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総持寺・朝の勤行(朝課)拝観

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すっかり仏門づいております。
来年あたり、頭を丸めておるやも知れません(笑)。
っていうのは、まぁ戯れ言ですが、
出張に出ての楽しみのひとつに、お寺さんでの朝の勤行拝観があります。
昨年は川崎大師に参詣したときに、朝の時間帯で
護摩法会にめぐり会うことが出来たりしました。
けっこう、こういう朝の宗教行為を公開している寺は多いようです。
早朝だと、いわゆる観光客はほとんどいなくて
みんなホテルで寛いでいて、日中にならないとお寺参りをしない。
いわば、早起きは三文の得が、こうして体験できることがある(笑)。
きのうは、横浜鶴見で宿泊しておりまして
もうちょっと天気が良くなっていると期待していたのですが
あいにくの梅雨模様。
それでも近くに曹洞宗大本山・総持寺を地図で発見して
先般の禅寺・永平寺参拝に続いて行ってみた次第。
考えてみれば、こうした短期間にふたつの大本山を参拝するのも縁がある。
広い境内に、ありがたい声明〜しょうみょう〜が響いている。
その声音に導かれながら、一番大きな建物の「祖堂」に向かうと
朝の勤行が行われていました。
曹洞宗では朝課と言うのだそうです。

先般の北陸紀行では、この総持寺の移転前の「祖院」もあったのですが、
明治晩年になって、本山はこちら横浜市鶴見に移転したそうです。
寺域は、なんと八万坪という広大な大寺院。
そのなかに各種の宗教建築伽藍が配置されている。
曹洞宗では、永平寺とこの総持寺でふたつの大本山があるそうです。
ちょうど朝課が始まってちょっとの時間だったようで、
般若心経を唱えたあと、たくさんの経典を広げたりたたんだりという
面白い動作を修行僧さんみんながやっていた。
衆生にしてみると、体動作そのものがキビキビとしていて
ひとつひとつにムダがなく、ピンと背筋が通ってくるように感じます。
そして、全員の修行僧による和讃のような声色が響き
それにリズムを与える鐘や太鼓の一種などとの集団音楽世界が広がる。
そのなかを勤行の動作が繰り広げられている。
まさに宗教的法悦感が寺域に充満してくる感覚があります。
平清盛が厳島神社で「千僧供養」というのを行ったそうですが、
夜の海面上にゆらめく蝋燭の照明のなか、千人の僧侶の和讃が
回廊舞台に響き渡った様は、まさに地上の黄金郷を感じたことでしょう。
あるいは、日本にはじめて仏教がもたらされた頃、
夜ごとに各寺院で行われたに違いない宗教儀式のなかで
それまでの日本の社会が経験したこともない
焚き込められた強烈なドラッグのような香のニオイと
こうした僧侶による和讃の響きは、
相当強烈な「文明」を未開の社会の人々に感じさせたに違いありません。
こうした朝の勤行風景はそんな宗教体験の一端が感じられる瞬間であります。
俗物そのものの自分ではありますが、
つい、引き込まれてしまう強い誘引力を持っていますね。
思わず、両手を合わせ、合掌させていただいておりました。
南無南無・・・・。

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