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居間と大型テレビ

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最近、っていうか、ここ5〜6年でしょうか、
テレビがどんどん大型になっていく傾向にありますね。
デジタル化が呼び水になってか、
テレビの買い換え需要を起こそうという人為的なキャンペーンの臭いを感じましたが、
ここまで一般化してくれば、まぁ、長いものには巻かれろしかない。
なんですが、こういうことが住宅プランに影響を与えていることも否めない事実。
そんなあたりを、ユーザーにも知ってもらいたいと言うことで、
ビルダーさんたちに、そのことについての意見を求めました。
そうすると、さすがに毎日、そうしたユーザーの声に接しているからか、
さまざまな意見、感想を得ることが出来て、有意義でした。
大型テレビは、大体が大きな黒い物体なので、
そういう物体がリビングに独占的に存在するようになると
いろいろ、住宅の方で変わってこなければならなくなる。
40型以上になると、画面からのセットバック距離が4mを推奨してくるのだそうです。
4mって、すごい面積ですよね。
単純にソファに座って視聴するとして
ソファが移動動線空間も含めれば3m相当とすれば、
実に12平米、坪に直せば、約4坪・8畳間相当を空けろ、っていうわけ。
当然、その他にもリビングの機能は必要なわけですから
テレビによって、居間はものすごく大きな面積を必要とするようになってきた。
でも、テレビって、いまや個人単位での視聴が主になってきている。
単純に、テレビの主要なコンテンツって、
子どもくらいしか、見ていないのではないか。
居間のテレビとその空間は巨大化しているけれど
その内実としての「家族の団らん」は充実してきているのか、
って考えたら、どうもコスト換算で考えて
間尺にあっているのかどうかは、考え物というのが実態のようです。
居間から、周辺の眺望や庭の景色を楽しむ、というのが
設計プラン上の当たり前の要素なので、
大きな開口を設けて、そういう位置に主要な「いごこち装置」・ソファを
配置するのが普通一般的だった。
テレビはそういうプランの補助としてこれまで考えてきたのが、
どうしても、メインにしなければならなくなってくる。
極端な話、せっかく2面に周辺環境との親和を考えた窓を開けても、
主要な壁を背景としたテレビの側にソファが置かれて、
窓に対して、背中側になってくる、というケースも増えてきている。
このあたり、景色を楽しむとか、自然と親しむという
そういう楽しみがあらかじめ不可能になっている地域のライフデザインが
全国に、あるいは全世界に押しつけられていっているような
そんな危機意識を感じざるを得ない部分もあるのです。
さて、みなさん、いかがお考えでしょうかね。
北のくらしデザインセンター
NPO住宅クレーム110番|イザというときに役立つ 住まいのQ&A
北海道・東北の住宅雑誌[Replan(リプラン)]|家づくり・住まいの相談・会社選び

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