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【ブレグジット以来の報道と民意の乖離 米大統領選】


レッド・ミラージュというコトバがアメリカで語られているとのこと。
米大統領選での結果についてで、投開票日段階では
全米地図が赤(共和党)に染まるが、やがて蜃気楼(ミラージュ)のように消えて
青色(民主党)にクッキリと色づいていく、という寓意。
上の写真はそんな寓意を札幌のいまの風景写真に重ねてみた(笑)。
ことしの大統領選挙は新型コロナ禍の最中であり密集による感染リスクを避けて
「郵便投票」が広範に奨められ事実として進んでいる。
その結果、不正投票リスクを避けるため本人確認作業が膨大になり、
しかも郵便制度事情が、管理の行き届いた日本の常識とは隔絶した
アメリカの社会事情の中では、不正行為、操作が可能とされている。
そして全米の州ごとの「選挙人」を選ぶという建て付けの選挙ということで、
たとえ1人の投票差でもその州の全数を1人の候補が総取りすると言う制度。
前回大統領選でも、投票総数はヒラリー・クリントンが上回ったけれど、
投票人の多数をトランプが獲得して当選した。
前回は事前の「世論調査」ではヒラリー優勢と伝えられていたけれど、
それら世論調査はまったくの「完敗」を喫したと言える。
言うまでもなくそれらの主体はアメリカの「報道の主流派勢力」に当たる。
あの当時、直前にイギリスでの「ブレグジット」EUからの離脱国民投票で
事前には「残留派」が圧倒的多数と報じられていたのに、蓋を開けたら
離脱派が多数を占めていた、というよく似た事象が発生していた。
トランプの勝利はこの脈絡でよく論評されていた。
いわくエスタブリッシュ、インテリの米英「指導的報道権力」への大衆民意の反乱。
米英の社会は同質性が高く、民意の底流の世界的同質性が議された。
このような「報道と民意の乖離・相反」は日本でも同様にある傾向。
国政選挙で6回も圧倒的票差で信任され続けた政権への執拗な報道機関の
怨嗟にも似た攻撃姿勢は、サイレントマジョリティから選挙で反証され続けた。
既成報道権力から比較的に自由なWEB、SNSの発達が構造変化を促した。

さて今回、相変わらずトランプという人物性への批判があり、
とくにアメリカ社会のエスタブリッシュたちには反トランプ「感情」が強い。
インテリや情報権力を掌握している層、主流メディアには顕著だといえる。
いまやアンティファやBLMなど「暴力勢力」までその流れで黙認されつつある。
今回NYのタブロイド紙が民主党のバイデン側のスキャンダルを報道したが、
それにTwitterやFacebookが拡散に検閲規制をかける事態が発覚したことで、
逆に大きな批判のうねりが生じているとされている。
バイデン陣営からはこの疑惑に対し、正面から証拠を示しての
あるべき反論、反証がなく「ロシアが関与している」などと
根拠の薄い論点ずらしに終始している。先の最後の候補者同士の討論会でも
トランプの指摘に対してバイデンはそういう対応を取っていた。
アメリカでも主流メディアは総じて心情的にエスタブリッシュ側に立っていて
バイデン支持というよりも「反トランプ」という旗幟を鮮明にしている。
これでもかとバイデン優勢と世論調査結果を声高にアナウンスしてきた。
しかし投開票日直前で、トランプ巻き返しという調査結果もいよいよ出てきた。
民意の帰趨は、かれらにしてもまったく予断は許されないのだろう。
そしてこのブログを下書きした後、今朝早く反トランプメディアの急先鋒・CNNが
「ドナルド・トランプ大統領は2期目を迎えるに値する」という
思わず目を疑うような、これまでの報道姿勢を180度変えた記事を発表した。
全国大手メディアとしてはじめて本格的にバイデンのスキャンダルを報じた
FOXの番組視聴率が通常の倍近い視聴率で国民に見られたという報道も出た。
「世論調査」で誘導的なCNNにし、真実の民意の底流変化を認めたものか、
あるいは、どっちに転んでもいいよう選挙後のメディアとしての安全を担保か。
「ミラージュ」はレッドではなく、ブルーだったのかも知れない。
あまりの報道姿勢急変・急ハンドルに、大きな疑問が湧いてくる。

アメリカの帰趨は世界情勢に非常に大きな要素。
とくに米中冷戦の真ん中に位置する日本の地政学的位置から考えると決定的。
米英「ファイブアイズ」日本参加が展望される国際環境構造変化プロセスでもある。
他国民としてだけれど固唾を飲んで注目せざるを得ない。

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