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【日本国憲法「我々が書いた」米副大統領】

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日本国憲法について触れるとすごく反応する人も多いけれど、
やっぱりこの状況については、ひとこと触れておきたい。

日本の憲法「我々が書いた」…米副大統領
<読売WEB>2016年08月16日 12時46分 【ワシントン=黒見周平】
バイデン米副大統領は15日、ペンシルベニア州の集会で、
米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏(70)が
日本の核保有を認める発言をしたことを巡り、
「日本は我々が書いた憲法で核保有国になれないことを彼は理解していない。
学校で習わなかったのか」と批判した。
 バイデン氏の発言は、日本国憲法が連合国軍総司令部(GHQ)主導で
作成されたことを踏まえたものとみられるが、米政府高官が公の場で
「我々が書いた」と表現するのは極めて異例だ。

・・・なんとも、波紋を呼ぶ発言が飛び出したものだ。
核についての部分は「事実上」という但し書きが付けられるべきだけれど、
大枠として、アメリカ権力機構側の「現実認識」はこうなのだろう。
戦後71年経過して、4度の国政選挙を経て与党側が2/3を上回る議席を
衆参両院で確保している中で「戦後」という枠組み自体についての
さまざまな事実関係が露わに浮かび上がってきた。
安全保障面で野党側は「憲法を守れ」と声高に主張してきたけれど、
それが国際法的にも疑義のある成立過程であったことが露わになった。
ググってみたら、国際法たるハーグ条約(陸戦の法規慣例に関する条約)
陸戦法規第43条において
「占領者は占領地の法律を尊重して占領行政を施行すべし」
と規定されているにもかかわらずアメリカを基軸とする連合国軍は
明治憲法を廃止させ、GHQ憲法と言われる現憲法を「押し付けた」。
占領統治下で他国に憲法を押し付けられるということは、
法治国家にとってあってはならない文明の汚辱とも言えるものとされる。
戦勝国とはいえ敗戦国の憲法制定に関わることは明白な国際法違反。
それをアメリカの副大統領があっさりと認めてしまった。

憲法は現代日本に合致したものであれば、
冷静に国民議論を行って改変することは当然だろうけれど、
さりとて明治憲法(的なもの)にすべきなどとはまったく思えない。
国民主権と象徴天皇制は現憲法のよき基本だと考えるもの。
しかし誰が考えても、戦力不保持宣言規定はおかしいし、
きちんと「普通の国家」としての憲法には改めるべきだと思います。
そのこととは別に、今回驚きを感じているのは、ここまで露わに
現憲法の成立過程をアメリカ側が認めてしまったこと。
政治的にも、外交的にも、また国際法的にも問題は大きすぎる。
アメリカは南シナ海での中国の仲裁裁決定無視を非難する立場を失いかねない。
基本的な国際法、自然法に照らして考えて現状は異常だと明らかになった。
さすがにこのニュースについては、改憲絶対反対の朝日新聞も含めて
新聞メディアは全紙報道しているようで事実は全国民的に知らされた。
折から尖閣への中国による明白で侵略的な挑発行為、
天皇からの事実上の生前退位意向表明などの、
戦後日本国家の大きな枠組み自体についてのパラダイムシフトが
相次いで生起してきている。わたしたち日本人は前提条件抜きで
隔意なく率直に、この国のかたちを話し合うべき時期ではないのだろうか?

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