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窓を保護する

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写真は、関東高崎市郊外の家。
関東は4地域。
風を考慮すると、体感的な冬の寒さは2地域くらいとも思える。
でも、やはり冬以上に考えなければならないのが夏。
冬の関東に行くと、その日射しの暑さに驚く。
緯度は北海道とは比較にならない低緯度。
そこに晴天の続く日射しなので、
太陽光利用には最適だと考えられます。
しかし、太陽光は夏場は室温の過上昇を招きます。
そうした対策として、伝統的な家屋では
深い軒の出が活用されてきた。
さらに夏の日射遮蔽技術として
葦簀やすだれが多いに活躍してきたけれど、
住宅が密集するようになり、セキュリティの面からも
夜間に窓を開放して寝ることが出来なくなってきた。
こうした条件に合致する「地域らしい」家づくりの
デザイン的なアプローチはあまり見られませんね。
土地の確保、という、より社会性の強い要因の方が大きくて、
住宅としての性能的要件まで認識が深まっていかないと言うことでしょうか?
そんななかで、
この家では、深い庇が特徴的に取り入れられています。
庇のメリットで大きいのは日射の制御と、窓面の保護。
窓や壁面を保護することは長期的な住宅の寿命を左右する。
手間はかかるけれど、それほど大きな金額の工事ではない。
でも、ほとんど行われることはない。
こういう性能要件に十分な配慮をせず、
社会的要件の方に価値観を大きくしてしまうと
住宅の本来的な進化にはつながっていかないのではないでしょうか?
土地の値段という、経済要因の方が大きすぎて
「家は土地のおまけ」的な住宅文化が、後の世になって、
さて、どのように受け止められるか、
豊かな経済力の時代だったが、
住宅文化という面では、見るべきものが乏しい地域・時代だった、
というように言われるかも知れません。
そうでなくても、住宅金融公庫システムという
国民皆建築とでもいえるような住宅システムは生み出されたのに、
残り続けるような住宅文化、という点では
きわめてあやしいのが、現代の住宅。
もう少し、目的的に取り組まなければ、
このような危惧が現実になってしまうものかも知れません。
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