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思わず振り返る廃屋

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こういう種類の趣味生活って
どういうものなんでしょうか(笑)。
どうも、クルマで走っていて、建物には気が向くのですが、
決まって「廃屋」が目にはいると、つい凝視してしまう。
っていっても安全を考えてホンのコンマ何秒ではあるのですが、
そういうなかで、ついクルマを引き返して
戻って見てみたくなる建物って、あるんですよね。
写真は、先日の道東旅行の途中で通った足寄方面での農家住宅。
自然の緑豊かな中に、たとえば屋根板金の錆び具合や、
木部の劣化具合、塗り壁の剥落ぶりなど、
そういう「滅びていくもの」への愛着のようなものが、強い。
この家も、まるで「見返り美人」のようにこころに訴求してきた(笑)。
古びていることが、ある種の美感に通じている部分って、
一体何なんでしょうか。
自分でもよくわからないのですが、やはり好きなんでしょうね。
住宅を見続けるような生活を、何十年も続けているので、
自然と、そういう感受性が臨界点に達して
そこから先にある、「滅びの美」のほうに向かっているのかも知れませんね。
でも、たとえばこの住宅をじっと見ていると、
簡素だけれど、なかなかに味わいがある。
シンプルな切妻だけれど、バランスがいい。
玄関が張り出していて、下家が縁側部分に張り出してもいる。
左側の壁は塗り壁の仕上げで、色合いも悪くない選択。
真壁を正直に表している柱や梁もデザインを引き締めていて、いい。
それと、居間とおぼしき方向にはなぜか、釣り合いで考えて
思いっきり大きい出窓が配置されている。
これはたぶん、間違いなくリフォームの結果だと思うけれど、
でもバランス感覚はなかなかにいいと思います。
きっと、廃屋になってからまだ時間は比較的に新しいと思います。
塗り壁の破れ具合も確認してみたのですが、
下地の造作など、しっかりとした仕事だと思いました。
新築当時の様子を想像してみたら、これはかなりいい仕事だったと思いますね。
結局、こういった手業の部分が、
年を重ねても、くっきりと浮かび上がってくるものなのでしょう。
人間が丹念に作ったのだな、と思える住宅はやはり美しい。
いろんなところを歩いてみて、
そういう思いがどんどん、強く感じるようになってきます。
願わくば、そういう作られようになるように、
いま建てられる住宅も、なっていってもらいたいですよね。
北のくらしデザインセンター
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