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建築基準法の改変

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最近の建築を取り巻く情勢変化のなかで
憂慮すべきなのが、建築基準法の改変があります。
ご存知、耐震偽装の姉歯さんの問題から、
木造住宅でも法の厳格性を高めたような方向になっています。
その意味ではユーザー側からは歓迎すべき方向ではあるといえるのですが、
現実は必ずしもそうはなっていないし、
各自治体の建築申請業務は現場で大混乱していると言われています。
なにせ、法の施行から半年近く経っているのに
適切な判断ガイドラインが明確に示されていないので、
木造3階建てなどはほぼ申請が店ざらしになっているような状態。
建築確認申請が受理されないということは、
建て主にとっても、資金の借入面でも問題になるし、
新築計画の大幅な遅れによって、仮住まいの契約期間が長引いたりする、
具体的な損失が拡大する結果を呼んだりしています。
春から夏にかけて、着工戸数は国土交通省の調査でも大幅減。
中小ビルダーの申請はそれぞれ個別の構造計算書類なので審査に慎重になる一方、
大手ハウスメーカーの物件は、構造計算書が全国一律なので、
通りやすくて、どんどん許可が出る、という状態になっています。
こういう事態は充分予測できたはずなのに、
行政側の対応不備が、建築会社間の競争条件をゆがめているとも言えます。
ところかわれば、品、変わる。
写真は以前見学したスウェーデンの「木造多層階建築」。
地震への配慮が法的にあまり顧慮されていないことからか、
壁や床面の強度を若干高める程度で、木造でもこういうマンションが可能になっている。
当然コスト面では相当に有利になってくるし、
コンクリート建築とは違って、CO2の排出量換算ではたいへんサスティナブル。
地震への対応、日本は本当にきびしい。
でも、こういう試練を超えていくことで、
日本の建築技術は、さらに飛躍していくものなのかも知れません。
願わくば、そのうえでなお、どうしたらコストを抑えることが可能か、
真剣な努力を期待したいところですね。

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