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工務店ネットワークという概念

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地域に存在する工務店という業態は、
たいへん、ユニークな存在だと思います。
よく「地域の製造業」という言い方をしますが、
結局「生産活動」というのは、人間の結合体が行っていくもの。
住宅の生産というのは、その地域の気候風土を知り尽くした存在が、
地域の住民の立場に立って作っていくのが自然。
確かに大手ハウスメーカーが全部、住宅を受注することは出来るでしょうが、
メンテナンスにきめ細かく対応など出来るわけがないし、
全国一律の住宅が、各地域の実情に似合うわけもない。
さらに、こういう存在がなくなってしまうと、
地域でモノを作っていく、という基本的な部分が喪失してしまうことを意味する。
技術って言うのは、仕事がなくなると簡単に消えてしまう。
それを再生しようとすると、大変な熱意と努力が必要になる。
地域の中に、木材を扱う専門家から、
左官を扱う専門家、建具を扱う専門家、などなど、
一連の「製造業システム」がきちんと存在するということの意義はきわめて大きい。
しかし、一方で
家を頼むユーザーの側も、定住性という部分では
どこまで地域にこだわり続けられるのか?
という問題点も大きくなってきていると言える。
国の推し進めてきている、既存ストックの向上政策では、
長期にわたっての優良性を確保できる住宅ということが
目指されているけれど、
肝心のユーザーの側からすれば、
そんなに長く持ってしまう住宅だと、相続を受ける側の人間が困ってしまう、
っていうような悩ましさすらも出てくる。
その地域に「ずっと住む」ということについて、
前時代のような社会的共通認識自体が希薄になってきている。
まぁ、確かに、であるからこそ、価値の流動性を担保する
住宅流通が活発化しなければならない、という部分もある。
優良な住宅が、きちんと評価されて流通させられれば、
社会的な資産として、多くの人が価値観を認められると言うこと。
この両方の論議の谷間で、
じゃぁ、実際にそういう住宅を造っていく存在は、と考えれば
「家守」とでも言えるような社会的存在としての
地域工務店というものの重要性が増してくると思う。
きのうから、北海道を中心とする地域工務店ネットワーク
アース21の総会が開かれています。
ことしは、ずいぶんと盛大な会になっていてびっくり。
総勢60人からの会合になっているのです。
地域工務店だからこそ、情報を共有するネットワーク活動が大切なのだと思います。
活発で、内容の深い論議が戦わされる会なので
毎回楽しみに参加してきています。
そのうえ、本日はいろいろと座談会などの企画もあるので、大忙し。
掛け持ち日程ですが、なんとか頑張りたいと思います。ふ〜〜〜。
北のくらしデザインセンター
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