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現代人は、住む場所をどう選ぶ?

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住宅は、集合としての住宅地に建つ場合が多い。
道路や公共エネルギーなど、集合的住宅地には利便性が高い。
歴史的には、住宅はその場所に住む理由がハッキリしていて
建てられるケースが多かった。けれど、
現代では、その条件が大きく変わってきているのかも知れない。
これまでの条件に強い決定力が薄れてきていて、
あらたな価値感の再構築の過程が進行しているのかも。
自由な選択肢が広がってきていて
その可能性も大きく拡大してきている。
そうであるので、選択に当たっての主体性が不可欠になって来た。
写真は新潟県長岡市のある住宅地の様子。
高田建築さんという設計事務所が基盤の地域ビルダーさんが
大きな敷地を住宅地として造成し、住みやすい「街」を考えていました。
道路もゆったりとカーブさせて、必然的にクルマの速度を制御し
地下水利用の共同の融雪のための放水装置まで装置している。
いわば、「地域としてのやすらぎ」に挑戦している。
まことに興味深い「住む場所」へのイマジネーションだと思いました。
下は、その会社のオフィスの様子。なんとも未来的。

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どこに住むか、ということは、
そのまま、「どんなふうに生きていくのか」と同じ意味合いがあります。
歴史的には、住宅はその場所に住む理由がハッキリしていて
建てられるケースが多かった。
日本列島で定住が始まったとされる縄文では
豊かな海産物と、ブナの森のナッツ類など、
食の条件が最大の決定因子で決まっていた。
よりビッグスパンで考えると
弥生時代以降も基本的には食の生産と密接にからんだ条件で
ひとの「住み処」は基本的に決定されてきた。
一方で、世代更新というレベルで考えても、
弥生以降1世代20歳で見て、500世代くらいとなるけれど
そうした決定因子で「どこに住むか」ということは決まってきていた。

けれど、現代では、その条件が大きく変わってきている。
利便性という尺度が、クルマなどの移動手段の高度化などで
大きく変動してきているし、
所得を得る手段である職場自体も、その環境・立地が変化もしてきている。
さらに子どもの教育という要素からも、決定因子は大きく変化しうる。
追い打ちをかけるように「地域」という絆も希薄化が進んでもいる。
自由に住む場所を選択できるというのは、結構、現代的な選択肢。
家を求め、家族のシアワセを考えて
「どこに住むか」と考え、主体的に決めていくことが必要になってくる。
Replan本誌9月末発売の次号では、家づくりと住む場所について、
さまざまな事例を発掘して、考えてみる素材を探してみました。
あなたは、どこで、どんな暮らしをしたいですか?

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