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「地方経済」の危機

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<以下、きのうの北海道新聞より抜粋>
道内主要企業の7割が経常減益 2、3月期 原油高など直撃(06/01 07:55)
 北海道新聞社の集計によると、七割に当たる二十八社が経常減益(赤字転落、赤字拡大を含む)となった。原油高や原材料高で費用がかさんだのが主因。好調な輸出を背景に三月期決算で六年連続増益を達成した東証一部上場企業全体と比べて、業績悪化が目立つ。主要四十社の経常利益(黒字と赤字を通算)は千三百九十四億五千八百万円で、前期比27・6%減。東証一部上場企業千二百二十九社の三月期決算の経常利益は同4・7%増だった。道内四十社の純利益は同20・8%減(東証一部上場企業全体では10・7%増)、売上高は同2・6%増(同7・0%増)だった。
まぁ、なんともすごい状況になってきていますね。
主要な地場企業、軒並み赤字転落とか、利益縮小になってきています。
一時期、「勝ち組」とか言われてきた企業でも
エネルギーコスト・原材料価格の高騰という未曾有の事態のなかで、
進行する消費の落ち込みのなか、価格転嫁できず、
企業業績が大きく落ち込んできているという状況です。
東証一部上場企業との乖離が大きくなってきているとも伝えています。
地方経済は、国の無策の結果、立ちゆかなくなってくるのでしょうか?
同じ誌面では、もと大蔵省の榊原さんが
グローバルな石油価格上昇・食料原材料価格上昇の要因として
サブプライム問題以降の過剰流動性・投機資金のこの分野への過剰流入が指摘されています。
日本が国策としてきた原材料への付加価値戦略が、
このような「投機」の動きによって、破綻寸前の状況になってきたと告げています。
高付加価値な工業製品・サービスなどの「価値」が相対的に低下し、
投機資金の流入で、原材料自体が投機の対象にされてきている。
しかも、こうした変化のなかで、
アメリカの政策能力は破綻を続けており、
同時に日本は、伝統的な工業立国路線から新事態への対応ができていない、
というように指摘されていると思います。
一部の大手企業は、まだ対応がギリギリ可能なのでしょうが、
地方経済に立脚している企業は、この事態に対応が追いつけていない。
原材料が投機によって不安定な状況では、
それを使って加工組み立てするタイプの産業では厳しい。
大手ではまだ、活発な海外市場で活路があり得るけれど、
地域密着タイプの企業には、展望が見いだしにくい状況になっている。
静かに、大規模に進行している危機って、
案外、そのなかにいると、気付かないことが多い。
ちょうど、台風の真ん中にいると静かなようなもの。
石油価格の上昇・資源価格の上昇は、
どうも、のっぴきならない局面にまで来ているという感じが強まってきました。
一番の危機は、政府や政治家、省庁に打開への動きがみられないこと。
資本主義経済世界を共有する人口が急拡大して、
その大部分が、資源加工型経済構造〜日本がこれまでやってきたこと〜に
一斉に参入してきて、その相対価値が下がり続けてきている。
さて、暗中模索の経済状況が続くのでしょうね。
国の基本戦略が明示的に論議もされないなか、
企業としては、自分たちの方向性を見いだしていかなければなりません。
別に北海道だけの問題ではなく、地方経済ってもの、
いよいよ、正念場と思ってかかる必要があります。
<写真は無関係です>

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