名高い安藤忠雄建築の中でも、この地中美術館は有名。
とくにカミさんの強い要望で、今回のツアーのメイン探訪地に選定。
わたしは、事前の情報はほとんど持ち合わせてはおりませんでした。
地中に埋め込んでしまう、という発想はたぶん、多くの建築者は
イメージを持ちやすいものだと思います。
わたしも、2002年の自社事務所建築を考えたときに妄想したことがある。
地球の胎内的な空間性って、ある種のインスピレーションが刺激される。
ただし、そんな建築実現の機会はそうめったにはないでしょう。
この地中美術館という構想も、オーナーがモネの「睡蓮」を購入したことが
きっかけになって実現したプロジェクトとのこと。
こういった世界的な美術品、作家と安藤さんがコラボレートして
いわば、美術作品と建築が一体となって空間性を構築している
そういった特殊な体験空間なのだと思います。
この美術館はクロード・モネ、ウォルター・デ・マリア、ジェームズ・タレルの
3人のアーティストの作品のみによって構成されていますが、
もうひとり、いわばバックグラウンドのアーティストとして
いや、演出家として、統合者として安藤さんの名前も入れられている。
むしろ、主役としては安藤さんがメインアーティストなのでしょう。
この美術館が永続していくかどうかはまだわかりませんが、
そうなったときには、たぶん安藤建築が美術として刻印されるのでしょう。
で、やはり建築と言うよりも
一個のアート作品として、この空間は体験させてもらった次第。
安藤さんも、そのように評価されることを望んでいるのだろうと思います。
そういうことで、一期一会の建築との出会いが美術体験であるので
画像や映像が管理されない形で表出するのは
絶対に避けるように意図されるのだろうと思います。
家族旅行の一環で訪れているわが家。
娘は、モネの睡蓮を見る空間で、いたく感激の様子。
わたしはモネの作品「睡蓮」5点のウチ、一番大きな「睡蓮」を被覆している
低反射高透過ガラスが、ちょうど「睡蓮」の絵のキャンバスが分割されている
その中央線に沿って、2つに分かれていることに注意が向いていました。
技術的な極限だったのか、意図的だったのか、
ちょっと興味を持った次第。
また、この空間には床面に床暖房も施されているように感じました。
小さなタイルで被覆された床面がどのようになっているのか、
そっちの方も興味をそそられた。
ジェームズ・タレルさんの「光のアート」では、うっかり、
説明員さんの説明が聞こえなくて、思わず「ここで停止して下さい」という
そのラインよりも前に出てしまって、ブザー音がなってしまった(冷や汗&笑)。
まぁ、建築と美術の融合という意味では、
ウォルター・デ・マリアさんの作品と安藤建築のコラボぶりが際だっていた。
ということで、
たのしい美術空間体験をさせていただきました。
<写真は,直島でのオブジェやベネッセの建物外観など>
Posted on 12月 28th, 2015 by 三木 奎吾
Filed under: 日本社会・文化研究
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