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伝統的木造構法

木造工法って、実に奥が深いなあといつも思います。
写真は先日、仙台市内で見学させて貰った伝統的木造構法の家。
柱と柱の間、通常はタテに「間柱」という細い材料が立つのですが、
この構法では、ヨコに「貫」と呼ばれる構造材が入る。
こういう横架材は、しかし、現在の基準では構造耐力として認定されない。
木の耐力を判断する構造計算で、十分な検証ができなかったのです。
わからないから、価値がないと判断されてきていたのです。
現にこの現場でも、この貫の外側に構造用合板を張って、
構造計算をクリアさせているので、
数値計算的には、この貫は機能していないことになっているのです。
そんなバカなことはなく、実際にも大いに構造強度に貢献しているのですが、
それを判断しなければならない近代構造力学の側が
伝統的木構造を判定できないままに、放置されてきたのが現実。
ようやく最近、社寺建築の構造計算にどうしても必要と言うことから
東大工学部で、実証的な解析が進められているということです。
なんですが、それにしても、竹中工務店だったかの大手ゼネコンが研究に
協力してくれているから可能になってきたというお話しでした。
継ぎ手などの複雑な断面は、宮大工などの手仕事の「伝統」として継続しているけれど
あまりにも複雑すぎて、西欧近代を発祥として
主に鉄筋コンクリートを中心に据えている「建築力学」では解明しきれない世界。
以前、この「貫構造」の強度実験なども見学しましたが、
感動を覚えるほどの強度を見せられたものです。
こういう「ズレ」について、
東大工学部の本流そのもののような方から、
「建築の世界では、わからないことはいっぱいあるのですよ」と、
実に率直なお話しを聞くこともありました。
いつの日か、きちんとこういう木構造力学が解明されて欲しいものです。

こういう「貫」の代わりに
「筋交い」という、ちょうど×型の構造補強が対置され、
それについては、構造上のお墨付きが与えられているのですが、
日本建築の伝統的構造美の観点からは、醜悪そのものと指弾されている。
ちょうど、豊かな縄文社会に、暦に基づく栽培農業・計画的管理農業社会としての
「弥生」を強制していったような流れを
こういったいきさつに感じ続けてきた次第です。
まことに日本現代社会においても、闇は深いものがある。

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