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地域型住宅ブランド化事業について

国交省では、これまでの「長期優良住宅」事業と
それからの派生的な事業としての
「木の家整備促進」事業が昨年限りとなって、
その補助金付きの業界誘導事業の後継的な事業として、
「地域型住宅ブランド化事業」が今年度から始められました。
この事業は、東日本大震災を受けて、
国交省と被災県の建築関連業界との話し合いが、昨年中準備的に進められ
その論議を引き受けるような形で
骨格が開示され、国交省の全国的な施策として
今年度、施行された経緯がありました。
地域型住宅ブランド化、というコンセプトについて
当初段階から、いったいどのようなものを目指そうとする事業なのか、
やや不分明な部分があり、
その情報開示を期待してきていました。
今年度の第1回の事業採択も行われ、すでに着工されるような
建物も出てきているのですが、
いまだに国交省側から、選考委員の名前の発表すらありません。
選考についての「意見」のようなものは発表されているのですが、
審査委員長の選考経過発表が、パブリックコメントされない。
第1回の採択結果ですでに国費50億円近くが使われているのですが、
まことに不明だと言わざるを得ません。
選考の結果を見てみると、
当初の被災県へのヒアリングとはなんだったのか、
配分において、特段に配慮されたという形跡は見られない。
いやむしろ全国に「公平に」薄く広く「配慮」されたように思われる。
事業提案者の要件として、地域工務店10社の参加を求めているのに、
配分された状況を見ていると、
その事業者数に満たない配分数になってしまっている。
せっかく「地域の協同」を創出しようという事業なのに
事業者グループ内での「調整」を求める内容になっている。
どうにも腑に落ちない結果だったので、
なお、これについての情報開示を待っているのだけれど、
発表後、2カ月半以上経っているけれど、
まだない、ということなのです。

長期優良住宅事業においては、
その評価者がすぐに発表され、全国にその考え方を伝えるような
広報機会が計画され、提案者と評価者の対話も始められていた。
本来であれば、国の施策としては、
こういった活動の方が、補助金の配布よりも重要なはずだと思います。
国としては、どのような方向に家づくりが向かうべきと
考えているのか、社会全体で論議する機会にもなるからです。
決算での論議があまりなされず、ひたすら「予算」、という
ばらまきにだけ関心が向かってしまう。
こういうのが、国の「住宅政策」であるというのでは、さみしい。
早急な開示を期待したいと思います。

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