きのうは主に大阪市内の住宅見学ツアー。
コースは3つに別れていて、聴竹居を含む京都コースが人気でしたが、
わたしはすでに2度見学しているので、こちらに参加しました。
写真は2軒目に訪れた「蔵家・居蔵邸」。
Ua値は0.398ということで大阪は省エネ区分6地域で0.87なので、
おおむね省エネ基準住宅に対して50%程度の削減達成率の住宅。
しかしそれ以上に都市型住宅のデザイン面で楽しい住宅。
「外構植栽コスト、どれくらいかかったの?」
「う〜〜ん、だいたい100万円」ということでした。
植栽は建物前面の、狭いけれど南面したベルトゾーンをメインに、
写真右側のアプローチ外周に沿って、植え込まれている。
植え込まれた樹種も10数種類で、だいたい3日くらいかかったそうです。
万が一、枯れたときの保証は1年間はしているとのこと。
この建物は新築から数ヶ月ですが、そこそこの高さの植え込みがあって、
今後、美しい緑をこの外観に対して与えていく。
その表情がどんな風に移ろっていくか、何度か見てみたいと思える外観です。
で、わたし的にはこの前面の駐車スペースの半緑地に目が向いた。
居蔵さんは説明でお忙しかったので、同行の温暖地設計者に聞いた。
こちらの床面仕上げは、二の字型の表面を見せているブロックを
一定の深さまで掘り込んだ路面に設置していって、
そこに土を被覆させて芝生を生やして路面を調整するということ。
車のタイヤ加重によって長期間にわたって「天圧」がかかって、
丈の短い草が密生させられることで出来上がる路面。
北海道東北ではほとんど見られない路面仕上げですね。
やはり「凍結深度」の考え方がない地域で可能な路面デザイン。
このまま北海道で作ったら、一冬で凸凹があらわれてくるでしょうね。
そういった事態を回避したいとすれば、凍結深度以下まで路面掘削して
そこに凍上対策をなんらか施した上で表面デザインすることになる。
言うまでもなくそこにはコストの問題が横たわってくる。
しかし温暖地ならではこういうデザインが一般的に可能になる。
北海道では同じデザインはできないからどう考えるか。
そこがいろいろと頭を使った工夫が求められることになる。
住宅デザインはこのように地域偏差が顕著に表れることなので、
「全国コンテスト」というような場合、「評価基準」はきわめて難しい。
というか、やはり公平性の確保はほとんどムリでしょうね。
室内でもデザイン的な遊び心は各所で満載されていました。
蔵家さんは建築デザイナーとのコラボが多く、
この家もマンションリノベが多い設計者とのことでしたが、
そういうことで、日頃のうっぷんを晴らすように「高低差」が多用されていた(笑)。
住宅デザインの地域偏差についてオモシロい気付きのあった家でした。
Posted on 10月 5th, 2018 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
コメントを投稿
「※誹謗中傷や、悪意のある書き込み、営利目的などのコメントを防ぐために、投稿された全てのコメントは一時的に保留されますのでご了承ください。」
You must be logged in to post a comment.