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学問の世界について

わたしの仕事上の領域でも、
また趣味世界の領域でも、その最新の動向については
常に興味を持ってウォッチしつづけていますが、
その最新情報はやはり、先端的に研究している学者の業績に負うところが大きい。
工学建築、という世界では身近に感じる部分ですが、
最近読み始めた「中世の風景を読む・蝦夷の世界と北方交易」という
新人物往来社発行の本などで日本歴史についても、こうした専門家のみなさんの
多くの存在と研究が、基礎的に支えている部分なのだなと感じます。
まぁ、当たり前ですが、
なかなか想像力の及ばない部分でした。

大学で職を得るというのが基本なのでしょうが、
日本歴史などという、すぐに経済的利益に結びつきそうもない領域では
そのほかに、いろいろな公共施設の学芸員とか、
職員とかの仕事が就職先としてあり得て、
できれば、自分の研究対象に近い地域で仕事が得られれば、
それに越したことがない、ということなのでしょう。
このようなひとたちが、基礎的な研究調査を行ってくれているからこそ、
次第に日本歴史の実像が深まって来るのだと思います。
経済がうまくいかなくなってくると、
こういった部分も、なかなか厳しくなってくるのでしょうね。
こういう研究は、まことに地道な部分。
考古学などと同じように、ひとつの事実や事物から
眠っている史実を探り出していくような作業なのでしょう。
歴史の真実の姿に迫っていくというのは、
このような無数の営為があってはじめて進展していくのでしょう。

さまざまな仕事をしているみなさんが著者として並び、
編者としての網野善彦さん自身も、
歴史の学問的業績はすごいものがありながら、
しかし学問的地位自体は、それほど評価されていたわけではなかったそうです。
でありながら、氏が死去したとき、
フランスのルモンドの長い記事も出版されたということ。
かれは、若い時期に共産党入党経験があり、
奥さんと結婚するとき、あまりにも貧しくて
結婚指輪をプレゼントできず、カーテンリングを贈ったという逸話もあるそうです。
そういう経緯が、事跡とは無関係に社会的地位などに影響したのでしょうね。
しかし、かれが書いた歴史書籍が、専門書なのに大ヒットした
という事実からは、歴史の真実に迫る、という本質的仕事として
多くの読者から高い評価を得ていたことを表していると思います。
まぁ、じっくりと読み込んでいきたい書物だと思っています。

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