりした体験時間も確保できなかった。
そういう意味では次の機会に期待したいと思っています。
そういう体験の中でちょっとオモシロかったのが、
ごらんの写真の空間でした。
居間に隣接しているのですが、天井には火打ち梁が4つ集中。
火打ち梁とは、木造での床組みや小屋組みで地震や台風時に
発生する水平力による変形を防止するために設ける斜材で、
2階などの床や小屋組に設けるものを言います。
ここでは2階床1階天井が一発で仕上げられているので表し。
本来は構造の補強。構造は耐震性確保の問題があるので
このように表面側に見えるように出てくることは多いのですが、
ここではその火打ちをむしろ、この狭い空間に集中させて
独特の落ち着き感を演出していたように思われます。
火打ちを積極的にデザイン的に活かしてみようという意思を感じた。
この空間は狭めだけれど、相対してのお茶的な時間を過ごせそうで、
なにやら微妙な棚板風のものが1枚渡されてもいる。
ちょっとした観葉植物でも置けば、それこそ茶室的応接空間か。
そういう意味では座り椅子付きの現代風茶室。
観葉植物といっしょにコーヒードリップ機器を置けば
たしかにここで友人たちと語らうというのもオツかも。
そんな暮らしのワンシーンを想起させるような空間で、
そのような想像を巡らせると、天井の火打ちもまた意味ありげ(笑)。
1階床面積15坪になるのですが、そのなかでも
オモシロい空間ができているなと思った次第です。
みなさん、いかがお感じになるでしょうか?
Posted on 3月 1st, 2019 by 三木 奎吾
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わたしは料理は好きですが、材料についての知識が豊かなわけではない。
で、魚関係についてときどき料理で扱ってブログにアップすると
必ずチェックしてくれる貴重なお魚の「専門家」の友人がいます。
高校時代の友人Shigeru Narabeさんで、FBフレンズであります。
以下、先日の「サケ料理」などに関してのお魚の話題FB上でのやり取り要旨。
<三木 奎吾 (2万年前の列島古地図)を見ると
日本海というのは非常に面白い存在だと気付きますね。
対馬海峡しか太平洋と繋がっていない。想像を刺激される。
<Shigeru Narabe この時はほとんど淡水湖でシベリア系や揚子江系の淡水魚が
日本に分布を拡げることができたと考えられています。
<三木 奎吾 おお、ふたたびのお魚博士。
そういえば最近は中国人が日本食のおいしさに目覚めて日本的魚食習慣をはじめて
世界的に日本人好みの魚種の乱獲が見られると聞きました。
一説では中国の東シナ海というのは水深が浅くて、
従来はあんまり海産物への関心が薄いとされてきましたよね。
フカヒレは歴史年代を通じて日本の三陸産が珍重され続けたとも聞きます。
<Shigeru Narabe 中国全体の魚食文化としては、鮮魚は淡水魚、海産魚介は
乾物でというのが伝統だったのではないかと思います。
沿岸では新鮮な甲殻類の料理もありますが、上海ガニでさえ
淡水養殖されたものが主力だと思います。
そのような中で「俵三品」と呼ばれた煎海鼠・乾鮑・鱶鰭は、
日本産が最高とされました。その伝統があって乾燥ナマコの取引単位パレットは
60kgで一俵がもとになっていると聞いたことがあります。
もっとも今の単価では1パレット5,000~7,000万円くらいになりますので、
実際はもっと小口の取引も多いようです。・・・
っていうような様子で、いろいろ教えてくれるのでありがたい。
で、このやりとりの中で中国ってなぜか歴史年代を通じて、
それこそ遣隋使・遣唐使の時代から、日本の三陸海岸で獲れる
海産珍味をずっと希求していた事実があることに強く興味を持つ。
俵三品といわれるアワビ・ナマコ・フカヒレのほか、
昆布もまた、中国はずっと日本からの輸入に頼ってきたとされる。
どうも漁業というのは、それほどに日本の大きな資源なのかと
疑問がドンドンと膨らんできているのであります。
司馬遼太郎さんの書いた文章の中でも、
「中国人はなぜ漁業資源は自力更生しないのか?」
みたいな疑問が呈されていた。
まぁ日本の三陸海岸から北方は寒流と暖流が大遭遇する地球規模の漁場メッカ。
プランクトンが大変豊富で食味に優れた魚種は獲れるのでしょう。
しかしひたすら1500-600年もの間、輸入に頼るのはどういうことなのか。
漁業資源について詳しくはないのでいまだに疑問を持ち続けています。
地球規模での漁業の資源分布を勉強し直したい気分。
またふたたび、多くの人からお教えいただければと思っています。ふ〜む。
Posted on 2月 28th, 2019 by 三木 奎吾
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いまや温暖地域の住宅断熱気密の進化が熱い!
住宅性能の進化は、全国的なトレンドではありますが、
本来はその地域に根ざした工務店・ビルダークラスが目覚めて
地域の気候風土を知り尽くしている人間が、自分の体感センサーで
その地域の「高断熱高気密」の最適解を探っていくべきでしょう。
しかし1社1社での作り手の取り組みではできることに限界がある。
なんといっても、そうした作り手たちが忌憚のない意見交換をしあって
お互いの創意工夫を常に発表し合い、研鑽を重ねることが
きわめて重要なのだと思います。
とくに運動初期には家づくりの革新ポイントは見過ごす場合も多い。
そういうポイントを多くの仲間で情報共有していくことはきわめて重要。
北海道でも住宅性能進化の道のりとは、そのような作り手たちの
相互交流、活発な情報交換活動が基盤をつくってきたのだと思います。
こういった高断熱高気密「運動」とでもいえる活動で
北海道の30-40年前に似た活気が息づいているのがいまの「関西」。
中核として新住協関西支部の定期的勉強会がほぼ2カ月に一度程度開かれます。
きょうたまたま、その勉強例会の当日。
今回は当社スタッフも北海道から参加させてもらっています。
先日は中心メンバーのみなさんが冬の北海道で研修見学されていった。
こういった「情報交換」機会が家づくりの意識を高めていく。
という活動が昨年、Replan関西発行というカタチで結実したのですが、
ことしもVOL2が3月11日に関西圏の書店・一部コンビニで発売が開始されます。
こうした地道な住宅革新の活動の関西での「根付き」。
昨年の発行で、まだ少数ではあるけれど真摯に
高性能であってなお、デザインにもまっすぐに取り組む家づくりを求める
ユーザーの大きな手応えを感じていました。
ひとつの「波動」が反響を生み、それが次の波に引き継がれていく。
徐々にその波動が大きくなっていく、ということなのでしょう。
北海道で体感してきた活動がふたたび関西の地でも。
Replan関西VOL2「高性能な家。快適な日常。」
家づくりは日々進化し「住宅性能が高く冬も夏も快適な家」はあたりまえ。
それに加えて「素敵な家であること」も決して難しいことではありません。
関西圏特有の建築条件を克服しつつ
一年を通して快適で、見た目も美しい家づくりを厳選取材。
住まいの「ほんとうの快適さ」について一緒に考えてみませんか?
◆特集連動企画/「暮らすように泊まるホテル」
そこから見える家づくりの楽しみ
◆寄稿 今、知っておきたい。家づくりの新常識 <近畿大学教授・岩前 篤>
◆関西の優良住宅 実例集&ビルダー紹介
◆いごこちの科学 NEXTハウス <東京大学准教授・前 真之>
◆建てる前に知っておきたい! お金・土地・デザイン・性能
◆Q1.0住宅デザイン論 <新住協 代表理事・鎌田 紀彦>
性能美を備えた住まいは、豊かな暮らしの味方。
2019年3月11日発売・A4版 本体価格630円(税込:680円)
■webにて先行予約受付中!!2月26日(火)~3月4日(月)※期間中にお申込みいただいた方へは一部地域の方を除き発売日までにお届け。
Posted on 2月 27th, 2019 by 三木 奎吾
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さて、週に一度の「社長食堂」きのうも無事開店。
来週は東北関東への出張で帰ってくるのはムリなので、
ここで骨休めできる(笑)。ですが、手抜きはしません。
2週目に入った「焼き魚定食」メニューシリーズ。
今週はついに満を持して、北海道の食の王道、サケであります。
サケは先住民のアイヌからも「カムイ・チェップ(神の魚)」とされて
きわめて特異なソウルフードとされてきた。
別の名でシペ(本当の食べ物)と呼び、大きくその恵みに依存していたとされる。
石狩市では縄文時代の遺跡からサケ捕獲と推定される仕掛けが発見された。
一説では縄文時代が北海道と北東北で栄えた背景として
このサケ漁の安定した豊漁ぶりがあったのではとされている。
母川回帰性は生命のドラマを生み自然環境保護の目に見える指標でもある。
この列島に生きてきた人間のDNAにも深く関わっている気がする。
江戸幕府(松前藩)によるアイヌ統治時代には、コンブとサケは
アイヌ民族から和人への重要交易品目とされてきた。
和人との交易の重要な資源として移出されるようになり、
その運搬のために保存加工技術が高められていった。
アイヌの人たちにこうした「塩引き」の技術はなかったとされる。
わが家の家系伝承では高田屋嘉兵衛が活躍した江戸末期、
ご先祖様たちは広島県尾道周辺で製塩を営んでいたということ。
今で言う総合商社的な高田屋嘉兵衛の「北前交易」の活発化で
大量に移出されるサケの保存性を高めるため、製塩に適した瀬戸内海地域で
さかんに塩を生産したころに相当しているのではと推定しています。
もっとも家系の伝承では塩景気はその後、供給過多で価格暴落した(笑)。
そういった食品流通構造が広範に展開するほど、
サケという食品は,日本史に深く関わっていると思う。
おっと、かなり脇道にそれた(笑)。
このサケの「焼き魚」定食であります。
きのうはなんと北海道出身者がひとりもいない編集スタッフの輪番。
ということで、このサケを選んだ次第。
で、一昨日、魚がウリの食品スーパーで物色していたら
「定塩」というPOP付きの魚体の見事なヤツが並んでいた。
じっと品定めしていたら、まわりの初老の夫婦連れの方から
「これ、うまいよね。絶対オススメだよ」
といういかにも、説得力抜群のひと言であります。
表情を確認させていただいたら、これはまことに真実性が高かった。
迷わず速攻購入でありました。
定塩というのは鮭に塩分を加える際に低濃度塩水に48~96時間ゆっくりと
漬け込み、表面だけでなく身の中まで一定の塩分を加えていくのだと。
食してみて、そうかこういうのを言うんだとわかった。
まぁこういうサケの味わいは何度も食べていたけど、
これを「定塩」と名付けることは初めて知った次第。
アブラも載って箸の通りも素晴らしかった。
北海道人として、このサケの味わいはまことにソウルフルであります。
Posted on 2月 26th, 2019 by 三木 奎吾
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「少子化」の結果、住宅産業はゆっくりと
衰退産業化していくという固定的観念が長らく支配的とされた。
たしかに住宅への新規投資意欲を持つ新規購入者世代は当然減少していく。
しかし同様の危惧としてあった人口減少と経済規模の縮小ということは、
それを回避するための施策が政治の側で取り組まれることの結果、
現実に人口減少局面でもGDPの拡大が達成されてきている。
人口減少は具体的に予測することが可能であり、
それ以上に経済規模が拡大されれば社会として対応可能なのではないか。
そういったことにいま、日本社会は目覚めてきているように思う。
ひるがえって住宅の構造的規模縮小懸念。
ここにきて、ユーザー側の新しいライフスタイル変化が見えている。
北海道住宅通信さんの2.25号で
「デュアルライフ注目高まる」
〜一般層に広がる都市と地方の「2拠点生活」〜
という記事が掲載されていた。
ポイントして記事中では北海道が推進している北海道体験移住
「ちょっと暮らし」〜移住や2地域居住の希望者に対して
住宅などを用意して生活体験を支援する制度〜の利用者が
2006年度は209件だったのに対して2017年度は2099件になっていて
約10倍の伸びを示しているという。
・・・わたしとしては、こういう2地域居住の伸びは
移動のコストが劇的に下がって来ていることが大きいと考えています。
経済活動というのは動態的なものであるので、
ある時点での条件をそのまま未来永劫不変と考えれば、
住宅の主要な「動機」が新規の住宅建築、それも子育て世代、
というように市場限定になっていって構造的に規模縮小するけれど、
どうも市場環境の変化ということをしっかり見なければならないのでは、
というように強く思われるのですね。
この2地域居住ということも、その前提として
「移動」という概念が大きく変化してきていることが与っている。
首都圏や関西圏からの北海道への移動の飛行機コストが
現実的に大きく低下してきている。
ちょっと以前までの航空会社のトラスト的な価格維持が通用しなくなってきて
世界的にも大きく価格の低下が一般化してきている。
いまの千歳空港のビッグバン状態を見れば、おのずと明らか。
2居住地域間の移動コストが下がり、航空機という
非常に遠距離でも数時間の忍耐で環境チェンジが可能になれば、
居住と言うことの重さ・バリアは大きく低下する・・・。
すでに日本の観光来訪者は4,000万人という目標達成間近。
国内移動ニーズとを合わせれば、移動という市場規模の拡大、低コスト化は
世界的に見ても必然的な趨勢でしょう。
北海道ニセコ地区への欧米系や香港・中国資本の旺盛な投資意欲を見れば
この流れは今後とも加速していくことは間違いなさそう。
こういった市場環境変化が、住宅というものも変えてくる可能性がある。
誌面記事の流れとはまた違った印象を強く持った次第。あしからず(笑)。
Posted on 2月 25th, 2019 by 三木 奎吾
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先日昼時、ちょっと小1時間手待ち時間ができた。
で、以前から気になっていた「地底の森ミュージアム」を再訪していました。
たしか、相当以前に一度見た記憶はあるけれど、
時間が無かったので、駆け足だったような記憶。
2万年前のこの地の森の様子と、人間のキャンプ・焚き火痕跡があった遺跡。
その後、いろいろな人類史の最新知見をたくさん知って
とくに「サピエンス全史」などの考古の最新研究に接するようになり、
また昨年2018年7月には同時期のNHK番組にも感嘆させられて、
【サピエンス人類史・日本列島フロンティアの解明】
という記事も書かせてもらっていました。
ということから、以前の訪問記憶を再度確認したかった。
NHK番組で紹介されていた、当時の「スンダランド最北部・台湾」から
日本列島最西端、石垣へ当時の最先端技術である丸木舟で
海流を突っ切っての渡航チャレンジは、3万年前とされていた。
それに対してこの仙台市太白区長町の石器時代痕跡は
2万年前のものということ。
考古年代としてはどちらも根拠の正しい年代特定なのでしょうから、
当時とは日本周辺の陸海のありようも相当違っていたことが推定できる。
歴史年代的には2万年前というのは、まだ「縄文」は始まっていない。
縄文は15,000年前とされているので、
まだ石器時代ということになる。もちろん3万年前も石器時代。
日本列島最先端では3万年前からより南方からの移住が試みられ、
一方こちらの列島海岸線中北部、仙台周辺では
2万年前ころは、最終氷期のまっ盛りで依然として狩猟採集が行われていた。
この場所は、当時の海岸線(下の写真)から考えると
相当の「奥地」であって、この場所まで人間がやってきた痕跡があるのは
大型陸上動物の狩猟を狙っていたのだろう、という解説があった。
当時の樹木痕跡もあって、それの様子ではやはりいまよりも相当気温の低い
寒冷地適応型の植生。で、地面も湿潤な湿地的な場所だったとのこと。
展示を見ているうちに思わず時間を忘れそうになるのですが
今回も、いろいろな資料や知見をたっぷりいただいて
時間に追われるように施設を後にしていました。
それにしても、考古の世界の奥行きにはいつも想像力が刺激されます。
Posted on 2月 24th, 2019 by 三木 奎吾
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