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【中国の動向、言論統制・北載河会議・尖閣周辺】

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最近デジタル版の売上がアナログの売上を上回ったと報道された
アメリカのウォールストリートジャーナルWEB版に、
〜中国で作家が有罪、「抗日戦の美談傷つけた」
「共産党の歴史観を疑問視する権利」を巡る法廷闘争〜
という記事がきょう掲載されていた。
「日中戦争のさなか、この切り立つ花こう岩の尖峰(せんぽう)が
のこぎりの歯のように連なる険しい場所で、中国で最も美化されている
抗日紛争が発生した。現在、この場所が新たな争いの舞台になっている。
それは「中国共産党の歴史観を疑問視する権利」を巡る争いだ。
北京市西城区人民法院(一審)は6月、共産党の武勇伝「狼牙山五壮士」に
疑問の声を差し挟んだとして、作家の洪振快氏に名誉毀損(きそん)の
有罪判決を下した。「狼牙山五壮士」は何世代にもわたり中国で教えられてきた
愛国精神と自己犠牲の物語。裁判所によると、この物語に疑義を挟むことで、
洪受刑者が兵士たちの「英雄的なイメージと精神価値」を損なったという。」
現代の共産党支配のなかで、中国の人々の果敢な言論行為は
しかし、粘り強く継続されてきている。
共産党のプロパガンダをより一層強化せよという習近平に対して
中国民衆は必ずしも容易には屈服せず、困難に立ち向かう勇気をもっている。

この作家・洪振快さんは、お伽噺のような共産党による「抗日戦」美談に
「そんなことが本当に出来たのか」と、実証検証行動をとった。
〜北京から車で南に3時間ほどの五勇村から険しい道のりをたどるという
挑戦的な行動に出た。登山開始から4時間ほどで、
洪振快さんは粗雑な目印の付いた地点に到着した。
ここは5人の勇士(五壮士)が、部隊や近くの村民を助けるために
日本軍を引きつけた後、崖から飛び降りたとされる地点だ。
氏は実証検証で、5人が飛び降りる前に多数の敵兵を殺したという美談、
5人のうち2人は木に引っかかり命を取り留めた部分に強く疑問を呈した。 
洪振快さんは裏付ける証拠と崖を見渡せる岩上で撮った写真を提起し
「裁判官はここに来たことがない。歴史事実を判断する能力がない」と述べた。
経済成長ペースの鈍化で共産党が別の形の正統性を見つけるのに
躍起になっているとの声もある。〜(以上、要旨抜粋)

折しも中国では共産党非公然最高幹部会議「北載河会議」が開かれている。
最高指導部内で習近平と李克強首相との確執が公然化し、
江沢民の大衆的親近感醸成キャンペーンが仕掛けられたりしている。
経済の鈍化が誰の目にもあきらかになり、一方で南シナ海での
国際司法からの打撃も食らい孤立化して、打てる手も限られている。
そんななか尖閣周辺に「200隻以上の漁船団」と武装公船が
国境周辺でいまスレスレの行為を繰り返しているとされる。
平和的な方向に向かうことを願うけれど、どうも動きから目が離せない。
それにしてもウォールストリートジャーナルの報道の徹底ぶりはすごい。
この報道にはビデオ動画までも添えられている。
やはりこのアメリカメディアは論点もしっかりしているし、行動も果敢だ。
日本の報道の現状を思うと、彼我の格差に思いを致す。

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