本文へジャンプ

ありがとう、日ハム優勝!

きのうは、仙台からスタッフが全員参加してきて
札幌の本社で全体会議であります。
年に数度くらいしか機会を持てないので、
会議終了後は、歓迎の懇親会を開きました。
なんでも坊主も「クラス会」を開催していたと言うことで、
夜は家族全員、外食になっておりました。

なんですが、
ご存知のように、わが北海道日本ハムファイターズ、優勝決定であります。
試合がなかったのに、1万5000人以上が札幌ドームに集まって
西武ライオンズの敗戦を球場で確認して
胴上げを見届けたのだそうであります。
それもグランドが一般にも開放されて、選手のみなさんとファンが
同じ目線で、優勝を祝いあったのだということ。
わがチームの最近のスローガンは「共に戦う」でして、
ファンとチームが強い一体感を持って終盤戦に臨んでいたのですね。
そういう意味で、なかなかにいい趣向だったのではないかと思います。
さて、今シーズンはダルビッシュが大リーグに移籍して
大エースが抜けた後の厳しい状況でのシーズン。
加えて、監督も交代して、まったくの新人監督の采配。
期待と不安の入り交じったスタートでしたが、
序盤戦、最初は2番を打ったりしていた稲葉選手の驚異的なハイアベレージなど、
若い投手を盛り立てるかのような活発な打線の働きや、
救援投手陣の充実などがあって、
一気に戦力ダウンした若手主体の先発投手陣の育成に取り組んでいました。
そういうなかで、過去何シーズンも勝てなかった吉川投手が覚醒し、
今現在で14勝というチーム最多勝の活躍ぶり。
そっくりダルビッシュの穴を埋めてしまう躍進を見せてくれました。
左投手の本格派で、150km近い力のあるストレートで勝負する。
こんなすばらしい潜在能力があったのに、なぜ昨シーズンまで勝てなかったのか。
ダルビッシュという大きな主軸がいる中で、
なかなか飛び出してくる機会に恵まれなかった側面はあるけれど、
やはり今シーズンは、メンタルの面で大きく充実していたのだと思います。
「監督が、背中を押してくれていた」と吉川選手、語っていたようですが、
育成しながら勝っていくという、わがチームの基本方針どおりの
すばらしい戦い方で、みごとに若手選手が伸びていっていると思います。
シーズンを通して、こういう若手を前面に出しながら、
一方で、投手の武田勝、野手の稲葉選手などベテラン、
小谷野選手や田中賢介選手、糸井選手などの中堅も見事な働きぶり。
長いシーズンをバランス良く戦ってきました。
まことにうれしいです。

さて、ここからはポストシーズンの戦いに向けて
再度、戦い方を再構築して、
最終的には、育成に目覚めつつある巨大戦力・巨人軍打倒を目指してほしい。
頑張れ、北海道日本ハムファイターズ!

<写真は、息長く戦って欲しい願いを込めたカメさん>

間取り優先の家づくり

家をプランするときに一般的にわかりやすいのは
間取りを先に考えて、固めてから施工の手法を考えていくというスタイル。
確かにわかりやすい考え方だと思う。
しかし、そうすると性能を考えた家づくりとしては
無駄の多い建築にならざるを得ない場合が多い。
上の写真のような住宅が典型。1階の計画がまずあって、
「あと、2階には6畳の部屋がふたつかなぁ・・・」っていうような間取り。
2階は付け足しのような存在なので、ごらんのような
1階部分と2階の取り合いになるケースが多い。
この場合、1階は「下屋」的な作り方になる場合が多い。
傾斜屋根と相まって、1階2階の「逓減」的なプロポーションも特徴的。
そうすると室内はこんなふうな「気密化」状況になる。

1階の天井・小屋裏と2階の壁面の断熱と気密が
複雑になって、ここで気密が切れてしまいやすくなる。
この家では、丹念に気密施工されているので問題はないだろうけれど、
業者さんの施工能力に大きく依存せざるを得ない。
たぶん、こうした気密化処理がどうしてこうなのか、
理解できる施工者は、本州地域では少ないと思う。
「こんな面倒なビニール処理なんて、やっていられるか」
というような大工さんの声がこだましてくるように思います。

逆に北海道では、あんまりこういう外形の家は見られなくなってきた。
施工の合理性への認識が一般的にも普及しているので、
適正でシンプルなボックスの方が、好まれる傾向にある。
なにより、間取り計画の考え方がだいぶ違いがある。
間取りは建物の全体計画に従属していて、
なるべくシンプルな外皮になるように計画して、
その範囲内で、内部空間を利用用途に仕切っていく、という考えに近い。
そうすると断熱や気密化の施工がきわめて合理的になっていく。
もし「残余」の空間が出来たとしても、それは吹き抜けにしたりして
内部気候の調整要素として利用して行く考え方になる。

こういうような大きな違いに気付くわけですが、
本州地区でも、古民家などを見ていると、
間取りについて言えば、北海道の現代の考え方にきわめて近い。
大きな断熱外皮である茅葺き屋根がシンプルな形状を覆うように施工され、
外観的にはまったく無駄のない形になっている。
間取り優先か、メンテナンスもしやすい合理的形状か、
もうちょっと、家づくりで論議を深めてほしいものだと思っています。

高齢世代の住宅投資は?

本日の日経にこういう記事が出ています。

シニアが握る「6兆円需要」耕せ 脱デフレのカギ
高齢者の求める商品やサービスを企業が開拓することがデフレ脱却に寄与するとの見方が出てきた。シニア層は消費の主役になりつつあるが、企業の主なターゲットは若者や40~50代向けで高齢者の好みに合わない。シニア層には旅行など余暇活動や衣料品で1年間に6兆円超の需要が眠るとの試算もあるだけに、一部の企業は動き出した。
 国民の4人に1人が65歳以上の日本。年齢層ごとにみた個人消費で「65歳以上」の比率は約30%に上る。あと数年で「40~59歳」を抜き、トップになるのは確実。シニア層が消費の主役になる時代は間近に迫る。
 日銀は8月のリポートで「企業が変化に十分対応できていない」と産業界に異例の注文をつけた。シニア層の欲しいモノがなく消費が盛り上がらなければ、需要が供給力を下回る「需給ギャップ」が生まれやすい。余った商品を無理に売ろうと値下げ競争に走ることがデフレの一因になる。シニア消費は脱デフレのカギを握るとみる。(以下省略)

これからの住宅投資は、いったいどうなっていくのか?
こういう命題に確実に答えられるのであれば、
まったく苦労はいらないわけですが、
しかし、若年層から中年層世代という子育ての巣作り、という
戦後以降、都市労働力への地方からの大移動にともなって発生した
住宅の基本需要要因層は確実に減少もしくは消えていく。
一方で、リタイアしてなお健康である人口は、おおむね20歳分はあるといわれる。
健康状態は良く、しかも余暇時間はあって、お金のゆとりはそれなりにある、
というマーケットゾーンが歴史的に初めて出現する。
住宅の取材をしていて、
興味深い家づくりをしているのは、この年代が多いと言うことも
体験的に良く理解できている。
しかし、これまでは圧倒的に家族形成ゾーンの「初めての家づくり」に
住宅業界全体がシフトしてきているので
とにかく最多ゾーンを狙っての企業戦略に各社が集中してきている。
デフレ基調のなかで、価格訴求力が最大のセールスポイントになっているのが
ここまでの住宅業界の基調であるのかも知れないが、
いまや、大きく舵を切っていかない限り、
需要層の変化のスピードに追いついてはいけないだろう。

そんな思いで、最近、住宅の取材を行っている。
写真は、そうした年代の最近の家づくりの実相です。
さて、どんな風に基調を考えていくべきか、テーマは重いですね。

日ハム、首位攻防戦2連勝!

全国のプロ野球ファンのみなさん、
わが北海道日本ハムファイターズは天王山を勝ち抜きました!
ありがとうございます。
宿敵・西武ライオンズとの戦い、先週末は西武球場で1勝2敗でしたが、
当初から噂されていたとおり、今週のホームでの戦い
札幌ドーム2連戦が最大の山場と目されておりました。
もういても立ってもいられない状況でしたが、
落ち着いて坊主といっしょのテレビ応援観戦でありました。
結果は、ご存知の通りの2連勝という最高の結果。
優勝マジックは2というところまでこぎ着けた次第です。
第1戦は、エースと言っても過言ではない吉川君の完封と
我慢して大きくなってきた4番、中田クンの2本のホームランという
エースと4番の活躍という最高の勝ち方で先勝。
この、今シーズンを通した「戦略的戦い」の成果が炸裂しての勝利が
翌日、きのうの第2戦にも波及して、
金縛りに遭ったようなライオンズ打線の決定力不足を導き出して
工夫を重ねた得点を重ねたこちらはプレッシャーを意識もせず
のびのびと戦いを展開して、宿敵に望外の2連勝達成です。
まだ、勝負事、下駄を履くまではわからないのですが、
残り4試合で2つ勝てば自力で優勝。
そうでなくても西武が、残り7試合で2敗すれば他力で優勝となります。
数字的には圧倒的に有利な状況になってきました。

しかし、きのうの戦いでも
ポイントになった追加点でも、若手の元気印・杉谷選手が貴重な犠牲フライを放つなど
若い伸び盛りの選手たちが12球団イチで活躍している。
エース格になった吉川投手をはじめ、
中継ぎの増井投手の成長など、投手陣も若返りが進んでいる。
野手陣では、4番の中田クン、陽選手がまさに主軸となって大車輪の活躍。
そこにキャプテン・田中賢介の代役として彗星のように飛び出してきた西川君。
かれはまだ高卒2年目なのに、すばらしい打撃センスを見せて
糸井選手欠場中には3番まで果たしていました。
さらに前述の杉谷選手や、守備のひとですが大活躍の中島選手など、
若い選手たちが臆することなくグラウンドで躍動している。
固定化した戦力で老化が進んでしまった間違ったチーム編成方針の
阪神タイガースなどの大失速とは無縁な戦い方だったと思います。
こういうように「戦いながら若い人材を育てる」というのは
まことに見ていて痛快そのもの、丸かじりであります(古いなぁ)。
今シーズンを見ていると、まさにこういう戦いの連続。
前半戦は、稲葉選手の2000本安打達成までの驚異的な好調さ。
さらに田中賢介や糸井選手の爆発的な打棒というベテラン・中堅の活躍が目立った。
それがここにきての終盤では、中田選手の大爆発のように
若手がのびのびと実力を伸ばしてきている。
年代のバランスが実に取れていて、他チームのように息切れがない。
やっぱり若い人材がノビノビやれている組織は見ていても気持ちがいい。
こういう戦い方は、わがチームの戦略的戦いそのものを表していて
そのぶれない姿勢が、一本通っていると感じられてうれしい。
やはりお金の掛からないドラフトでの新人発掘を基本にした「補強」の戦いが
強く感じらます。それを甘やかすことも腐らすこともなく大切に育てて
中堅ベテランとの協調のなかで強い戦力を構築していく。
こういう戦い方、ファンとして冥利に尽きる思いでおります。

さて、残りの数試合ですが、
その先には、ポストシーズンゲームも控えている。
最後は、最強と思われる読売巨人軍との戦いまで行けるかどうか、
頑張れ、北海道日本ハムファイターズ!

突然の災難

今週は、週半ばに北海道の住宅団体による東北視察に同行。
その団体(アース21)には、北上の工務店さんも加入しているので
住宅視察を兼ねて、時折東北でも会合を持っているのです。
そういうことなんですが、岩手県大槌町に震災復興支援の寄付として
軽トラックを北海道で購入して、寄贈したりしておりました。
そんな経緯があって、仲介していただける方もいて、
今回町長さんがわざわざ時間を取ってくれまして、
被災地の状況視察・表敬訪問が実現しました。
その訪問はたいへん有意義なお話を伺えまして、
それはまた、別の機会に書きたいと思っていますが、
本日はちょっと違うテーマであります。

この視察ツアーでは、北海道からの参加メンバーは借り上げたレンタカーで
各地を移動するということになりました。
バスの借り上げまでは人数が揃わなかったのです。
で、東北での合流メンバーとクルマを何台か連ねた一団で移動していました。
この大槌町役場駐車場に無事駐車して、
面会にメンバー全員で参加していたとき、
わたしは、記録の動画撮影や写真撮影をしていましたので気付かなかったのですが、
どうも後ろの方ではやや、騒がしくはあったのです。
で、町長さんとの面会終了したころ、
途中で抜けていたメンバーがやってきて、
「どうも、クルマにぶつけられちゃったようなんです」
「え〜、駐車していて激突された?なにそれ〜!」
「それがですね・・・」
どうも、老婦人の方が運転操作を間違って、
アクセルとブレーキの操作を誤ったのでしょうが、
駐車場内に駐車させようとして車庫入れの時に、激突させて、そこから動転して
多重事故に発展していったようなんです。
で、花巻空港から借りてきていたレンタカーは運転不能の事態に。
その後の視察日程もあったので、レンタカーを借りていたメンバーは
その場で全員と別れて、事故処理やレンタカー屋さんと対応することになりました。
しかし、不幸は重なってくるもの。
駐車中に事故に遭ったわけで、先方の車所有者の保険会社からは
さっそくに当方の無過失、先方の全責任、という
至極まっとうな判断と対応があったのですが、一方レンタカー屋さんからは
事故発生の場合の「免責保証」部分の支払を迫られたのです。
「え、駐車中で、しかも先方保険会社は100%当方に過失なしと言っているのですよ」
と話してもラチが開かない対応だったのだとか。
旅先で駐車中にクルマをぶつけられて運転不能になり、
行動する脚もなくなった上に、行動予定は事故対応ですべてキャンセルせざるを得ず、
しかもなお、借りていたレンタカー屋さんからお金の支払いを請求される。
その上、脚はそのレンタカー屋さんから新たにクルマを新規に借り上げて
・・・ということはまた別にお金を支払わされて、
帰りの時間も迫ってくる中で、仕方なく手持ちのお金を全部使わされて、
ようやくほうほうの体で大槌町を離れて、
青森までレンタカーでたどり着き、そこでレンタカーを返却する
「乗り捨て料金」まで掛かって、なんとか会社のある函館にまで帰還したとのこと。
かくいうわたしとは青森のホテルで偶然遭遇しまして、
こういったことの顛末を、涙ながらに(笑)、語ってくれたのです。
まぁ、不幸な話はいろいろありますが、
気の毒を画に描いたようなお話で、まことに驚くばかりでした。

たぶん、かかった費用のすべては事故の相手の保険会社から補填はあるものと思いますが
書かれている契約書どおりだろうと想像できるレンタカー屋さんの対応ぶりは
ちょっと、あまりにもひどすぎるように思われてなりません。
不幸にあった人をさらに不幸にさせていくようにしか受け取れませんね。
顧客に対して、まるで行為に瑕疵があるように想定した対応だと思います。
旅先で、事故対応などをしていたら、その旅の楽しみはすべて消えてしまう。
それなのに時間貸しの計算は、結果として
そうした事故対応時間も含めて容赦なく支払わせる。
本来はレンタル中にこうした事故で利用不能になった場合には、
利用不可能になった時点でレンタル時間計上を停止すべきではないのか。
そのうえ、顧客に脚がないことをいいことに、
帰るための新たなレンタル契約を結ばせる。
行動の自由が奪われている顧客に対して、ものすごい利益主義での対応と思える。
おかげで手持ち現金はすべて「巻き上げられた」ようになって、
ようやくにして、自分のホームグラウンドに帰ってこられたと言うこと。
帰ってから、落ち着いてこの経緯の処理に向かうでしょうが、
保険会社と、冷酷レンタカー屋とのトライアングル交渉をしなければならない。
そういった時間損失の費用も計上するべきだと思いますが、
レンタカー屋の対応には、ちょっと義憤が募って参ります。

まぁそれにしても、人身はからんでいないことが
なによりの不幸中の幸いだったと思います。
しかし、その後の経過が気になります。
もし続報が聞けたら、もう一回報告するかも知れません。
そこでもひどい対応だったら、レンタカー屋さんの会社名、公表すべきかなぁ・・・。

「農業限界」という認識

きのうまで3日間、東北を駆け足日程で縦断。
25日は仙台で会合出席、仕事打合せ各種。
26日は北海道業界団体による住宅・被災地視察に同行取材。
27日は青森で打合せ、企画の提案。
っていうことでしたが、いろいろな出会いがあって刺激的でした。

で、そんななかで岩手県のみなさんと話している中で
なにげなく、車中からの風景の話になって、
北海道での農業の分布というか、
その風景模様をお話しいたしました。
北海道では、北の方に向かうと一般的な米作から、
それが不適になって、次第に畑作中心になり、
さらにそば畑の光景が広がった後、酪農が見えるようになって
そのあと、まったく農業が不適な未利用地が広がるのですが、
そうした境目が、明瞭な「農業限界地点」としてあらわれるのです。
で、そういった話をしたら、
いたく驚愕される。
農業に不適な限界点がある、という認識を常識として
受け入れようとする素地がないし、まったく想像不能だというのです。
こっちも、いかに北海道が他の日本の認識と
大きな乖離をかかえているという実感が身に迫ってくる次第。
相対的な関係性の調和と、絶対的な断絶との対峙とでも呼べるような違い。
「そうか、こういうことは理解しにくい世界にいるんだ」と
あらためて思い知らされるのですね。

ということですが、
さて、今週末というか、今日明日の2日間、
わが北海道日本ハムファイターズ、ついに宿敵・西武ライオンズとの
シーズンの雌雄をかけた戦いに突入であります。
先週末の3連戦では1勝2敗の結果だったのですが、
やはりこの最後の2連戦が決着の舞台だと思っていたとおりの展開に。
最後の総力戦、というにふさわしい状況になっています。
やられたらやり返す。先週打ち込まれた若き日本の左腕エース・吉川投手、
リベンジの思いは強いものと思います。
ホームという地の利を活かして、なんとか初戦を勝ち取りたい!
さぁ、今シーズンの総決算の舞台の幕が切って落とされそうです。
がんばれ、北海道日本ハムファイターズ!

Replan北海道vol.98 発売 

さて本日は、雑誌発売のご案内。
年に4回、季刊発行で継続してきた北海道版の本誌、
来年春の号で100号の節目を迎えることになります。
そこに向けて、カウントダウンしていく通常号発行の作業ですが、
同時に、その100号から新たに取り組んでいく企画も目白押し。
「東北の住まい再生」というボランティア的な情報誌発行も行っているわけですが、
Replan本誌でも、この100号が新たな「再生」の機会ととらえて、
人口縮小局面での日本の住まいのテーマを
住宅雑誌らしく、積極的に掘り起こしていく方向を鮮明にしたいと考えています。
ぜひ、そんな胎動を感じていただければ幸いです。

Replan北海道vol.98
2012年9月28日発売・2012年秋冬号・A4版・定価480円(税込)

【特集】家の外観(ミタメ)

家づくりがスタートするとき、あなたなら何から考えますか?
「立地や環境」「今の住まいを参考にした間取り」
「家族のために必要な部屋数」「憧れのイメージやテイスト」
スタート地点は違っても、「素敵な家に住みたい!」という気持ちはみんな同じ。
だからこそ、「外観にもこだわりたい!」と思うのではないでしょうか。

今回は素敵な外観(ミタメ)を持つ家を取材。
独創的、個性的でありながらもどの住まいにも共通していたことは、
単に「変わった外観」を求めたのではなく、一つひとつに「なるほど」
と思えるような理由があるということ。

豊かでここちよい内部空間を持つ住まいは、
外観(ミタメ)も楽しく美しいのです。
Contents
●特集/ 内側の豊かな空間が表情として現れる家の外観(ミタメ)
●地域特集/ 多様なデザイン 十勝から魅力発信
●リフォーム特集
●くらしの演出家たち 8・9
●建築写真家・安達 治 Zoom Up 住宅66
 「しれとこ岬の家」日野澤 譲
●北の建築家
 「九条の家」北浦 丈士
 「長沼エコハウス」中舘 誠治

こちらからもお求めいただけます。
http://web.replan.ne.jp/content/bookcart/b1hok/h98/index.php/

地域型住宅ブランド化事業について

国交省では、これまでの「長期優良住宅」事業と
それからの派生的な事業としての
「木の家整備促進」事業が昨年限りとなって、
その補助金付きの業界誘導事業の後継的な事業として、
「地域型住宅ブランド化事業」が今年度から始められました。
この事業は、東日本大震災を受けて、
国交省と被災県の建築関連業界との話し合いが、昨年中準備的に進められ
その論議を引き受けるような形で
骨格が開示され、国交省の全国的な施策として
今年度、施行された経緯がありました。
地域型住宅ブランド化、というコンセプトについて
当初段階から、いったいどのようなものを目指そうとする事業なのか、
やや不分明な部分があり、
その情報開示を期待してきていました。
今年度の第1回の事業採択も行われ、すでに着工されるような
建物も出てきているのですが、
いまだに国交省側から、選考委員の名前の発表すらありません。
選考についての「意見」のようなものは発表されているのですが、
審査委員長の選考経過発表が、パブリックコメントされない。
第1回の採択結果ですでに国費50億円近くが使われているのですが、
まことに不明だと言わざるを得ません。
選考の結果を見てみると、
当初の被災県へのヒアリングとはなんだったのか、
配分において、特段に配慮されたという形跡は見られない。
いやむしろ全国に「公平に」薄く広く「配慮」されたように思われる。
事業提案者の要件として、地域工務店10社の参加を求めているのに、
配分された状況を見ていると、
その事業者数に満たない配分数になってしまっている。
せっかく「地域の協同」を創出しようという事業なのに
事業者グループ内での「調整」を求める内容になっている。
どうにも腑に落ちない結果だったので、
なお、これについての情報開示を待っているのだけれど、
発表後、2カ月半以上経っているけれど、
まだない、ということなのです。

長期優良住宅事業においては、
その評価者がすぐに発表され、全国にその考え方を伝えるような
広報機会が計画され、提案者と評価者の対話も始められていた。
本来であれば、国の施策としては、
こういった活動の方が、補助金の配布よりも重要なはずだと思います。
国としては、どのような方向に家づくりが向かうべきと
考えているのか、社会全体で論議する機会にもなるからです。
決算での論議があまりなされず、ひたすら「予算」、という
ばらまきにだけ関心が向かってしまう。
こういうのが、国の「住宅政策」であるというのでは、さみしい。
早急な開示を期待したいと思います。

身体感覚で学ぶ建築環境性能セミナー

北海道の建築家グループの中でも
もっとも建築環境性能に向き合い続けてきている
北海道建築工房の小室雅伸さん。
いつも切れ味鋭く、わかりやすく環境性能デザインを語ってくれますが、
やはり建築の性能は、体感するしかない、という思いから、
この秋に完成し、来年4月の共用開始まで時間がある
氏設計の保育園施設建物を使って、
「身体感覚で学ぶ建築環境性能セミナー」を計画されています。

2020年には省エネ基準が「義務化」されることが決定し、
先頃からの基準策定の会議の結果も出てきました。
その内容を見てみると、かなりきめ細かな内容にわたっている。
いくつか、言葉や用語の変換もあったのですが、
これまで「断熱・気密化」というような表現が一般的に語られたテーマは
「外皮性能」というような言葉に統一されていくと思われます。
住宅性能を考えていく大きなテーマ領域は3つで、
1 自然エネルギーをどう活用するのか
2 建築外皮性能
3 住宅設備機器の選択手法
というように規定されていく流れになっています。
南北に長い日本列島における住宅性能の考え方、
それぞれ地域で違いがあるので、この大きな3指標を
指し示し、それぞれの高度化が不可欠だという方向なのですね。
これは自然な流れだと思います。
そういうなかで、外皮性能はきわめて重要なポイントになるけれど、
設備などのようには、違いの把握は明瞭には行かない。
そうした思いから、むしろ温暖地域の住宅関係者に対して
北海道の11月初旬という、東京の真冬に相当する外気温時期に
無暖房の状態で、断熱だけでどのように性能を体感できるのか
1泊2日で、みんなで体験して、
語り合おうというイベントを提案したのです。
主催はJIA北海道支部建築技術デザイン委員会
主な発表者として
北海道建築工房・小室雅伸氏
札幌市立大学・斉藤雅也准教授
東京都市大学・宿谷昌則教授
などが予定され、また参加者として、
先般の「省エネ基準改定」作業にも深く関与された
東京大学工学部・前 真之准教授も、
ゼミの生徒さんも引き連れて参加されるということです。

非常に興味深い探求が行われるものと思われますので、
情報としてお知らせする次第です。
参加申込みは、komuro@hokkobo.comまでご連絡ください。
ぜひふるっての参加をオススメいたします。
以下、セミナーの概要を画像として掲載します。

縄文人研究講演〜瀬川拓郎さん

きのうは、午後3時から
札幌の紀伊國屋書店1階のイベントスペースで
「縄文人はどこへいったのか」と題したセミナーが開かれ
考古学研究者の旭川市博物館主幹研究員・瀬川拓郎さんの講演がありました。
素人の歴史好きのわたしが私淑する方でして、
きのうも縦横無尽に古代の北海道島の人間史に光を当てて
生き生きとした人間社会の素描を魅せてくれていました。
アイヌ社会への視線は、たとえば倉本聰さんの見方が代表的でしょう。
そこでは現代社会への警鐘の意味合いを強く押し出して
文明批判のための知恵として、アイヌ社会の自然共生の思想が語られます。
そのことに半分は同意するのですが、
しかし一方で、北海道島に生き続けてきた人間がみな、
敬虔に自然に生かされている、と考え続けてきたかどうかについては、
やや同意できない部分もあり、
そういった部分について、明解に人間くさく説かれる瀬川さんの意見に
深く同意するのです。
たぶん、アイヌ社会への贖罪意識の強い日本人としての部分と
実証的な歴史・考古研究者の視線の違いなのでしょうね。

きのうも、日本書紀に書かれた阿倍比羅夫の出兵について
さまざまな実証を通しての、考古というよりも人文に近い認識世界が
開示されていました。
そのこと自体は、これまでも瀬川さんの著作で述べられていることなのですが、
あらためて、肉声で聞かせていただくと
行間の意味合いも明瞭に伝わってくる部分があり、
こちらの人間ドラマ想像力がいたく刺激されてきます。
ほとんど文字記録が残っていない北海道島のひとびとの生き様が
戦争的な、あるいは政治的な対立軸も含めて想起されてきます。
交易、ということが、
言葉を厳密に言えば、経済ということが
人間社会の分析の最大の断面であることをイメージ豊かに見せてくれる。
自然への信仰も、その経済的成り立ちへのひとつのプラグマティズムであることが
生き生きと了解されてくるのですね。
興味深いお話しは随所にあって、1時間半、時間が少なくて
聞きたいことが山ほどあったのですが
刺激に満ちたお話しを聞かせていただきました次第です。
ありがとうございました。

なんですが、最近瀬川さん、ブログ更新されず、
しかも削除までされている。なにがあったのかと心配になる。
「先生、書いてくださいよ」
とお願いしておきました。
なんでも、炎上したとか、トラブルがあったとかではないそうです。
まぁ、そういうことならいいのですが・・・。
また今後の展開が非常に興味のある方の講演でした。