本文へジャンプ

ガラス建築と庇

先日、先代MacBookProが逝った日、
かわいそうなかれを背中に背負って、永代橋から
銀座Applestoreまで歩いた道すがら、
遠目に見て「あ、これは・・・」と思ってみたビルです。
COREDO日本橋という名前が書かれていましたが
たぶん、ビル名と思われます。

東京の新しいビルというのはガラス建築と言った方がいいデザインが主流。
仙台のメディアテークを設計した伊東豊雄さんのような手法が
「東京」というデザインを引っ張っていっているとは言える。
その手法とは、スケスケのガラスを全面に使ったような
「エッジの立った」手法というのが通り相場。
しかし、こういう手法はガラスの存在感というか
素材としてのガラスに大きく依存しているので
その耐久性というものについて、検証は十分に行われているとは思われない。
現に仙台メディアテークでは、東日本大震災後、
ガラスの破損箇所があり、それが外壁の主要構造を形成していることから
数ヶ月程度、使用が出来なくなっていた。
また内部でも多くの落下物があったというお話も聞いています。
しかし、デザインとしてはわかりやすく「透明感がある」ので、
その後、全国に似たような建築がごろごろ建てられている。
とくに東京では、素材としてモダニズムを端的に表現できる、
という思い込みから、それこそ山ほど建てられている。
最近、そうした建築からガラスが落ちたりする危険も取り上げられ、
検証が進んでいる過程だと思います。
で、取引先の会社もこういうビルに入っているのですが、
日射遮蔽はまったく考えられていないので、
年中、「透明な壁」のガラス面は開放されることなくブラインドが閉められている。
まともにブラインドを開けると、
それこそ冬でも耐えられないほどの日射取得で室内環境は高温化する。
目で感覚する「快適性」に目を奪われて(笑)
人間有機体の当たり前の皮膚感覚が考慮されていない。
断熱という概念のかけらも理解しようとしないデザインしかなく、
ひたすら原発由来の電気の大量利用による
冷房運転に依拠するしかない建築群だと思っていました。
まぁ少しでも考えれば、
まずは庇を設置することが最優先に考えられるべきでしょう。
そういう認識のかけらをこの建物に見た次第。

しかしこういう建築デザインは、
これからも、もてはやされ続けていくのでしょうか?

Comments are closed.