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【韓国仏国寺 結界でギター奏でる「仁王さん」4体】


きのうブログ記事の流れで触れた「韓国慶州・仏国寺」。
もう3年前の訪問でしたが、これまで写真整理をあんまりやっていなかった。
たしか忙しい時期に知人たちに誘われての旅でした。
帰国してからもトンボ帰りで秋田でテレビ出演したりして、
整理する余裕を持てなかったようです。
まぁ、取材している写真類はとにかく膨大なので、
ある機会の写真整理を始めるとそれだけでも根がつながって
どんどんとテーマが膨らんで行かざるを得ない。

で、本日は狛犬、じゃなかった「仁王像」であります。
宗教建築では日本の場合には定番・付き物として結界の門付近に
こういった存在が鎮座している。
東大寺にもきちんと仁王さまがおりますが、
しかし記憶では法隆寺「南大門」周辺にはなかったように思います。
なにか、一定の法則性があるのかどうか、知らない。
日本は地勢的に東アジア世界との関わり合いがながい歴史の基底にあるので、
こういった「定番」についても、無意識的に
隣国とはいえ韓国でも似たようではないかと思っていた。
入り口を「守護する」という精神性が付与されているに違いないと。
で、こちらの仏国寺では確かに左右に仁王さん風の風体の像があった。
けれど、いきなりギターを弾いて
「Oh,You,Welcome」みたいな軽いノリの像が迎えてくれる。
お隣さんも剣を持ってはいるけれど、2体一対と考えると
音楽に合わせて剣舞でも踊り出すような印象を持たされる。
対手側の仁王さんも左手にソフトクリーム(笑)。
イヤ違います、なにか塔の模型のようなものを持ち上げている。
しかし、ギター男の印象が強烈でソフトクリームと勘違いするのも自然かなと。
薄い衣類の表現などは、東大寺の仁王像との相似感がありました。
ただ、歴史年代的には最近の復元でしょう。
そのマザーに対して忠実な復元かどうかはわかりません。
・・・ということですが、仁王さんが4体ある。
狛犬が4匹、というような宗教建築っていうのは日本では見たことがない。
調べた範囲では、どうも「東西南北」を守護する武神というのが
この像たちの表現している「宗教性」ということだそうです。
風水的な「四神相応」思想を表現する。四神とは玄武、朱雀、青龍、白虎。
また日本では一般的な「阿吽」という表情もこれらからは見て取れない。
要するに「四天王像」ということのようですね。
で、ギター男は持国天という存在ということのようです。
以下Wikipediaより〜持国天は東方を護る守護神とされる場合が多く、
仏堂内部では本尊の向かって右手前に安置されるのが原則である。
中国の民間信仰に於いては白い顔で琵琶を持った姿で表される。〜
とあるので、そういった大陸国家からの影響なのか?
下の写真は中国の寺院の持国天像で、楽器がやたらでかい(笑)。

狛犬とか金剛力士の一対表現の代わりに四天王像が置かれているのでしょう。

このあたり同じ仏教とは言っても国家がかなり関与して発展してきた日本と
むしろ国家としては儒教が長く支配的で仏教弾圧を繰り返してきた
かの国との違いでしょうか。似てるけど違う、不思議な感覚。

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