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【コロナ後・社会復元へ明治開拓者からのエール】



さて昨日は超久しぶりに札幌を離れて、旭川まで往復。
片道約150km内外・往復300km走って「取材」してきましたが、
その取材内容はあした以降に詳報させていただきます。
それよりも、ホント久しぶりに札幌を離れられるようになったので、
少しは「慣らし運転」が必要のように思っています。
上は一昨日、札幌の隣町・石狩市に「慣らし運転」したときの写真。
2時間ほど時間に空きができてカミさんに背中も押され
「ちょっと遠くへ」という感じで走ってみた次第。
2月の中旬、15日に東京出張から帰って来て以来、
ほぼ札幌市内だけしか「外出」してこなかった。
約4カ月間の「行動抑制」期間を過ごしてきているワケですね。

まぁこれはこれで、いろいろな整理整頓活動に振り向けられたので
たいへん貴重な体験期間だったと思います。
じっくりと足下を見つめてその基盤を踏み固めるという時間は
あんまり経験してこなかったともいえる。
昭和中期の人間として、根強く行動欲求の強いタイプなのかも知れません。
そういう人間がほぼ強制的に「StayHome」的な仕事環境に置かれたことで
逆に新鮮に経験できたことが多かったとも思っている次第。・・・
しかしやはり昨日一日、外出してZOOMではないビジネス面談機会を得ると、
いろいろな人間情報のやり取りが感じられ、得るものが多い。
もちろんZOOM的な要件特定された「打合せ」というのも今回体験で深まった。
これからアフターコロナの仕事世界は、その両方の「組み合わせ」なのでしょう。

おっと、写真の説明ですが、
ぶらっと慣らし運転だったので、道端で「伊達邦直主従北海道上陸の地」という
見たことのなかった看板に導かれて石狩川河口に迷い込んだ(笑)。
ご存知のように北海道は150年前まではほとんど開拓者はいなかった。
戊辰戦争で敗軍側であった仙台伊達藩からは数度にわたって
藩士主従が集団移住を行って、なんとか定住を完遂させたのですね。
その足跡の実地というのは足を向けたことがなかったので、
新鮮な気付きも得られた次第。まことに茫漠たる地。
伊達藩からの移住では、道央の太平洋側、地名にも「伊達」が残る地域と
こちら石狩東方の「当別」地域、さらに札幌市内の「白石」区と
数カ所入植の地名痕跡がありますが、
こちらではそこそこの人口集積のあった石狩をめがけて上陸した様子がわかる。
碑文を見たら、キビシイ越冬ぶりとそのなかでも数人の赤ちゃんが誕生したりして
主従に「希望」をもたらしたというような記述も見える。
幕末明治の混乱期、一族の生き残りをかけて厳しい風土に立ち向かった人々の
思いから、いまの時代、コロナ禍からの社会復元のわたしたちへ、
なんとなくメッセージを受け取ったような気分がしておりました。

【ゲーム企業「新聞広告」活用でブームメイク】

先日いまは関西にいる息子からLINEで「お願い」が寄せられた。
「6月13日の道新って手に入る?」
「なんだそれ?」
「好きなゲームの一面広告出るんよ」
日付を今確認すると6月3日になっている。
10日もあとのことを知っていたということなので、
「好きなゲーム」というものが持っているファン心理というのがほの見える。
で、当日13日に再度プッシュの知らせ。
「道新!」
ということで、「了解。7-11で買ったよ」と返信。
そうしたら横合いから娘の声。
「セブンイレブンをそんな書き方してるひとはじめてみたwww」
ということで、表現についてキビシイチェック・・・まったく(笑)。

で、新聞をカミさんが恐る恐る広げてみたら、
2ページぶち抜きでの全面カラー広告。
まったく脈絡不明ながら、特定キャラが「富良野」ラベンダー畑にたたずむ図。
ふむふむと、それなりの納得感に包まれる。
写メを撮って送ってあげると「サンキュ! あざ!」との返信。
で、新聞本体を郵送で送った次第。
全経過について説明はなかったし、聞き取りするほどでもないけれど、
なんとなく「ゲーム」というものが新しい日本人の共有文化だと理解できる。
わたしのような昭和中期生まれ人間では、
「マンガ」雑誌に対して抱いていた「新興文化」感が、近似している。
いまではこういうゲーム企業がそうした文化を担っているのだとわかる。
このことを取材記事構成しているニュースページがあった。
J-castニュースというWEBメディア2020年05月04日記事。
「FGO、新聞への大型広告で大反響 コンビニでは品切れ報告、転売も…11紙横断で」
〜スマホ向けゲーム「Fate/Grand Order」(略称FGO)のキャラが
ご当地の風景に登場する新聞広告が地方紙などに次々掲載され、
ツイッター上などで大きな反響を呼んでいる。
「やべぇ可愛い!!」「凄いイイ写真映えですね」「絶景とのコラボはサーヴァントが
実際に訪れたみたいで感動しました!」。
ツイッターでは2020年5月4日、FGOファンからのこんな歓喜の声であふれた。
(中略)新聞広告のコレクションに走るファンも多いようだ。
「コンビニ駆け回った」「8軒目でようやく埼玉新聞見つけたw」
「どこ行っても無いのしんどい…」などと、
ちょっとした新聞の争奪戦にもなっているようだ。
また、メルカリにも、新聞広告が1部500~1000円ぐらいで
大量に売りに出され、次々に落札されていた。〜
っていうような、キワモノ的盛り上がりぶり(笑)。
いい年をした中高年オヤジですが、なんとなく共感は持てる。

なにより、アナログな「新聞広告」を、記事内容とはまったく無関係に
一種のブームづくりのために利用するアイデアのユニークさに感嘆した。
わたしもだけれど、その新聞はもちろん記事を見ることはなかった。
ただひたすらに「広告をチェックする」ためだけに購入した。
わたしが広告代理店勤務のころには、新聞記事に強く注目している読者に
「こっちも向いてみてね」と広告を作っていた気がする。
このゲーム世代企業広告に、そういうニオイはまったくない。
なにか、新しくてオモシロいことが始まりそうな予感がする。・・・

【筋肉痛イテテ 1日1万歩は歩きすぎかも】

なにごとも「過ぎたるは及ばざるがごとし」なのでしょうか?
梅雨入りした本州各地とは気候が違う北海道。
さわやかな気候が続き、新型コロナを退散させたいという願望も強くあり
さらに基本的には外出とか対外的活動は抑え傾向ということで、
勢い、毎日の散歩距離がどんどんうなぎ上りに。
わたしは、毎朝北海道神宮に「新型コロナ退散」祈願を参詣しておりますが、
その往復約6kmをここ3週間ほどは毎朝歩き続けてきたのです。
(数日のやむを得ない事情での欠落がありますが。)
で、昨日、カラダ全体各所から「イテテ」と警告が発せられました(泣)。
どうも、やり過ぎだったようです。

カミさんに背面各所に湿布薬を貼ってもらいまして、
ややイテテは和らいできましたが、深く反省しております。
カミさんの申すには、「1日1万歩は身体に良くない」説が強いとのこと。
「だいたい4000〜8000くらいが年齢的にも・・・」
ということなのだそうであります。
反省しつつ、インターネットで検索したらどうも信憑性が高そう。
ハーバード大学の調査では、わたしの年齢的には
だいたいこの程度の「1日歩数」の人が「健康率」が高い結果が出ている。
これを越えての運動量ではかえって免疫機能を下げるのだそうです。
まぁ、カラダからの非常ベルにはありがたく従って、
もうちょっとペースダウンして、継続して行きたいと思います。
ただ、このようなiPhoneアプリでの歩数計を常備すると
ついつい、その数値を追究したくなる。まことに落とし穴ですね。

しかし散歩道を歩けば各所で楽しい光景が広がっている。
わたしの好きな「昇り藤」ルピナスもいまが盛り。
明治の開拓期時期に欧米からもたらされた植物で、
土壌安定化機能を期待したそうですが、いまでは結構本州地域にまで
生息域がひろがっているようです。
仕事で東北地域をあるくと、ときどき見かけることがある。
・・・すっかり札幌釘付けの日々で、東北にも行けておりません。
出張自粛でなかなか思うようにビジネス経済活動を行えない。
ようやく新型コロナによる「慎重な行動」期間も今週末が節目時期。
なんとか終息を期待したいところですが、最近は
「昼カラ」とか「ホストクラブ」クラスターとかが注意喚起されてきている。
どうも、う〜むと唸らされるところ・・・。
経済全体を回さなければ、経済困難からの社会危機も迫ってくる。
慎重な行動で、経済活動を活発化させたいところですね。

【北海道の開拓苦闘が「国宝」になる日〜時計台】


こんなに長い期間、ずっと札幌に居続けているのはいつ以来か?
StayHome(town)なワケですが、人間にとって移動し体験を積層させることの方が
より普遍的なことなのではないかと思ったりもする。
建築とか、住宅とかに関連する仕事を選び取った人間としては
各地でさまざまな建築に触れ、その体験から普遍的な空間感受性を
涵養するというのが基礎的な部分ではないかと思っています。

そういうなかですが、逆に地元にある「国宝」候補として
いくつかの建築には独特の「体感」も持っている。
建築での「国宝」指定には歴史的時間積層が最低限必要とされているので
北海道では建築での国宝はまだ指定されたモノがない。
いわゆる「重要文化財」としての登録がされ、やがて確実に国宝に指定される
そのような状況の中にあるのですね。
その代表的建築としてこの時計台があり、旧北海道庁本庁舎(赤レンガ)がある。
この時計台は海外でもそのランドマーク性から日本・北海道を
アピールするインターナショナルな共有言語化されたいわば「記憶資産」。
民族体験として明治初期の時代を表現する木造建築として
この時計台は重要な存在であることは間違いがない。
しかし国宝一般から見れば、そこに掛けられた費用などから見れば、
格段にローコストな建築であろうことも特徴的とも言える。
写真は2階ホール空間で、百坪を超える大空間ですが、
建築の初期目的が札幌農学校生徒たちの体育施設だったことから
柱のない大空間が求められ、ツーバイフォー工法の原型とされる
「バルーンフレーム」工法が採用されている。
この大空間を成立させるために、1階部分は比較的に細かく仕切られて
構造強度を高めるように設計されている。
1878年創建時、これだけの大空間をローコストに作るために簡素な
建て方としてこの工法が採用されたものでしょう。
開拓初期、札幌での建築ラッシュを担っていた安達喜幸をはじめとする
北海道開拓使工業局による設計・監督の下建造された。
バルーンフレームというコトバの通り、面構造として壁・屋根・床が造作され
それを立ち上げるような構造のありようが写真からもうかがうことが出来る。
まことに簡素で正直な建てられ方だと伝わってきます。
時計塔はあとから追加工事されたのですが、
正確に時を刻んで行くには、床面などの構造的な正確さが欠かせないとされますが、
そういう点では機能性はしっかりと満たされてきたとされ、
その基盤の仕事をした明治の作り手たちの手の確かさが伝わってきます。

よく周辺が高層ビルに囲まれて「がっかりスポット」とか言われますが(泣)
開拓の最初期の空気感、日本が西洋文明に真正面から立ち向かった
そういう時代のひとびとの手業が、はるかに伝わってくると思います。
歴史時間の乏しい北海道だけれど、この光芒を放つ明治の空気は
しっかりと未来に継承していきたいものと思います。

【北海道神宮の神さまも「慎重に対応」中。】

北海道はまだ歴史は浅いのですが、それでもいくつか、
地域を挙げてという継承性のあることがらはあると思っています。
北海道神宮の例大祭(通常6月14-16日時期)などはそれに当たる。
わたしが産まれた昭和中期には「札幌神社例大祭」だったのですが、
小中学校もお休みになって、各所で「出店」が出されて
地域一帯となった「お祭り」演出がされてきていた。
わが家は当時、「石山道路」〜市南部の「石切山」から切りだした
「札幌軟石」という建築材料を運搬する用途を名付けた道路名〜に面していて
このわが家の目の前を神輿渡御が行われて2階から見物できた。
人口集積、開拓の進展とともに賑やかさが共有文化を育んでいた。
いまは、札幌という街区自体が巨大化してしまって、
神輿渡御の行路自体、市中心部だけの規模になった現実があって
文化現象としては「希薄化」が避けられない現実にはなっている。
わたしのような意識を持ち続けている世代はまだしも、
朝の参詣を欠かさないような文化習慣を持っているけれど、
さて今後は、どのようにして未来継承していくべきなのか、悩ましい。
・・・と言う現実の中、新型コロナ禍が遅い、
ことしは、北海道神宮例大祭、規模が大幅に縮小されることになった。

情報が錯綜している様子ですが、
基本的には神輿渡御などは中止され、屋台出店などもなく、
本殿での神事のみという規模縮小での開催のようであります。
本日も参詣してきたのですが、例年であれば各神さま(4体)の神輿が
境内に出御されている日なのですが、そういうお姿はない。
わたしども衆生としては神さまのみこころのままに従う次第ですが、
コロナ禍出来以来、札幌にいる間は基本的に「コロナ退散」を祈願してきた。
「家内安全・商売繁盛・コロナ退散」を7回唱えてきています。
そういう身からすると、残念の気持ちもある。
北海道神宮とは、日本民族が奉った最新の神さま。
北海道開拓というのは、明治動乱期に日本民族を挙げた最新の祈願。
そのために降臨された神さまなので、保守一辺倒ではなく、
全国の神さまに先駆けて、コロナ退散の積極的行動を期待する気分がある。
もちろん民主主義で祭政は別のことであり、戦後は一宗教法人格ではあるでしょうが、
その成立の出自を見れば国家を越えた民族の祈願対象でもある。
日本歴史ではこういう祭政の絡み合いは結構重要な要素。
いまの官僚組織化した「神社庁」では冒険的革新行動は絶対ムリでしょうが、
日本の神社信仰成立からさかのぼる歴史的視点からは、
危機を突破するようないくつもの祈願が込められて来ていると思う。
まぁ妄想ではありますが、新型コロナ禍という未曾有の事態では
人心一新の必要性もあるだろうと思う次第です。

【野に花踊る。オオウバユリとの再会】


新型コロナ感染はなかなか終息には至らないけれど、
5月末での「非常事態宣言解除」以降、ようやくやや落ち着きが。
慎重さが求められますが、徐々にな活動再開、平常を再獲得したい。
危機になっていまの日本のメディアの状況が露わになった部分があり、
なぜこういう風にしか、と思うところがあってたいへん悲しかった。

しかしそんな気分は、季節の本格的な躍動にカラダ丸ごと委ねることで、
自然と「癒やされていく」のではないかと思います。
ここのところ、早朝散歩では毎日1時間半ほど歩いています。
歩数では、大体10,000歩をオーバーする。
距離ではおおむね7km超というレベルになって来ております。
北海道神宮にコロナ退散祈願を欠かさず、そこから円山自然林を
歩きまわる散歩コース。
そしてことしもついに、写真のように「オオウバユリ」との邂逅であります。
毎年、折に触れて写真でご報告しておりますが、
アイヌの人たちのソウルフードである根菜を涵養する植物。
根にデンプン質が蓄えられて、それを粉末にして料理していくのですね。
一度その食べ物を食べたことがありますが、まことに「この地」の味があって、
「地物」という強い風合いが感じられた。
食べ物としてはそういう存在ですが、その花の成長ぶり、
遷移変身していくその姿がたいへんドラマチックで日々、驚かされる。
きのう、そのつぼみに再会できたのですが、
この写真のつぼみ状態から、花がすっくりと立ち上がって、
「ユリ」科の花らしい愛らしい姿カタチを見せてくれる様が、
劇的な展開であって毎年、目と心を楽しませてくれるのです。
このブログ過去検索で「オオウバユリ」と入力されるとたくさん画像が出てきます。
こういう楽しみはまことに無上の醍醐味を感じる。
人間は自然、大地という豊かさに深く抱かれていることが実感できる。
毎日、その姿に触れられるこころの満足感は計量不能(笑)。
ときどき、その写真をこのブログでウォッチ、公開していきます。

なんですが、野の花たちはじつに「百花繚乱」であります。
昨日も散歩からの帰り道で、写真のような花を発見しました。
清楚な白にはかなげな黄色が浮かんでいて、まことに可憐。
うっとりと撮影させていただきましたが、同好の方と話していても名前が不明。
ということで、インターネットで「この花の名は?」みたいなサイトに質問。
さっそく答が返ってきました。
「バイカウツギ」と言う花なんだそうです。
〜バイカウツギ とはアジサイ科の植物の一種。別名サツマウツギ。
落葉低木の一種で、現在では南東ヨーロッパや小アジアが原産とされる。
名前の由来はウメに似た花を咲かせることから。〜とのこと。

人間世界の騒々しさからすこし距離を置いて
こういう美感の世界に全身つつまれて暮らしたいと思う日々であります。

【「社長食堂」突発的復活。ポテトサラダ篇】

どうもわたしは料理が好きな性格をしております。
だいたい料理を作っている間というのは無心になれるものであり、
その時間、他のことをほぼ考えることなく無念無想でするのが「数寄」。
〜「数寄」とは専門業とはせずに何らかの芸に打ち込む様を、
特に「すき」と称しているのであり、現代の俗語としては
「あんたもすきね」「ものずき」などに通じる。〜とはWikipedia。
好きというのは「動詞」だけれど、数寄というのは一種の固有名詞化している。
「数寄」料理とでもいえる世界なのかも知れない。
これはこれで「三昧」に至るひとつのプロセスだとも思われる。
あれこれと工夫することが、無性に「遊び心」を刺激されてやまないのです。

で、最近面白いなぁと思っているのが「ポテトサラダ」づくり。
昨日も朝1番で「作って見たい」と思い定め冷蔵庫の中から材料を出して
作って見た次第。大体、たくさん作りたくなるというのが男の料理通例。
まずはジャガイモなんですが、食材としては適当に購入するので、
たぶん品種が2つくらいあると、皮を剥きながら感じています。
白っぽい色合いのモノと、黄色っぽい色合いのモノが混合している。
ジャガイモ、として売り出されているので無造作に購入しているのですが
大別して、こういう2種の個体特性を認識しております。
たぶん黄色っぽい方は、味わいに「粘着性」が強く、サツマイモっぽいのではと。
で、そこにサツマイモも一定混合させます。
さらにそこにカボチャも混入させる。自然な甘味がぐっと際だってくる。
かてて加えてそこにタマネギも混入させて、蒸し上げるのですね。
っていうのが大体定番のレシピなんですが、きのうはそこにさらに
甘夏みかんの「皮」をいっしょに蒸し上げた。
色合いが、ふつうのポテトサラダと違って、黄色みが強くなるのですが、
さらに「酸味」も加えて見たくなったのです。モノ数寄。
加えてほのかな「苦味」とさわやかな「風合い」も企画して見た次第。
分量構成は、ジャガ5.5、サツマ1.5、カボチャ2、その他1くらいの「案配」。
まったく計量などはせず、その日の気分と食材のある、ないで適当に落ち着く。
それらを基本の「ねり状態ベース」に仕上げて、
そこにきゅうり、ベーコンハム、ちくわを軽く塩味で仕上げて
混ぜ合わせていく。あ、根菜系ねりベースにも蒸し上げ時に軽く塩味付け。
それらをしゃもじで十分に混ぜ合わせながら、マヨネーズで味付け。
食種でいうと全部で8−9種類の食材が盛り込まれたバランス料理。
・・・っていう作りようで仕上げてみるのが通例。
当然「作りすぎる」(笑)。なので朝の朝礼会のときにテレワーク以外の
出社スタッフに「お昼に食べて」とアナウンス。
で、お昼時に盛り付けてふるまった次第。全8−9名。

「今度の社長食堂(19日予定)でも、作ってください」
という声も寄せられたり、「なんかフルーティだ、あ、みかんだ」
というような感想が各人からさまざまに寄せられました。
わたしも、料理途中で「味見」することはほとんどないので
まさに「一期一会」の味を自分でも楽しむことになります。
・・・ときどきブログでこの「社長食堂」のことを書くので
けっこう顧客先から声掛けもしていただくようであります。
とにかく継続は力。もの数寄も続けていればきっとなにかの役に立つ。
とりあえずスタッフに喜んでもらえるように今後とも精進を重ねたい。
さてさて、外出抑制期間開けの19日には、なにつくろうかなぁ・・・。

【3尺と90cm:感染症「密接」回避の106年史】

昨日も紹介させていただいた早稲田大学の3人の教授による研究、
「新型コロナウイルス感染症制御における「換気」に関して」論文。
<リンクはWEB発表先。別ウィンドで開きます。>
そのなかで「顔面粘膜への飛沫付着量、飛沫付着数の分布」という
飛沫感染の解析実験データへの言及がありました。以下、要旨引用。
〜咳マシン(感染者)とサーマルマネキン(被感染者)を想定して
人工的な咳を発生させ飛沫付着量に関する実験を行った。
顔面粘膜には90cm離れれば非常に少なく、120cm離れればほぼゼロ。
口から30cm、90cm下の面での飛沫付着量は120cm離れるとほぼゼロ。
下ほど少なくなるのは、飛沫が蒸発して飛沫核になるため。
飛沫核は空気中に浮遊。相対湿度が低い場合は飛沫付着量が少なくなるが、
これは飛沫核として空気中に漂う量が多くなること(早大田辺研究室実験から)〜

疫病との戦いは、目に見えない極小の世界でのウィルスの動きを
科学的なメスを入れて可視化し、対応の防衛行動作戦を案出する営為。
そういう試行から得られるエビデンスが、人間社会を救済する。
この実験では30cmごとの感染者との距離検証で安全距離を解明した。
結果としてはおおむね90cmが「非常に少なく」なる隔絶距離だという。
この部分を読んで、先日紹介した「結核予防善悪鑑」を想起した。
まだ結核は「遺伝病」とする常識が支配的だった大正初年、106年前の発行。
当時ドイツ人研究者・ローベルトコッホが「結核菌」を発見した。
結核が感染症であり、生活の仕方で社会的に予防することで
人類を防衛することが可能だという公知を広く普及させることが
最大の感染対策になると解明された。そこで「結核予防善悪鑑」という
日本人に馴染みの深い「相撲番付」表現形式で、
「行動変容」を社会全体に促した事実が発掘されたのです。
その「結核予防善悪鑑」のなかに、写真左のようなくだりが表記されていた。
「悪いこと」として「差し向かい3尺以内の談話」が明示された。
寸法表現には106年の時差があって3尺と90cmだけれど、ほぼ同じ距離。
時間歴史を大きく隔てて、同様の結論に至ったことに感銘をうける。
もちろん結核菌と新型コロナという個体性質の違いはあるけれど、
人間の側の「対策」としては共通の「ソーシャルディスタンス」に至る。

この段階、106年前の段階ではまだ結核のワクチンであるBCGは発見されず、
人類は第1次世界大戦を挟んでようやくワクチンを得た。
逆に言うと、それまでの期間人類はこの行動変容対応で時間を稼いでいた。
今回の新型コロナもワクチン開発まではもう少し時間がかかるだろうし、
それまでの期間でも第2波、第3波が普通に想定される。
スペイン風邪でも感染拡大は、第2波以降が巨大だったとされる。
この公衆的な行動変容規範がわたしたち最大の防衛手段だと思います。

【新型コロナ「エアロゾル感染」と換気】


今回新型コロナ禍では、世界中の科学者が疫病解析に立ち向かっている。
主な感染経路は接触感染、飛沫感染とされているけれど、
換気の不十分な空間において空気中のウイルス濃度が高くなることがあり、
感染のリスクが生じる可能性が指摘され、3つの「密」(密閉・集密・密接)が
重なる場では同様のリスクが生じる可能性があると指摘されている。
そのような解析があって建築系科学者も「換気」の研究を通して
この感染症解析の戦いに参加している。
先般、住まいと環境 東北フォーラムから新たな情報発出がありました。
日本医師会 COVID-19有識者会議に対して
白井 克彦 元早稲田大学 総長
古谷 誠章 早稲田大学建築学科 教授
田辺 新一 早稲田大学建築学科 教授の3名の研究者による
「新型コロナウイルス感染症制御における「換気」に関して」論文が提起された。
<リンクはWEB発表先>日付は2020-05-21とされていました。

その論文中に興味深い研究の紹介がありました。
上の図は香港大学Yuguo Li教授グループ提供のもののクローズアップ。
「広州レストランの感染者と気流」論文での説明図です。以下論文要旨引用。
〜香港大学Yuguo Li教授グループによる広州レストランの感染の気流解析。
換気の悪い広州のレストランで感染クラスターが確認され公表されている。
中央部の赤い咳をしている感染者から赤い人たちがレストランで感染した。
1~2mは離れていたので、その咳が空調気流により室内に飛沫、飛沫核が拡散し
感染したと推測される。しかし同じレストランの遠くの人は空気感染していない。
3密の危険を示すものである。〜
換気ということがらは視覚化させることが非常に難しい。
論文では説明は上記部分だけなのですが、図示される部屋右上の機械は
「エアコン」と推測されます。換気機能は持たず熱交換された室内空気を
「循環」させる装置であると思われます。
このエアコンが複数台装置されているが、図右側の特定の個体エアコンが
果たしていただろう「空気循環」経路に沿って感染者が発生している。
色づけ表示の空気循環の室内部分以外では感染者が発生していない。
「換気」の悪い密閉空間での空気循環が、エアロゾル感染に結びついた。
色づけされた「空気循環」の解析表示には、
エアコンからの吹き出し空気がどのように室内で循環のふるまいを見せるか、
相当の研究が費やされたことでしょう。
このような研究の成果から、3密回避という行動指針が上梓されていった。

日本の専門家会議の新型コロナとの戦い方は主軸が「3密回避」。
世界の多くの国々では「テストテスト」とPCR検査と社会封鎖対応が主軸だったこととは
やや違いがあったと思われます。
これまでのところ、この戦略はある程度の成果を挙げてきているといえるのでしょう。
今後想定されている第2波、第3波の感染拡大と戦うのに、
世界の科学者のさらなる叡智が期待されるところだと思います。

【芸術文化鑑賞も非常事態から再起動】

新型コロナ感染防止のために日本中の美術館や博物館が休止した。
こうした施設で「集団クラスター」発生の可能性はそもそも極少と思われたけれど、
危険を回避するという考え方からはやむを得ないのでしょう。
たしかに行動抑制が叫ばれている中で鑑賞を「呼びかける」のはムリ。
結果として、ここ数ヶ月芸術鑑賞の機会は大きく失われていた。

芸術鑑賞は作品と鑑賞者の「対話」が本質なのでしょう。
それを鑑賞し心を澄ませて「訪れる」心理が、基本的な前提であり、
その心理が作品と触れて「躍動」するというやり取りで
「受容」されていくものなのでしょう。一期一会の真剣勝負。
絵画鑑賞など、こういう所作が体験として、人間的に審美されていく。
こういう一期一会の機会が日本からほぼ失われ続けていた。
が、よく訪れていた「東京国立博物館」は6月2日から開場している。
〜東京国立博物館は、新型コロナウイルス感染防止のため2月27日(木)から
臨時休館としておりましたが、首都圏を対象とした国の緊急事態宣言が
解除されたことから、6月2日(火)より一部の展示施設を開館いたします。
感染予防への対策を徹底するため、ご観覧にあたり、
お客様にはご不便をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。〜
ということで、当面は
〜入館にはオンラインによる事前予約(日時指定券)が必要となります。
オンラインによる受付は、6月1日(月)からの運用開始を予定しています。
すべてのお客様はオンラインによる事前予約が必要となります。〜
という制限処置が継続され続けるということなので、
大多数の「時間のゆとりが出来たときに、自由に・・・」という
訪問機会が普通一般である芸術愛好者には、なかなか敷居が高い。
であれば事前予約までしても観たいというテーマの企画立案を楽しみにしたい。

フランスでは芸術は人間に欠くべからざるモノであるという
政府側からの意見発出もあったようだけれど、
こういう種類の「飢餓」は初めて経験させられた。
これまでも特定の企画展示が、社会の底流的なムーブメントに与っていた
という事例は相当数に上っているのではないかと思う。
この新型コロナ禍からの人間社会の再興にとって、
どのような芸術企画展示が社会に意味を持つのか、興味を持っている。

<写真は酒井抱一「椿図」を自分でデジタル処理したものです。>