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宮城県南・古民家のデザイン感覚

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先日の白河出張の帰り、けっこう好きな宮城県南部の田舎を走りました。
この地域は、東北北部地域とは違って
古くから律令国家体制が根付いている地域だと思います。
米作を中心とした経済発展が早くからあって、
そういう時代からの文化の名残のようなものが
どことなく残っているように、わたしには感じられるのであります。
先日触れた、宮城平野に水利をもたらせた水神信仰の神社とか、
そういった米作文化の初源のようなものを感じる次第。
温暖な気候風土とおおらかな地誌自然が、
なにか、ノスタルジーを刺激してくれるように思うのですね。
たぶん、福島県中通りの地域とも通ずるような生活文化風土。

そんな田舎道を走っていたら、
古民家なんとか、という看板と建物があったので、
つられて見学して来てきました。
どうもおそば屋さんと併設しているもののようですが、
あんまり来客がないようで、施設の一部は機械が壊れていました。

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古民家の内部なんですが、
この画像の中にいる「おばあさん」が人形で、
これがしゃべるようになっていたけれど、
どうも壊れてしまって、ただ不気味に(笑)端座するだけになっていた。
そういったことが不評になって、客足が遠のいたのか、
そもそも古民家の老婆人形というのも、かなり微妙ではある(笑)。
たぶん、ノスタルジックな「日本昔話」的ノリだったのでしょうが・・・。
というやや、残念感も漂ってはいた次第ですが、
古民家外観の大屋根のみごとな三角を基調とした造形の美しさ、
さらに2つの丸を見せている水車、
そして古民家内部の木組みが表れた室内の四角と、
丸・三角・四角という「かたち」の基本形がみごとに造作されている。
そんなことに気付いた次第であります。
わたし、なんとなく、この3つの造形は黄金律ではないかと感じている。
わたしたちが古民家に魅せられる心理の中に、
こういった、素朴だけれど、人間の生み出す初源的デザイン志向が、
力強いメッセージとして無意識の部分で受け止めているのではないか、
そのように感じたのであります。
秋のたおやかな陽射しの中で、穏やかなデザインにふれていました。

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